フリーランスとして新たな挑戦をする翔太がOSW若手興行『BERSERKER』をプロデュース。「海外選手 vs 日本の若手」で世界への扉を開く!

②各カードのみどころ

『BERSERKER INTERNATIONAL』
日時:5月15日(木)開場19:00 開始19:30
会場:OSW道場

――それでは、その第一歩となる大会の各カードについて、さらに詳しく見どころを教えていただけますか? まずは、翔太選手が最も期待しているという、ミッチ・ライダー選手対小藤将太選手のシングルマッチからお願いします。

翔太:ミッチ・ライダーは、オーストラリアのブリスベンの出身で、若くして頭角を現した選手です。GCWのオーストラリア大会にも出ていていい印象でした。2年前に日本にもきてすごく周りの選手からの評価も高かったですね。身体能力が抜群で、特に跳躍力を活かした空中殺法には目を見張るものがあります。ただ飛ぶだけでなく、非常に独創的で、予測不能な動きをする。それでいて、基本的なレスリングもしっかりしている。僕がシングルでやった時も、そのポテンシャルの高さに驚かされました。結婚して、子供が産まれて家庭を大事にとペース抑えていた時期があったようですが、今は完全にプロレスモード。まさにこれから、という選手です。

――対する小藤選手は、日本のインディーシーン期待の星ですね。

翔太:小藤くんは、華やかなルックスに目が行きがちですけど、本当に基礎がしっかりしている。特に井上雅央さんの指導を受けてから、トラディショナルなレスリングの重要性を理解して、それを自分のスタイルに落とし込もうとしているのが素晴らしい。この試合は、オーストラリアの最先端を行くであろうミッチのダイナミズムと、日本の若手らしい実直で基本に忠実な小藤くんのレスリングがどうぶつかり合うのか。小藤くんが、未知の強豪であるミッチ相手にどこまで食らいついていけるか、そしてこの経験をどう自分の成長に繋げるか、非常に楽しみな一戦です。

――次は、台湾からの刺客、ルーシファー選手と、OSWの五十嵐玲也選手の対決です。

翔太:ルーシファーは、NTW(新台湾プロレス)という台湾の団体で活動している選手です。台湾のプロレス界も、近年レベルアップが著しいんですが、まだまだ試合数は少ないのでこれからかなと。そんな中で彼は、単身日本に乗り込んできて、FREEDOMSさんの道場で揉まれながら武者修行をしているので成長していると思います。ハングリー精神が旺盛で、吸収力が高い選手だと思います。入場でのラップも彼の個性ですよね(笑)。日本に来てからの成長ぶりを、この試合で見せてくれるんじゃないかと期待しています。そして、彼が台湾に今回経験したことを持ち帰ってもらって、台湾のプロレスがよくなって、さらに別の台湾の選手が来てみたいになるといいですね。

――迎え撃つ五十嵐選手は、また独特の魅力がある選手ですね。

翔太:五十嵐くんは、本当にファンに愛されている選手。可愛らしく、のんびりした雰囲気なんですけど、試合になると気持ちが前面に出る。泥臭くても、何度やられても立ち上がって、得意のミドルキックで反撃していく姿は、応援したくなりますよね。この試合は、ある意味、似た雰囲気を持つ二人というか、どこか憎めないキャラクター同士の対決。だからこそ、感情移入しやすい、心温まるような、それでいて激しい試合になるんじゃないかと予想しています。五十嵐くんにとっても、初の外国人シングル。大きな経験になるはずです。

――そして、メキシコからのルチャ・キングス(バンブー&エル・レイ)と、日本の若手実力派タッグ、市川少年愚連隊(中村宗達&川上翔太)の対決です。

翔太:ルチャ・キングスは、僕がサンディエゴで見て衝撃を受けた二人組です。メキシコのティファナを拠点にしていて、本場のルチャリブレの華やかさと激しさを体現している。特に連携技の多彩さとスピードは一級品。アメリカのインディーシーンでも活躍していて、経験値も豊富です。サンディエゴの時はいい選手だなとそれだけだったんですけど、バンブーから連絡が来て、「日本が好きで日本に行きたいと思っている。飛行機も取ったから」と。それであればタッグでくるのであれば、タッグで試合をさせてあげよう。そこでいいチームはいないかと考えた時に市川少年愚連隊がいいなと思いました。バンブーの方は英語も話せるらしいですが、レイの方はほとんどスペイン語オンリーらしいので、試合で身体でぶつかってコミュニケーションを取ってもらうしかないですね。まさに異文化交流マッチです(笑)。

――対する市川少年愚連隊は、今非常に勢いのあるタッグチームです。

翔太:彼らは、若手らしい勢いと、それを裏付ける確かな技術を持っている。特にタッグとしての完成度が高まっているという評判は、僕の耳にも届いています。ガンプロ時代に一緒に練習したこともあるので、彼らの成長は嬉しいですね。僕がガンバレ☆プロレスを退団して、ガンプロの情報を見ないんですよ。Xもアルゴリズムで見なくなると情報が流れてこなくなっているんですけど、そこをかいくぐって彼らの試合ってXのタイムラインに流れてくるので評判はいいんだなと。この試合は、本場のルチャドールに対して、日本の若手タッグがどう立ち向かうのか。学んできたスタイルの全く違う相手に自分たちの持ち味を発揮出来るのか。彼らの対応力、そしてプロレスラーとしてのセンスが問われる一戦になるでしょう。ここで何かを掴めば、彼らの未来はさらに大きく開けるはずです。

――どのカードも、異文化交流という側面が色濃く出ていて、本当に楽しみです。そして、翔太選手ご自身の試合は、澤宗紀選手とのダークマッチ。これもまた、特別な意味を持つ一戦になりそうですね。

翔太:僕にとっては、本当に特別な試合です。澤さんは、僕がインディーで燻っていた頃の、手の届かないスターでしたから。引退された時は、もう二度とリングで交わることはないんだろうな、と寂しく思っていました。それが、時を経て、“一般人”としてリングに復帰されて(笑)。まさかこんな形でシングルマッチが実現するなんて、夢にも思っていませんでした。

――まさに、時空を超えたドリームマッチですね。

翔太:そう言ってもらえると嬉しいですね。若手時代の憧れの選手と、今の自分がどこまでやれるのか。もちろん、澤さんも一般人とはいえ、あの澤宗紀ですから、一筋縄ではいかないでしょう。だからこそ、こちらも全力でぶつかるだけです。試合形式も「19時開始、19時半終了 時間内無制限フォールマッチ」という、ちょっと変わったルールにしました。

――30分間、何が起こるかわからない、と。

翔太:ええ。プロレスで決着をつけるのか、それとも…? その場のノリとインスピレーションで、澤さんと二人で最高の30分間を作り上げたいと思っています。もしかしたら、プロレスファン以外の人が見たら「こいつら何やってんだ?」って思うかもしれない(笑)。でも、それも含めて楽しんでもらえたら。あくまで若手たちの熱戦がメインですが、その前に、僕らの“おじさんたちの青春”みたいなものも、ちょっと覗き見しに来てください(笑)。

③大会に向けてメッセージ

――プロデューサーとして、そして一人のレスラーとして、この大会に懸ける思いがひしひしと伝わってきます。最後に、改めてこの『BERSERKER INTERNATIONAL』、そして今後の展望について、ファンへのメッセージをお願いします。

翔太:今回の『BERSERKER INTERNATIONAL』は、僕にとって大きな挑戦です。まだ無名の海外選手、そしてこれからの日本を背負っていくであろう若手選手たちが、このリングでどんな化学反応を起こしてくれるのか、僕自身が一番楽しみにしています。彼らは、数年後には間違いなくシーンの中心にいる選手たちです。その“原石”たちの輝きを、ぜひその目で確かめに来てください。平日夜、しかもゴールデンウィーク明けという忙しい時期かもしれませんが、会場に来ていただければ、絶対に後悔はさせません。熱い戦いを約束します。

そして、この大会は、僕が目指す「世界との懸け橋」の、まだ小さな、でも確かな第一歩です。この一歩を大切に、今後も継続して、海外の選手がもっと日本で活躍できるチャンスを、日本の選手がもっと世界に羽ばたけるチャンスを作っていきたい。日本のプロレスの素晴らしさを、もっともっと世界に広めていきたいんです。将来的には、この『BERSERKER INTERNATIONAL』のような大会を、もっと大きな規模で、定期的に開催できるようにしたい。それが、フリーランスになった僕が、プロレス界に対してできる恩返しの一つなのかな、と思っています。

まずは5月15日、OSW道場でお会いしましょう! 僕と澤さんのダークマッチも、お楽しみに(笑)。いや、本当に、若い選手たちの試合を見て、未来への希望を感じてください!お待ちしています!

――翔太選手の熱い思い、しかと受け止めました。本日はありがとうございました!

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)