【マリーゴールド】岩谷麻優が入団初戦で高橋奈七永との13年越しの再戦制す「スターダムを辞めたことに後悔はない」

女子プロレス団体「マリーゴールド」は5月4日、東京・後楽園ホールで旗揚げシリーズ「Rising Spirit 2025」を開催し、岩谷麻優が高橋奈七永との一騎打ちに勝利した。
スターダムを離れ、新天地での第一歩を踏み出した岩谷が、13年前にデビュー間もない時期に対戦した高橋と再び向き合い、激しい闘いを制した。
約2年間保持していたIWGP女子王座を失い、4月末でスターダムを退団。5月1日にマリーゴールドへの入団を発表してからわずか3日後のリングであった。
かつて「老害」と発言した相手との対戦は、試合前から並々ならぬ緊張を漂わせていたが、岩谷はその不安を乗り越え、真っ向から受け止める姿勢を示した。
試合序盤は高橋の老練な攻撃に苦しめられた。脚への一点集中攻撃、場外での強打、さらにスタンド階段からの転落と、肉体的にも精神的にも追い詰められる展開が続いた。
しかし岩谷は意地を見せ、反撃に転じる。何度も倒されながらも立ち上がる姿には、プロレスラーとしての覚悟がにじんでいた。
終盤は両者の執念が交錯する激戦となった。20分を越える試合時間の中で、勝敗の天秤は激しく揺れ動いたが、最後は岩谷が丸め込み技で3カウントを奪取。かつての恩師に勝利する形で、マリーゴールド初陣を飾った。
試合後、マイクを握った岩谷は、観客への謝意と決意を述べた。
「スターダムを辞めて3日後に会見をやって、置いてけぼりにしてしまったファンの皆さんごめんなさい。これからも一緒にいろんな夢を見ていきたい。皆さんこれからもついてきてください」
そして、高橋に向けて真摯な言葉を届けた。
「老害って言ってごめんなさい。あんなこと言っちゃったから今日めちゃくちゃ怖かった。でも今日泣かないであなたの前に立つことができました。岩谷麻優成長しました。奈七永さんの強さを身に染みて感じて、あなたの強さは必ず自分たちの世代が受け継いでいきます」
この言葉に高橋も感極まり、涙を流しながら抱きしめた。
「正直私が辞めた後のマリーゴールドは大丈夫かなと思ったけど、麻優がマリーゴールドに来てくれてよかったよ!ありがとう。岩谷麻優のプロレス最高だった。クソ!」
試合後には、スーパーフライ級王者のビクトリア弓月がリングに登場し、岩谷に挑戦を呼びかける一幕もあった。かつて同じユニットに所属していた後輩の成長に岩谷は驚きながらも、堂々と応じた。
「弓月は成長したのかもしれない。でも岩谷麻優はもっともっと高いところにいるから。チャンピオンベルトその日まで守っておいてね。正々堂々と受けてやりますよ」
バックステージでは、移籍発表後に寄せられた厳しい声に悩んだ日々を明かしつつ、力強い決意を語った。
「がっかりしたって声が1番多くてすごく悔しかった。でもスターダムを辞めたことに後悔はない。これから自分が入り口になって『ハマったよ』って言う人が増えるようにしたい。そんでもってマリーゴールドの顔になりたいと思ってるし、みんなの手でマリーゴールドを世界一にしていきたい」
“スターダムのアイコン”から“女子プロレス界のアイコン”へ。岩谷麻優の第二章が、鮮やかな一勝とともに幕を開けた。
<写真提供:マリーゴールド>
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