WWEレジェンド取材依頼からレスラーになりディアナ参戦を直訴したデビー・カイテル

【WEEKEND女子プロレス♯63】

今年1月、ワールド女子プロレスディアナに登場したデビー・カイテルは、3月31日放送のテレビ東京『YOUは何しに日本へ?』に出演。空港到着からディアナでのデビュー戦まで、密着取材を受けていた。

デビーが日本にやってきた理由は、「日本の女子プロレスを学びたいから」。リアルタイムではないものの、全日本女子プロレス黄金時代の映像にインスパイアを受け、井上京子率いるディアナに自ら売り込みをかけたという。プロレスラーになったのは20代後半になってから。現在35歳でキャリア8年。遅咲きの部類に入ると言っていいだろう。それだけに、異国のプロレスを吸収しようという姿勢は真剣そのものだ。


「写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ」

アイルランド西部の都市ゴールウエイ出身で、父はIT会社を経営、母は美容師。彼女は5人兄弟の2番目で、内向的でおとなしい性格だったという。それでいて、スポーツ、演劇、マスコミ関係に興味を持ち、人前でパフォーマンスする仕事ができればとも考えていた。プロレスを知ったのは、父がイギリス出張の際に買ってきたWWF(現WWE)のビデオテープ。これを機にプロレスをテレビで見るようになり、女性ながらも当たり前のように大型男子レスラーと闘うチャイナのファンになった。7歳くらいの記憶である。

が、あくまでもファンで、当時はプロレスをやってみたいとの気持ちには至っていない。成績優秀だった彼女は大学卒業後、メディアマーケティングの会社に就職し、アメリカ・ニューヨークに渡った。ファッションの話題を中心に扱う仕事だった。


「写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ」

「私はおもに裏方だったんだけど、ブロードキャストジャーナリストとして働いていたの。ニューヨークを拠点に、マイアミやロサンゼルスなどでスターのゴシップやインタビューもやっていたわ。その頃、コミコン関連のイベントがあって、プロレスラーのミック・フォーリーがミート・アンド・グリートのゲストで出演していたのね。プロレスファンの私は彼の人物像をフィーチャーしたいと思いインタビューを申し込んだんだけど、スケジュールの都合でかなわなかった。それでもフォーリーとは現場で数分間話すことができて、私の英語アクセントからアイルランド人と気づいたみたい。すると彼が(エド・シーランの)『Galway Girl』を歌い始めて、アイルランドの文化が好きだと言ってくれた。そこからプロレスの話にもなって、興味があるなら機を逃す前にトライしてみたらと、アドバイスを受けたのよ。そのとき想像したのが、ハードコアスタイルで闘う自分の姿(笑)。ジャパンで言えば、DASH・チサコね。ラダーから飛ぶ光景が目に浮かんだわ(笑)」

 この会話をきっかけにプロレスラーになろうと考えた彼女は、17年にアイルランドに戻り、首都ダブリンのレスリングスクールに入門する。

「それまではレスリングスクールというものがあると知らなくて、調べていくうちにダブリンにあるとわかったの。ダブリンには往復8時間近くかけて通ったわ。どうしてもプロレスをしたかったから、引っ越して練習を続けたのよ」

Pages 1 2 3 4

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加