【新日本】後藤洋央紀がIWGP世界ヘビー防衛成功も、ザックとの死闘はダブルフォール裁定「後藤革命は、まだまだ終わらねえぞ」

新日本プロレスは現地時間5月9日、アメリカ・カリフォルニア州オンタリオのToyota Arenaにて『Resurgence 2025』を開催。
『Resurgence 2025』
日時:2025年5月10日 (土) 17:30(PDT)開場19:00(PDT)開始
会場:アメリカ・Toyota Arena(カリフォルニア州オンタリオ)
観衆:2,027人
通算4度目となるビッグマッチのダブルメインイベント第1試合では、IWGP世界ヘビー級王者・後藤洋央紀が前王者ザック・セイバーJr.を迎え、6度目の防衛戦に臨んだ。
2月の大阪大会で王座から滑り落ちたザックが、雪辱を期して再び頂点を目指す一戦。一方の後藤は、5.4福岡大会でカラム・ニューマンを退け、最多防衛記録を更新した直後とあって、充実ぶりが光る状態でのリングインであった。
序盤はザックがグラウンド戦を仕掛けて主導権を握り、後藤はペースを掴み切れない時間帯が続いた。中盤以降もザックは指折りやネックツイストといった関節攻撃でじわじわと後藤の動きを削り、試合全体を掌握する時間が長かった。
だが、後藤も意地を見せる。怒りをぶつけるようなチョップとラリアットで反撃し、裏GTRや牛殺しでザックを追い込むと、試合は白熱の展開へ。終盤には一進一退の丸め込みの応酬、ラリアットの相打ち、そして互いの必殺技が交錯する消耗戦に突入した。
激闘の末、勝敗を分けたのは一瞬の重なりだった。ザックがロープの反動を使って繰り出したレッグロールクラッチホールドに、レフェリーが3カウントを宣告。だが、後藤も同時にフォールを仕掛けており、公式裁定はダブルフォールによる引き分け。これにより、王者・後藤の防衛が認定された。
<試合結果>
▼第6試合 60分1本勝負
ダブルメインイベント IWGP世界ヘビー級選手権試合
<第12代チャンピオン>
後藤 洋央紀 △
vs
<チャレンジャー>
ザック・セイバーJr. △
17分28秒 ダブルフォール
※後藤が6度目の防衛に成功
試合後、怒りをあらわにしたザックはレフェリーにフロントネックロックを見舞い、IWGPベルトを後藤の前に放り投げると、突き飛ばしてリングを去った。不完全燃焼のままベルトを守った後藤も、花道を納得のいかない表情で引き上げた。
バックステージで後藤は、「納得いかないのは俺も同じだ。お客様も同じ。ザックも同じだろう。もう一度、どこかで決着をつけなきゃな。俺の気も収まらねえよ」と再戦を示唆。だが、「ここにベルトがあるってことは、俺が勝ったってことだ。後藤革命は、まだまだ終わらねえぞ。勢いは、これで全く落ちたと思ってねえぞ!」と、王者としての誇りと自信を口にした。
一方、ザックは不満を爆発させた。「今日は俺が勝つべき試合だった。ヒロオキ・ゴトー、お前が俺を倒してチャンピオンベルトを奪った時、俺は負けを潔く受け入れた。だが今日は、そんな寛大な態度は取らないぞ! これは完全なる屈辱だ!」とリマッチを強く要求。「ヒロオキ、この団体のもう1人の“クソドラゴン”が、大阪で今日の勝者と対戦する予定のはずだ。ヒロオキ、“老いぼれドラゴン”の準備をしろ!」と、次なる戦いに向けても強烈なメッセージを残した。
勝者不在の一戦となったが、激闘の果てに浮かび上がったのは、王者としての覚悟と、挑戦者としての執念であった。次なる舞台でこの決着がどうつくのか、ファンの視線はすでにその先へと向かっている。
<写真提供:新日本プロレス>