【新日本】『BOSJ』MAOが同郷の石森に激勝「28歳、KING OF DDTトーナメント優勝して、UNIVERSALのベルトを獲ってレベルの上がった俺だったら勝てた」

新日本プロレスは5月14日、東京・後楽園ホールで『BEST OF THE SUPER Jr.32』第3戦を開催した。
『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年5月14日 (水) 17:30開場18:30開始
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,470人(札止め)
第5試合ではBブロック公式戦として、初対決となるMAOと石森太二が火花を散らした。
この一戦は、単なる1勝以上の意味を持っていた。MAOにとって、同じ宮城県出身であり、ジュニアヘビー級の歴史に名を刻む石森との対戦は、越えなければならない大きな壁だった。石森のキャリアは華々しく、NOAHや新日本ジュニアを長年支えてきた。その背中を追い続けてきたMAOにとって、このリング上の邂逅は、過去の自分との決別でもあった。
MAOはDDTで共に闘う仲間・KANONとともにリングへ姿を現した。その表情には、自信と決意がにじむ。会場には「MAO」コールが鳴り響き、ゴングと同時に緊張感が一気に高まった。
序盤、石森は百戦錬磨の手練を見せ、MAOの左腕を執拗に狙ってくる。場外戦に持ち込み、椅子や鉄柱を利用しての徹底した腕攻め。これが石森の経験と冷徹さであった。一方、MAOは痛みをこらえながらも、リング上では機動力と独創性を武器に立ち向かう。ステージからのバク宙や空中殺法で反撃の糸口をつかみ、会場のボルテージを引き上げた。
中盤、技の応酬のなかでMAOは決して後退せず、持ち味である不規則なリズムで石森を翻弄する。ジャスト・フェイスロック、チリドライバー、さらには居合いキックといった自身の代表的な攻撃を次々と展開。石森も負けじと反撃し、反転式のキックやラ・ミスティカを狙う場面も見られたが、どこか精彩を欠いた。
試合終盤、MAOは自らの“必殺”を解き放った。石森のカウンターを切り抜け、大阪臨海アッパーを一閃。これが勝負を決める一撃となり、会場がどよめく中で3カウントが叩かれた。28歳となったMAOが、ついに“宮城の先輩”を超える瞬間であった。
<試合結果>
▼第5試合 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』Bブロック公式戦
MAO 〇(2勝=4点)
vs
石森 太二 ×(2敗=0点)
9分45秒 大阪臨海アッパー→エビ固め
バックステージでは勝者MAOが叫んだ。
MAO「『BEST OF THE 四角い Jr.』が来たぜ、オイ! 石森太二もなかなかないい四角っぷりだったが、俺はデカくて四角いジュニアなんだ。昔のハタチそこらの俺じゃ到底敵わなかった石森太二も、28歳、KING OF DDTトーナメント優勝して、UNIVERSALのベルトを獲ってレベルの上がった俺だったら勝てたんだ、石森太二に。勝てたぞ。宮城県狩り1成功したぞ! あと3つ…違うあと2つだ。あと2つ、宮城県人を狩る。そうすることで俺は6ポイント手にできるんだ。今は4ポイント。残り2人も倒して8ポイント。だいぶいいとこ行くんじゃねぇか? このままブロック優勝狙って頑張ります。俺は止まんねぇぜ。『BEST OF THE 四角い Jr.』だからな。負けねぇよ。明日はティタン。負けねぇよ。俺の方が四角くて強ぇんだよ。負けるか。ビバ・メヒコだ、バカヤロー!」
一方で敗れた石森は、2連敗の現実を前に言葉を絞り出す。
石森「アア……クソ……。去年は開幕3連勝だったのに、今年は開幕2連敗。予想外のことが起きてるな。とりあえずよぉ、MAO……オメェもう一回だ、俺と。いいぞ、オメェのホーム行ってもいいぞ、DDTでもいいぞ。とりあえずもう一回やって……アイツとやらねえとダメだ、チキショー。明日はデスペラード? それもな、今2連敗中なんだよ。もう負けらんねえぞ」
リング上では世代交代の風が吹いた。しかし、石森はなおも意地を見せようとしている。ジュニアの頂点を巡る激戦は、まだ始まったばかりである。
<写真提供:新日本プロレス>
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