【新日本】『BOSJ』デスペラードがH.O.Tの策謀を打破!マスクを脱ぎ捨てた逆転劇でSHOに一撃「この負けは八王子のせいじゃ、オラ!」

新日本プロレスは5月18日、東京・エスフォルタアリーナ八王子で『BEST OF THE SUPER Jr.32』第6戦を開催した。

『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年5月18日 (日) 16:00開場17:00開始
会場:東京・エスフォルタアリーナ八王子
観衆:1,231人

セミファイナルでは、Bブロック公式戦としてエル・デスペラードとSHOが激突し、執念と知略が交錯する一戦が展開された。

両者の関係性は浅くない。昨年にはIWGPジュニアヘビー級王座を巡り激しい抗争を繰り広げており、今回はシリーズ中盤という位置づけながらも、特別な火花が散ることは避けられなかった。

試合開始前からその空気は異様であった。SHOはNEVER無差別級6人タッグ王座のベルトを掲げて入場すると、マイクを手に「八王子腐っとんな!」と開口一番に挑発。

場内から大ブーイングを浴びながらも、挑発を止めることはなかった。「俺が5秒で終わらせてやる」と言い放ち、挑戦者の姿勢というより、支配者のそれを演出した。

その直後、リングへ姿を現したのは、Tシャツが裂かれ髪を乱したエル・デスペラード。入場の時点ですでに高橋裕二郎との小競り合いが起こっていたようで、ケインを持つデスペラードの姿が、ただの一試合ではないことを物語っていた。SHOの奇襲をケインで迎撃し、反撃の形で試合のゴングが鳴らされた。

試合は荒れた展開となった。デスペラードがペースを握るたびに、場外の裕二郎が介入。鉄柱攻撃やイスの乱用など、正攻法とは程遠い手段が幾度となく用いられた。さらにリング内でも、金具むき出しのコーナーを使った攻撃や、レフェリーを欺くような動きが重ねられ、リング上の秩序は崩壊寸前であった。

だが、デスペラードは崩れなかった。SHOの乱暴な流れに呑まれそうになりながらも、幾度も逆転を狙い、要所で精度の高いカウンターを放った。トペ・コンヒーロ、バックドロップ、さらにはスワンダイブ式の一撃で反撃し、場内をどよめかせた。

試合終盤、SHOがレフェリーを盾にするような形で優位を狙った場面では、再び裕二郎が急所攻撃。勝利目前と思われたSHOだったが、その瞬間、事態は一変した。

マスクを自ら脱ぎ、それをSHOに押し付けたデスペラードの行動が、試合の流れを一気に変えた。混乱するレフェリーと、責任を回避しようとするSHO。そのわずかなスキを突いて、デスペラードは渾身のロコ・モノを炸裂。すぐさまマスクを被り直すと、仕上げにピンチェ・ロコで勝負を決めた。

<試合結果>

▼セミファイナル(第9試合) 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』Bブロック公式戦
エル・デスペラード 〇(3勝2敗=6点)
vs
SHO ×(2勝3敗=4点)
12分24秒 ピンチェ・ロコ→片エビ固め

正々堂々とした勝ち方ではなかったかもしれない。だが、反則に次ぐ反則、策謀に満ちた攻防の果てに、デスペラードは自らの流儀で”悪の論理”を打ち破った。

試合後、裕二郎がリングに入ろうとしたが、デスペラードはロープを蹴り上げて急所を狙い撃ち。勝ち名乗りを受けながら、腹部を押さえつつリングを後にした。

バックステージでは、デスペラードは「言うことねえよ」とだけ吐き捨て、コメントを拒否。一方のSHOは、這うようにしてコメントブースに現れ、「この負けは八王子のせいじゃ、オラ!」と観客への憎しみをあらわにしながら引き上げた。

混沌とした一戦であったが、ジュニアの中心に立つ王者としての矜持と、それに食らいつく挑戦者の執念がぶつかった結果である。デスペラードは確かに勝った。だが、SHOとH.O.Tの暗躍は、これで終わりではないことを予感させる。シリーズ終盤に向けて、この因縁が再燃する可能性は高い。BEST OF THE SUPER Jr.の行方とともに、両者の動向にも注目が集まる。

<写真提供:新日本プロレス>

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