【新日本】『BOSJ』YOHがデスペラードを締め落とす激勝「昔から大っ嫌いだったんだよ。でも、それはさっきまでの話」

新日本プロレスは5月22日、大阪府立体育会館・第2競技場で『BEST OF THE SUPER Jr.32』第8戦を開催した。

『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年05月22日 (木) 17:00開場18:00開始
会場:大阪・大阪府立体育会館・第2競技場(エディオンアリーナ大阪)

メインイベントでは、Bブロック公式戦7戦目としてエル・デスペラードとYOHが激突。これまでの『SUPER Jr.』では2戦2勝とYOHが優勢だったが、今大会は両者にとって譲れぬ一戦となった。

IWGPジュニアヘビー級王者のデスペラードに対し、YOHはジュニアタッグ王者として登場。個と個、ベルトを背負った者同士の意地がぶつかり合う構図である。

特にYOHは黒星が先行していた中で、勢いを取り戻すには絶好の相手でもあった。

序盤は互いの出方を探るような展開で始まったが、YOHの挑発と冷静な攻めが際立った。相手の意表を突くような所作や動きの一つひとつが、デスペラードの隙を誘う。

終始、YOHの持つ“軽やかな狂気”のような空気が、試合全体を包み込んでいた。

中盤、デスペラードも王者としての意地を見せた。得意のラフな組み立てと執拗な足攻めで主導権を握るが、YOHは苦しみながらも逆境を跳ね返していく。

リング上では明確な主従がなく、互いの技量と覚悟が拮抗する中で、観客の視線を一身に集めていた。

終盤、試合は予測不能な展開へと突入する。デスペラードの足を狙った連続攻撃に対し、YOHはアナコンダバイスを軸に反撃を開始。

グラウンドに持ち込みながら相手の呼吸を奪うような攻防に持ち込むと、最後はフライングメイヤーの流れから再びアナコンダバイスを締め上げ、デスペラードから執念のタップアウトを奪った。

試合後もYOHは技をすぐに解かず、額にキスを送り、リング中央で勝利の咆哮。その姿は、勝者としての誇りとどこか情熱的な感情が入り混じる、異様な余韻を残していた。

YOHは試合後、マイクを握り、「ヘビ年、アナコンダ年、そして、俺の年でしょ!」と叫ぶと、デスペラードに対して「昔から大っ嫌いだったんだよ。でも、それはさっきまでの話で…いまな! デスペラード! デスペラ〜ド!! 愛してま〜す!!!!」と、感情を爆発させた。

<試合結果>

▼メインイベント(第9試合) 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』Bブロック公式戦
エル・デスペラード ×(3勝3敗=6点)
vs
YOH 〇(3勝3敗=6点)
14分12秒 アナコンダバイス

一方、敗れたデスペラードは試合後、バックステージで「情けねえな、タップアウトだ。チクショー……強いね」とわずかに言葉を残した。言葉数は少なかったが、その口調には明らかな悔しさと、YOHの進化を認めざるを得ない現実がにじんでいた。

この勝利により、YOHは3勝目を挙げ、Bブロック突破に望みをつないだ。一方で、デスペラードにとっては王者としての威厳が揺らぐ3敗。だが、戦いの中で育まれた“理解”が、二人の関係を変化させたことは確かである。

『SUPER Jr.』という舞台の上で、ライバル同士が歩み寄った瞬間。感情と理性の狭間で揺れ動く彼らの関係性こそ、ジュニア戦線が持つ奥深さを物語っていた。

<写真提供:新日本プロレス>

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