【新日本】『BOSJ』ヒロムがワト撃破で首位戦線へ再浮上!「ヒロム金丸コンビで、挑戦すると思うから、大事に持っとけ!」

新日本プロレスは5月25日、愛知・ポートメッセなごや第2展示館にて『BEST OF THE SUPER Jr.32』第10戦を開催。

『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年5月25日 (日) 16:00開場17:00開始
会場:愛知・ポートメッセなごや 第2展示館
観衆:1,404人

公式戦8戦目を迎えたこの日は、AブロックおよびBブロックの全9試合が行われ、激戦が続出。なかでもメインイベントでは、Aブロック首位を走るマスター・ワトと、“BOSJ”最多優勝を誇る高橋ヒロムが激突し、観客の注目を一身に集めた。

ワトにとって、ヒロムとの一戦はこれまで越えられなかった壁との再戦であった。過去3度のシングル戦はいずれも敗北。今シリーズで自身の立場を確固たるものにするためには、このヒロム超えは避けて通れない道であった。

序盤は互いの呼吸を探るような展開。フィジカルで上回るワトが優位に立つ時間もあったが、ヒロムは一瞬の隙を逃さず流れを引き寄せる。場外戦ではブレーンバスターでワトを叩きつけ、肉体的ダメージを蓄積させた。その後もリング上でキャメルクラッチや逆水平チョップを織り交ぜながら、ジワリと体力を削るような戦術を展開した。

それでもワトは意地を見せた。場外へのトペ・コン・ヒーロをはじめ、鋭い蹴りと回転系の技を駆使し、ヒロムのペースに抗った。中盤には、通天閣ジャーマンで観客をどよめかせる場面も。大舞台でしか現れない集中力が、ワトの動きを研ぎ澄ませていた。

だが、ヒロムの経験値はそれを上回った。終盤には一気にギアを上げ、得意のヒロムちゃんボンバーやトラースキックで追い詰めると、最後はTIME BOMB IIでトドメ。執念の逆転劇で、自身4度目の優勝に望みをつなぐ勝利を手にした。

<試合結果>

▼メインイベント(第10試合) 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』Aブロック公式戦
マスター・ワト ×(5勝3敗=10点)
vs
高橋 ヒロム 〇(5勝3敗=10点)
13分34秒 TIME BOMB II→片エビ固め

試合後、両者はマットに大の字となりながら、言葉を交わす場面が見られた。ヒロムは先に立ち上がり、観客の声援に応えながら「ヨッシャー!」と勝ち名乗りを受ける。そしてエプロンに腰かけるワトに歩み寄ると、手を差し出した。だが、ワトはその手を取らず、リングを後にした。

ヒロムは続けてマイクを手に取り、リング上でアピールを展開。「ワト、あれ?ベルトは?タッグチャンピオンじゃなかったっけ?」と挑発めいた口調で話しながら、前夜に共闘した金丸義信とのタッグで、IWGPジュニアタッグ王座への挑戦を表明するというサプライズ発言を飛ばした。「ヒロム金丸コンビで、挑戦すると思うから、大事に持っとけ!」と笑いを交えながらも、本気の色をにじませた。

リングを降りたヒロムは、満面の笑みを浮かべながら「ヒロムちゃん、調子に乗ってきたよ!これ、優勝するわ!」と絶叫。BOSJ最多優勝記録を持つ男が、再び頂点へ向けて勢いを強めている。

その直後、放送席の外道が「金丸を信用しないほうがいいよ」と忠告を送ると、ヒロムはすかさず反応。「ということは外道! あなたのことは信用していいと!? だったら組むか!?」と矢継ぎ早にまくし立て、「俺は無所属で誰とでも組めるんだ! 外道さんと組めば敵ナシだな!金丸、外道、ヒロム!」と“ユニット構想”を勝手に提案し場内の笑いを誘った。

ワトは敗れたとはいえ、シリーズ通算5勝3敗と依然トップ争いを続けている。ヒロムの勝利によって、Aブロックはさらに混戦模様となり、誰が準決勝へと駒を進めるのか予測不能な展開となった。

一方、ヒロムにとっては、この勝利が自信と勢いを取り戻すきっかけとなったのは間違いない。マイクでの余裕ある語り口とは裏腹に、リング上で見せた殺気と緻密さは、かつての王者としての威厳を証明するものだった。

ワトがその背中を追い、ヒロムが立ちはだかる構図は、今後のジュニア戦線を象徴する関係性として記憶されるだろう。ヒロムは金丸との新たな道へ、ワトは雪辱を胸に次戦へ。BEST OF THE SUPER Jr.32は、ますます目が離せない展開となってきた。

■試合後バックステージコメント

ヒロム「おめでとうございます。ちょっと優勝会見にしちゃぁ、ちょっと質素なんじゃない。ねぇ、(※座りながら)優勝したっぽいんだから。座ろっかじゃあ。優勝したっぽいのに机もないの? ちょっと苦しいな。なんか言ってくださいよ。『まだですよ』とか、『まだ1試合ありますよ』とか、『優勝とかじゃないですよ』とか、そういうのないんですか。なんか俺が1人で喋ってアホみたいじゃないですか。なんか寂しいですよ、そういうの。俺、寂しいと思っちゃうとね、嫌がらせの如くここで延々と喋り続けちゃうっていうあれになっちゃいますけど、どうします? 皆さん今日、オールできるんですか? (※大きな声で)オールできるんですか!? できませんね。はい、いいですよ。誰も何も言わない。はい、岡本さん、どうぞ何か質問。用意しているでしょう、凄いの」

──残り最終戦、ロビー・エックス選手との公式戦がありますが。

ヒロム「そうだね。そこで勝てば確定なの? もうね、嫌だよ、そういうなに奇跡、神頼みみたいなね、この人が負けてくれたら俺が上がれる、これが勝ったら逆に俺が上がれるみたいなさ、そういうの凄い嫌だ! でもね、わかってるよ。勝たなきゃいけないっていうのはわかってる。今、10点でしょう。12点、13点、14点、何かわかんないけど、勝たなきゃいけないのはわかる。そしてロビー・エックス、強いね! 見てるよ。アレは強いよ。でもほら、ロビー・エックスってさ、確か代わりに出場した選手だよね、BUSHIさんの。といういことは、俺は最終戦の相手、本当はBUSHIさんだったんだなとか、なんかそういうのちょっと考えちゃうよね。
(※立ち上がりながら)まぁでもそんなことを考えてる余裕はございません! 高橋ヒロム、ロビー・エックスをガッツリと潰して上がっちゃうよ、決勝戦。キテるからね、今の俺は! 皆さんわかってる通り。(※TVカメラを指差し)そこで見てるだろう、オイ。見てるだろう、外道さん。握手するんだったら今だったんじゃないですか? ガッツリとね。WAR DOGSなんかに俺は入るつもりはないよ。ねぇ、金丸さん、外道さん、そしてヒロム。コレ偉いこったぜ、オイ。(※拍手をしながら)入団おめでとうございます。外道選手も仲間に入りました。モテるな、オイ! モテるな、モテ期か、オイ!」

ワト「(※床に腰を下ろして)ヒロム、クソッ。高橋ヒロムが、アンタが、アナタが新日本に残るって言ってくれた時、俺は凄く安心しました。アナタが残るってことは、俺はアンタを必ず超えてみせます。いなくなってからあの人は強かったとか、超えたかったとか言いたくなかったんでね。(※立ち上がりながら)これでまたアナタを超えるための準備ができますよ。アナタを超えて必ず『SUPER Jr.』ももう一度優勝して、そしてIWGPジュニアのシングルの王者になってみせます」

<写真提供:新日本プロレス>

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