【新日本】『BOSJ』崖っぷちの王者デスペラードがイーグルスを撃破し望みつなぐ

新日本プロレスは5月29日、新潟・リージョンプラザ上越にて『BEST OF THE SUPER Jr.32』第12戦を開催した。
『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年5月29日 (木) 17:30開場18:30開始
会場:新潟・リージョンプラザ上越
観衆:1,027人
ジュニアヘビー級の精鋭たちが火花を散らすなか、Bブロック最終公式戦の一戦として、エル・デスペラードとロビー・イーグルスがセミファイナルに登場した。
セミファイナルで行われたこの一戦は、異なるベルトを掲げる王者同士による意地と矜持のぶつかり合いであった。
IWGPジュニアヘビー級王者として2年連続優勝を狙うデスペラードと、オーストラリアの団体PWAを拠点にタイトルを保持するイーグルス。ともに高いテクニカルスキルと試合運びに定評があるが、今シリーズではそれぞれ異なる歩みを辿ってきた。
5勝3敗で首位争いに踏みとどまっていたデスペラードに対し、イーグルスは4勝4敗と苦しい星勘定。しかし、その状況に屈する姿勢は微塵も見られなかった。
序盤、試合は互いの呼吸を探るかのような静かなグラウンド戦から始まり、細やかな関節の取り合いが続いた。静けさの中にも緊張感が漂い、観客の視線を釘付けにした。
中盤からはイーグルスが徹底してデスペラードの左足を狙う戦術を展開。場外戦を含めた集中攻撃によって、デスペラードの動きを徐々に鈍らせていく。だが、デスペラードも簡単には崩れなかった。
試合巧者らしく、反撃の糸口を掴むと巧みにイーグルスの足をとらえ、インディアン・デスロックやマフラーホールドなどで対抗。共に一歩も引かぬ攻防を繰り広げた。
後半には双方が得意とする技の読み合いから、意地のぶつかり合いへとシフト。張り手とエルボーの応酬は、試合を観るというより、両者の精神を見届ける時間へと変わっていった。言葉はいらなかった。その一撃一撃が「負けられない」という想いを語っていた。
試合終盤、イーグルスは果敢にフィニッシュを狙い、必殺のハイペリオンに繋ごうとするも、わずかに届かず。最後はデスペラードが持ち味を活かし、つり上げ式のヌメロ・ドスで極め切り、執念のギブアップ勝利をもぎ取った。
<試合結果>
▼セミファイナル(第8試合) 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』Bブロック公式戦
エル・デスペラード 〇(6勝3敗=12点)
vs
ロビー・イーグルス ×(4勝5敗=8点)
17分44秒 ヌメロ・ドス
これにより、デスペラードは6勝目を挙げ、勝ち点12で首位に並んだが、直接対決で敗れているMAOの後塵を拝する形に。最終的な決勝進出はYOHと石森太二の結果次第という、他力に望みを託す立場となった。
試合後、デスペラードは静かにガッツポーズを掲げ、意地を貫いたイーグルスと固く握手を交わした。試合には勝ったが、トーナメント行方はなお混沌。自らが描いた青写真通りとはいかなかったが、それでも王者としての責任とプライドは存分に見せつけた。
※今大会終了後、BブロックはYOHの決勝進出が決定した。
<写真提供:新日本プロレス>
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