【新日本】“ジュニアの歴史が動いた夜” YOHとの激闘を制した藤田晃生『BOSJ』最年少優勝の覚悟と決意「もっともっとスゲェ景色を必ず見せるから、期待しててくれ!」

新日本プロレスは6月1日、東京・大田区総合体育館にてジュニアの祭典『BEST OF THE SUPER Jr.32』最終戦を開催した。

通算32回目を数えるこのシリーズは、新たな才能の登場によって節目を迎える大会となった。

『BEST OF THE SUPER Jr.32』
日時:2025年6月1日 (日) 17:00開場18:30開始
会場:東京・大田区総合体育館
観衆:3,044人

メインイベントは、Aブロック1位・藤田晃生とBブロック1位・YOHによる優勝決定戦。どちらが勝っても初の栄冠となる一騎打ち。藤田は今回が初の決勝進出、そして勝てば史上最年少(22歳10カ月)での優勝という快挙がかかっていた。

試合は序盤から互いの個性がぶつかり合う展開となった。藤田の静かな闘志に対し、YOHはファンを巻き込むパフォーマンスで揺さぶりをかける。だが、藤田は表情ひとつ変えず攻勢を積み重ねていく。場外への飛び技を交えながらペースを掌握し、一方のYOHも巧みに藤田の腕を狙い、徹底した一点集中の攻めを見せた。

中盤には、互いに感情をあらわにする場面も見られた。YOHが極上のCHAOS殺法を駆使し藤田を攻め込めば、藤田は真正面からその攻撃を受け止めて真っ向勝負を選んだ。こうした心理戦も、この一戦に懸ける二人の思いの強さを象徴していた。

終盤、技の応酬を経て試合は白熱。YOHが必殺技に持ち込もうとする中、藤田は冷静な対応で切り返し、最後はAbandon HopeからThrill Rideに繋げ、3カウントを奪取。大観衆が見守るなか、史上最年少での初優勝を成し遂げた。

<試合結果>

▼メインイベント(第8試合) 時間無制限1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr.32』優勝決定戦
藤田晃生 〇(Aブロック1位)
vs
YOH ×(Bブロック1位)
28分05秒 Thrill Ride→片エビ固め
※藤田が『SUPER Jr.』初優勝

試合後、TMDKの仲間たちがリングに上がり藤田を祝福。セレモニーではスポンサーの関係者からトロフィーと優勝旗が贈られ、藤田は大歓声の中、マイクを握った。

「何が“新日本の未来”だ!? まぎれもなくいま現在のジュニアは俺だ!新しいことをするとき、新しい時代が幕を開けようとするとき、賛否は必ずある。だが、俺にはもっともっとぶつけてくれ。否定的なことでもなんでもいい。でもな、もっともっと見て、もっともっと会場に来てくれ」と藤田は叫んだ。そして、「何度も言ってるけど、希望も、ヘイトも、全部俺が背負う!どうだ?新日ジュニア、スゲェだろ!もっともっとスゲェ景色を必ず見せるから、期待しててくれ!」と力強く語った姿に、観客からは惜しみない拍手が送られた。

その後のバックステージでは、藤田が試合に懸けた思いを静かに、しかし力強く語った。「俺はその言葉が悔しくてやったんじゃない。見てくれているから、俺はもっと凄ぇ試合をする」と、結果だけでなく、見てくれる人への思いをにじませた。

さらに、藤田はこの勝利の延長線上にある目標にも触れた。「この『SUPER Jr.』を獲ったら、アンタのベルトに挑戦できるだろう」と語りかけたのは、IWGPジュニア王者・エル・デスペラード。その視線が他に向いていることへの不満を口にしつつ、「俺の方向を向いたアンタをこのトロフィーを持ってぶっ倒してやる」と挑戦を表明した。

そして試合後、TMDKの仲間たちと笑顔を交わしながらビールで乾杯。ザック・セイバーJr.やロビー・イーグルスらが声をかける中、藤田は「TMDKに乾杯!」と満面の笑みを見せた。

ジュニアの象徴として、まさに“いま”を生きる藤田晃生。記録にも記憶にも残るその闘いぶりは、まさしく新時代の到来を告げていた。未来ではなく、現在を切り開く存在として、その背中にファンの期待と視線が集中している。

<写真提供:新日本プロレス>

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