華やかに、熱く、そして尊く!なつぽい&安納サオリ、10年の絆が紡いだ奇跡の夜

記念日とは、振り返るためにあるのではない。未来を照らすためにある。

なつぽい&安納サオリ、二人が紡いだ10年という歳月が、その証明である。

5月31日、東京・大田区総合体育館はかつてない熱気と煌めきに包まれた。


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スターダムのなつぽい&安納サオリ10周年記念大会『なつ&さおりー 来たよ。来たね。10周年。〜うちらの足跡〜』。

同期であり、ライバルであり、同志である二人の記念すべき大会には、彼女たちを支えてきた仲間たち、そして幾多のファンが詰めかけた。

なつぽい、安納サオリ――今や女子プロレス界を語るうえで欠かせない存在となったこの二人。だがその歩みは、決して平坦ではなかった。


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2015年、アクトレスガールズで同じ日にデビューを果たした彼女たちは、それぞれが全く異なる道を選んだ。

なつぽいは2018年にアクトレスガールズ退団後は東京女子プロレスに参戦、その後スターダムを主戦場に、アイドル的な煌めきと飛び抜けた表現力でファンの心をつかんだ。

安納は、2019年アクトレスガールズ退団後はフリーに転身、存在感を示し、プロレスラーとしての芯の強さを磨いていった。


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「同じ道を歩いていないからこそ、お互いを認め合えるんです」

本人たちの言葉が物語るように、それぞれが選んだ道で一心に輝きを追い求めた結果、10年という節目にして再び“交差”した。

この日のメインイベントは、まさに極上のカード。

なつぽい&安納サオリは同じ2015年デビューのセンダイガールズプロレスリングの橋本千紘&岩田美香と激突。


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まさに、今が旬の“同期タッグ”を迎え撃つ10周年記念タッグは、試合開始前から“特別な空気”が漂っていた。ゴングとともに、その空気は確信に変わる。

息の合ったコンビネーション、強烈な打撃の応酬、そして美しくも切ないジャーマン。

「プロレスの魅力は、痛みを越えてなお、人を感動させることにある」と誰かが言った。


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この一戦は、まさにその象徴だった。

リングの上には、10年という時間と信頼が形となって顕れた。「仲良しごっこ」ではない、同志でなければ出せない空気があった。

そして試合後――。


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勝敗以上に、観客の心に残ったのは、なつぽいと安納サオリが手を取り合い、語り合った光景だった。

安納「次はさ…」2人「東京ドームのメインイベントで会おう!」

彼女たちの言葉に、詰めかけた観客も、スクリーン越しのファンも、思わず目頭を熱くしたことだろう。

この大会にはもうひとつ、大きな意味があった。


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2人の原点であるアクトレスガールズのメンバーたちと共演、そして元所属選手が一堂に会した。

万喜なつみ(現・なつぽい) vs 安納サオリ──あの日の記憶が交差し、現在と未来を結ぶ橋が架けられた。


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もはやアクトレスは“過去”ではない。あれは始まりだったのだ。

かつて、女優とプロレスを兼任する新プロジェクト、アクトレスガールズとしてスタートしたが、そこから育った選手達が今や日本女子プロレス界のど真ん中で、確かな爪痕を残している。

その中心に、なつぽいと安納サオリがいる。


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10年という時間は、ともすれば選手生命の終わりを意識する年数だ。だが彼女たちは、むしろ今が「始まり」であるかのように、凛としてリングに立つ。

美しく、激しく、華やかに輝きながら。

試合後、2人が語った。

なつぽい「0歳からの幼なじみがいるの……泣いてない!プロレスはじめて10年間、一度も見に来てくれなかったの。なつがやられてるの怖くて見れないって。なんでやられてる前提なんだろうって思いつつ、今日はじめてこの場に足を踏み入れてくれました。すごくすごく嬉しくて、でも今日、プロレス見たことない、プロレスってどんなの?って思うなか、勇気を出して一歩踏み出してくれた人がたぶんね、たくさんいると思う。本当に本当に、ありがとうございます」

安納「この10年、一人でなんか闘っていません。家族、友達がいるから私がいます。応援してくださってるみなさんがいるから私がいます。相方がいるから私がいます。これからも届けよう」


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そう、これは10周年“記念”ではなく、10周年“進化”の大会だったのだ。

堂々たる戦いを見せ、彼女たちの表現力は、観客を感動させる“芸術”に昇華した。

これからも、なつぽいと安納サオリの戦いは、終わらない。

女子プロレスの未来を照らす、希望の光として輝き続ける。

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