【ノア】征矢学&稲葉大樹がウルケンタッグを撃破しGHCタッグ王座を初戴冠「体中からあふれてくる、この情熱を!ずっと出していくぞ!情熱だ!!」

プロレスリング・ノアは6月3日、東京・後楽園ホールにて『STAR NAVIGATION 2025』を開催した。
STAR NAVIGATION 2025
日程:2025年6月3日(火)開始18:30開場17:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,233人
激闘の末、征矢学と稲葉大樹の「情熱RATEL’S」がついにGHCタッグの頂点に立った。3日に東京・後楽園ホールで行われたプロレスリング・ノア「STAR NAVIGATION」大会にて、王者組・拳王&佐々木憂流迦を撃破し、稲葉にとっては復帰からわずか2週間での栄冠となった。
試合は序盤から一方的な展開を見せた。稲葉が執拗に攻め込まれ、王者組の連携に押し込まれる場面が続く。1年前、負傷により長期欠場を強いられた稲葉。そのブランクを埋めるにはあまりにも過酷な試練だった。だが、その背中には“情熱”という言葉が刻まれていた。
反撃の口火を切ったのは、稲葉の踏ん張りだった。痛みを堪え、渾身の一撃で佐々木を投げ飛ばすと、征矢へとつないだ。ここから流れが変わる。征矢が体ごとぶつかるような打撃を連発し、会場の空気を塗り替えていく。
この日の勝利は、単なる勝敗を超えた意味を持つ。2人が掲げる「情熱」という言葉は、単なるスローガンではない。欠場中、稲葉は「情熱RATEL’Sへの加入」を自ら志願したという。そして復帰早々、覚悟と共に口にし続けた「情熱」は、やがて言霊として力を持ち始める。
決着の瞬間は意外だった。拳王のP.F.Sを切り返し、稲葉がそのまま極情熱固めで押さえ込む。レフェリーの手が3度マットを叩くと、場内は拍手と驚きに包まれた。両腕を高々と掲げる稲葉。その目には、喜びとともに一つの達成感が宿っていた。
<試合結果>
▼第5試合 GHCタッグ選手権試合
<王者組>
拳王
佐々木憂流迦
vs
<挑戦者組>
征矢学
稲葉大樹
13分47秒 極情熱固め
※第70代王者組が2度目の防衛に失敗。征矢学&稲葉大樹組が第71代王者組となる。
稲葉「よっしゃあ!情熱!確かに情熱はみんなの中にあるかもしれない。でも俺は欠場中、そして情熱RATEL’Sに入りたいと思った時から、俺は言葉に出すって決めたんだよ。体中からあふれてくる、この情熱を!ずっと出していくぞ!情熱だ!!」
稲葉の叫びは、もはや勝利者の言葉というより、一人のプロレスラーの“生き様”のようでもあった。
征矢もまた、その姿に深く共鳴していた。
征矢「その通りだ。稲葉が言った通りだ。確かにな、情熱は誰にだってある。情熱がなければ人間終わりだ。腐ってるだけだ、ただの。でもな、俺たちは言霊にして情熱を表に出していくぞ。これからも、この先もずっとだ。今日含めてよ、俺は4連戦、3回タイトルマッチやってるんだ。今日獲れなかったらよ、ただ悔しい、そんな4日間で終わっちまうよ。でもよ、今日、稲葉がしっかり最後の最後まであきらめないで、自分を信じて戦い抜いてくれた。だからこそ、今こうしてベルトがある。俺はそう思ってる。それを今日あらためて稲葉に教えてもらったよ」
2人は握手後、稲葉の発した情熱という言葉に征矢は、
稲葉「情熱、情熱!」
征矢「俺に対する言葉の魂は情熱だけってことだ。それを俺が判断してくってことだな。だからよ、一つ分かったよ。稲葉は日本語しゃべらなくていい。俺がこいつが『情熱』と言った言葉で何を伝えたいのか、どう表現したいのか、俺が全部、情熱語ってやつを理解してやるよ。なあ、そういうことだろ?」
稲葉「情熱」
征矢「そういうことだ。とにかく今日はもしかしたらギリギリの戦いだったかもしれねえよ。でもよ、ここにベルトがあるんだ。次からはよ、情熱的に!毎回熱い熱い熱すぎる!試合を!してやるから!俺たち二人の…」
征矢&稲葉「情熱ううううう!」
征矢「見届けろ!」
稲葉「情熱!」
チームとしての成熟はまだ途上かもしれない。しかし、2人の言葉と行動には、目には見えない確かな「芯」がある。
敗れた拳王は、試合後レフェリーの判定に苛立ちを見せた。
拳王「おい!おい、レフェリー!おめえ見てんのか?おい! なあ? 2.5、いや2.8で返してたよな? こんなんじゃな、納得いかねえよ。でもな、まだまだ俺には情熱あるんだよ。NOAHをもっともっと上のステージに連れていってやる。もっともっといこうぜ」
その姿からは、敗者の絶望というより、次への執念がにじんでいた。
佐々木憂流迦も「このウルケンタッグ、最強の夢、全然途絶えてないですよ」と再起を誓った。
そして拳王も「OK。痛くもかゆくもない」と強気に応じた。
熱狂と共鳴が交差した一戦。稲葉と征矢の叫ぶ「情熱」は、ただの掛け声ではない。それは、プロレスという世界の中で、己の存在を証明するための武器であり、灯火でもある。
<写真提供:プロレスリング・ノア>
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