“ミスタープロレス”天龍源一郎、愛と魂の祭典へ『天龍愛・博』で鳴り響く龍の咆哮「皆さんの存在があったからこそ、こうして今日も胸を張って天龍源一郎でいられるのだと思います」

「腹一杯の楽しいプロレス人生でしたよ」――天龍源一郎が引退セレモニーでそう言ったのは、2015年11月15日。
あの日、両国国技館に響き渡った10カウントゴングは、“ミスタープロレス”としてリングを駆け抜けた男の最終章を告げた鐘であった。
だが、天龍源一郎は終わらない。
プロレス人生を燃やし尽くしてなお、その魂はファンの心の中に宿り続けている。むしろ、そこからが“本当の始まり”だったのかもしれない。
2025年――天龍プロジェクト発足15周年、引退10周年、そして生誕75周年。
この“トリプルアニバーサリーイヤー”にあたり、東京・文化放送メディアプラスホールで開催されるイベントこそが、「天龍愛・博(てんりゅうあい・はく)」である。
天龍を愛する者たちによる、天龍を愛する者たちのための祭典。そこにファンの数だけ物語があり、愛がある。
「この度、天龍愛・博という全く新しい形式のイベントを開催していただけるということで、75歳にもなってこのような機会をいただきとてもうれしく思っています。常に天龍ファンには伝えていることですが、こんな不器用で芽の出なかった天龍源一郎をずっと変わらずに応援してくれて、今もこうして一緒に年を重ねられることも同時に大きな喜びです。本当に皆さんの存在があったからこそ、こうして今日(こんにち)も胸を張って天龍源一郎でいられるのだと思います。当日は集まってくれた天龍ファンと一緒に楽しい時を過ごしたいと思います!」
発せられた言葉に、天龍という男のすべてが詰まっていた。
器用ではない。だが、真っすぐだった。足を止めず、時代に噛みつき、蹴り飛ばして、逆水平を叩き込んできた。
ジャンボ鶴田と真っ向からぶつかり、ジャイアント馬場の全日本プロレスを出てSWS、WARと旗を掲げた。
どれだけ批判されようとも、己の道を貫いた男。それが天龍源一郎であった。
<写真提供:伊藤ミチタカ氏>
WAR旗揚げ後は新日本プロレスやUWFインター、大仁田厚との電流爆破マッチなど多くの戦いを繰り広げたが、決して流されることはなかった。
「俺は、お前たちのことを絶対に裏切らない」と語っていた天龍源一郎を支え続けてきたのが、ファンである。
だからこそ今回のイベントは、参加型。“龍魂レター”で言葉を贈り、“天龍コレクション”で愛を披露し、“マニア決定戦”で知識を競い合う。
観客は、観る者ではない。共に語り、祝う者としてそこに立つのだ。
かつて天龍源一郎は「どっちみち痛い思いするんだから、だったら一生懸命やって、客に伝えなければ損だと思うんだよね」と語っていた。
どれだけ、己を剥き出しにできたか――その先にこそ、プロレスがある。
引退試合の相手にオカダ・カズチカを指名したのも、そんな信念からであった。
<写真提供:伊藤ミチタカ氏>
「プロレスは進化してる。今日は俺に、新しいプロレスを体験させてくれた」
そんな言葉を残した天龍に、オカダはこう返した。
「年下のスゲー後輩の俺が言ってやる。天龍さん、アッパレだよ!」
<写真提供:伊藤ミチタカ氏>
技術や年齢を超えたところで交わされた魂の会話。リング上の闘いは、プロレスという文化の継承の儀式でもあった。
それから10年。
時代は変わっても、魂は残る。むしろ、輝きは増している。
ファンの胸の奥深くに焼き付いた「ミスタープロレス」の生き様。その答え合わせをする場が、「天龍愛・博」である。思い出ではない。今なお現在進行形として、天龍源一郎はプロレスラーの魂を持って生きている。
75歳になった今でも「集まってくれた天龍ファンと一緒に楽しい時を過ごしたい」と語る天龍。その姿に、プロレスの原点を見る。
愛され続ける“龍魂”が、令和の東京で再び咆哮を上げる。
【イベント概要】
■タイトル:天龍愛・博(てんりゅうあい・はく)
■日時:2025年8月2日(土)12:00開始(16:00頃終了予定)
■会場:文化放送メディアプラスホール(東京都港区浜松町1丁目31)
■共催:天龍プロジェクト/株式会社エイジェックスポーツマネジメント
■主な内容:
・龍魂レター(ファン直筆の手紙を展示&天龍本人に手渡し)
・天龍コレクション自慢(ファンの秘蔵グッズ披露)
・マニア決定戦クイズ大会(出題:小佐野景浩)
・天龍源一郎に一問一答(事前募集した質問に回答)
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