【新日本】棚橋弘至、“愛知ラストマッチ”でダブル勝利!プロデュース興行を感涙の「愛してま~す!」で締めくくる

新日本プロレスは6月29日、愛知県体育館で『TANAHASHI JAM~至(いたる)』を開催した。

『TANAHASHI JAM~至(いたる)』
日時:2025年06月29日 (日) 16:00開場17:00開始
会場:愛知・愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)
観衆:4,570人

来年1月4日の東京ドーム大会での引退を表明している“100年に一人の逸材”棚橋弘至が、自身がプロデュースするこの興行にて、開幕戦とメインイベントという二試合に連続出場。いずれも勝利で締め、愛知ラストを万感の思いで飾った。

第1試合、棚橋は田口隆祐、海野翔太とトリオを結成し、藤波辰爾、高橋ヒロム、LEONAと対戦。

藤波との共演という時代を越えた競演が実現する中、LEONAに対して得意のテキサスクローバーホールドでギブアップを奪取。

レジェンドへの敬意を胸に刻みながら、棚橋は第一関門をクリアした。

続くメインでは、棚橋がプロレスリング・ノアの丸藤正道とタッグを組み、大岩陵平、清宮海斗の若手コンビに挑んだ。棚橋にとっては、愛知での最後の大会に加え、かつてGHC王者として頂点を極めた丸藤との合体という意味でも特別な試合であった。

序盤は清宮と大岩の連係に押され、ダブルドロップキックや連携アタックを浴び、さらには清宮のアシストを受けた大岩のジャーマンスープレックスで防戦一方の場面も。しかし、ここから巻き返すのが棚橋の真骨頂。丸藤の虎王で反撃の糸口を作ると、すかさずスリングブレイドをたたき込み、さらにハイフライアタックで一気に流れを引き戻した。

そしてクライマックス。丸藤が清宮に不知火を決めて分断を図る中、棚橋がトップロープからのハイフライフローを大岩に炸裂。3カウントを奪い、1日2試合を勝利で締めた。

満員の観客から送られる拍手と歓声が、その功績を称えた。

試合後、マイクを握った棚橋は「丸藤さん、本当にありがとうございました」と感謝を述べ、「同じ時代を創ってきた仲間として、お先に引退させていただきます」と、同期とも言えるライバルに一礼。会場には「愛してま~す!」の名セリフが響き渡り、プロレス人生を彩ったこの地での最後の大会を笑顔で締めくくった。

バックステージではその感情が一気に溢れた。棚橋は「僕は毎日の試合を、練習を、仕事を全力でやる。気持ちは振り切ってるんだけど、長年応援してくださってるお客さんは、やはり…寂しいのかなって思いますけど」と語りながらも、「一人のレスラーが25年という月日をかけて、いろいろな選手と戦って、怒りも憎しみもあったけど、そういうものを超えて今日という大会ができたことが、僕がレスラーとしてやってこれた証明だと思います」と涙ながらに振り返った。

試合後の一幕では、棚橋が「シングルやってないか…」と丸藤との再戦に含みを持たせる場面もあった。新旧交わるプロレスの象徴とも言えるこの一戦が、再び実現する可能性を示唆した。

残り200日を切った“引退ロード”。その歩みの中で、棚橋はエースとして、そして新日本プロレスの象徴として、今なおリング上に立ち続ける。その姿が、多くのファンと選手たちに希望と誇りを届けている。

<写真提供:新日本プロレス>

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