【新日本】ドラゴン・キッドが登場!“高校野球部の系譜”がつなぐタッグ結成――7・13神戸で棚橋弘至と夢の競演へ

6月29日、新日本プロレス・愛知県体育館大会のバックステージに、異例の光景が広がった。大会終盤、メインイベントで激闘を制した新日本のエース・棚橋弘至のもとを、突如ドラゴンゲートのドラゴン・キッドが訪問。両者の再会が、団体の垣根を超えたタッグ結成という驚きの展開を生んだ。

この日、キッドは新日本マットに登場し、エル・デスペラード、YOH、マスター・ワトと組んで、SANADA、SHO、DOUKI、金丸義信と8人タッグマッチを展開。多団体ながら、キレのある動きと的確な連携で新日本の観客にも存在感を刻んだ。

そんな中、キッドの本当の狙いはバックステージにあった。メイン終了直後、棚橋が控室で汗をぬぐっているところへ、「今日は本当に素晴らしい試合ありがとうございました」と一礼しながら現れた。

キッドの表情には、緊張と期待が入り混じっていた。その口から出たのは、7月13日に控えるドラゴンゲート最大のビッグマッチ・神戸ワールド記念ホール大会への参戦要請であった。

「棚橋さんと同じ、大垣西高校の野球部出身の後輩がドラゴンゲートにいます。吉岡勇紀という選手なんですが、今年ケガから復帰して……でも本調子じゃない。髪の毛をかけた試合にも敗れ、今、壁にぶつかっています」

吉岡は一時、目の負傷で長期欠場を強いられた実力派。復帰後は苦戦が続いていたが、キッドはその才能を信じていた。

「彼はドラゴンゲートの未来……いや、今を担う選手だと思っています。そんな彼にもう一度火をつけたい。だから、僕と棚橋さんで彼と闘ってもらえませんか?」

自身のパートナー“X”の正体として棚橋を招きたい――その願いが、キッドの今回の訪問の目的だった。

言葉を聞いた棚橋は、一瞬表情を引き締めた後、静かに、そして力強く応じた。

「……やります。かわいい後輩ですし、キッドさんには大会通じてお世話になっていますから。僕で良ければ」

これで、7月13日・神戸の大一番で、ドラゴン・キッド&棚橋弘至vs吉岡勇紀&ドラゴン・ダイヤの注目カードが正式に決定した。世代も団体も異なる4人が、それぞれの想いを胸に激突する。

会見の締めくくりでキッドは「吉岡のため、ドラゴンゲートのために力を貸していただきたい。よろしくお願いします」と深々と頭を下げ、棚橋は「任せてください」と快諾。団体を超えたリスペクトと信頼が、奇跡のタッグを生み出した。

なお、棚橋は5日後に控えるIWGP GLOBALヘビー級王座戦でゲイブ・キッドとの防衛戦にも臨む。過密なスケジュールの中での参戦決定となったが、「実戦がスタミナやタフネスを上げてくれる。今はかなり良い状態。ヨシッ!」と力強く語った。

団体の垣根を超えた友情が、ひとりの若きレスラーを再生させる鍵となるのか――7.13神戸ワールドに、期待が高まる。

<写真提供:新日本プロレス>

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