“和”にこだわる東京女子・宮本もか。インターナショナルのベルトで日本のプロレス文化を世界に伝える!


「写真提供:東京女子プロレス」

 当初の予定から2カ月半おくれの2020年7・23後楽園、観客数をはじめさまざまな規制がありながらも、なんとか大会開催にこぎ着けた。宮本は鈴芽とのタッグでデビュー戦。このときからコスチュームを筆頭に、和風のイメージをずっと維持している。

「最初から“和”でいきたいと思っていました。もともと日本的なものが好きなんです。考えてみれば、空手もそうだし。中学では茶道部で、大学では日本文化を専攻して。自然に好きになってたというか、ずっとそうです」

 昭和レトロ、大正ロマン。そんな言い方もあるが、彼女の場合はこれらを含みつつ時代を超越、平安時代まで遡ったりもする。たとえば、芥川龍之介の小説や黒澤明監督の映画でも知られる羅生門。さらに鴻臚館(こうろかん)と、必殺技の名称にも和を取り入れているのだ。

「羅生門(変型グラウンドコブラツイスト)は、平安京にある門から。第一関門突破のためにくぐるのが羅生門というイメージですね。そこから先にあるのが鴻臚館(コークスクリュー式ネックブリーカー)で、平安時代の外交、海外交易の施設が名前の由来です。ほかにも空手技やゼロ戦キックなどにも和の要素が入っていますね」


「写真提供:東京女子プロレス」

 また、第一印象にもつながるコスチュームにも、特別なこだわりがある。

「袴をイメージしたコスチュームにしています。新しいものを作るときには必ずコスチューム屋さんと一緒に買いにいって、一緒に選んでいます。こういう柄で、こういう素材にしたい、こうしてほしいと伝えています」

 和風にこだわる宮本が、こんどのビッグマッチ、7・21大田区総合体育館で鈴芽の保持するインターナショナル・プリンセス王座に挑戦する。同王座には3度目のチャレンジとなり、こんどこそとの思いは大きい。和風にこだわる彼女だからこそ、あえてインターナショナルのベルトを腰に巻きたい。王者として、世界にJAPANをアピールしたいのだ。和風テイストの宮本が、日本のプロレス文化を世界に伝える。そこに初戴冠の意味があるのではないか。

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