【新日本】YOSHI-HASHIが“這いつくばった1年前”を越え『G1』出場権獲得「去年出られなかった分まで魂を燃やす」

新日本プロレスは7月4日、東京・東京武道館にて『NEW JAPAN SOUL 2025』第8戦を開催した。
『NEW JAPAN SOUL 2025』
日時:2025年7月4日 (金) 17:00開場18:30開始
会場:東京・東京武道館
観衆:1,377人
第5試合として行われたのが、『G1 CLIMAX 35』Bブロック出場者決定戦・YOSHI-HASHI対チェーズ・オーエンズの一騎打ちである。
両者の対戦は昨年の出場権争奪トーナメントに続いて2年連続。前年はYOSHI-HASHIが勝利しており、チェーズにとってはまさに“雪辱戦”となった。
しかし直近の6月29日・名古屋大会では、チェーズがタッグ戦線でYOSHI-HASHIからピンフォールを奪っており、その勢いを引き下げて乗り込んできた。
ゴング前から火花は散った。チェーズはシューズの金具を利用しようとするなど、不穏な空気をまとう。しかしYOSHI-HASHIはこれを冷静に回避。試合は強引な開幕となった。
序盤はチェーズがリング外で攻撃を仕掛け、YOSHI-HASHIの首元を重点的に狙っていく。背中に巻かれたテーピングを剥がし、痛みのポイントにスリーパーを重ねた。一方のYOSHI-HASHIは、ラリアットで流れを変えると、フェンス攻撃とネックブリーカードロップで反撃。空中からのヘッドハンターで一気に流れを手繰り寄せた。
だがチェーズも簡単には引き下がらない。YOSHI-HASHIのカウンターを受けながらも、バックドロップやCトリガーで攻勢に転じる。ハイヌーンで決着を狙うがYOSHI-HASHIは執念で返す。続くCトリガーの波状攻撃にも沈まなかった。
終盤、チェーズはラストテスタメントの体勢に持ち込むも、YOSHI-HASHIは切り返してコードブレイカー。そこからは意地と意地のぶつかり合い。エルボーを打ち合い、YOSHI-HASHIは膝、トラースキック、ラリアットと畳みかける。そして最後は必殺のカルマが決まり、3カウントを奪った。
<試合結果>
▼第5試合 時間無制限1本勝負
『G1 CLIMAX 35』Bブロック出場者決定戦
YOSHI-HASHI 〇
vs
チェーズ・オーエンズ ×
カルマ→片エビ固め 12分02秒
※YOSHI-HASHIが『G1 CLIMAX 35』Bブロックに出場
試合後のバックステージでは、YOSHI-HASHIが胸中を明かした。
「今日の試合前に、ちょうど1年前の同じ日、東京武道館の試合後のコメント、もう一回俺は見返したんだよ。思い出そうと思って。そうしたら俺が這いつくばってたよ、その時。だから今日は必ず俺は勝って堂々と立った状態で、このバックステージコメントに来ようと思ったんだ」
昨年、G1出場を逃した際に抱いた悔しさが、自身を突き動かした。
「『G1』の予選は『G1 CLIMAX』が始まるまで予選だと。もしかしたら誰かしら欠員が出て、その時は俺がリザーブで出るんじゃねぇかと思って、気持ち絶やさずずっとずっといて、結局出られなかった」
「でも、『G1』の最終日に俺はデビット・フィンレーから勝ちを収めて、IWGPのGLOBALのベルトに挑戦することができた。その時は絶望かもしれないけど、周りの明かりを消されても、また歩いて俺は必ず明かりを灯してやろうと思った。そして今日、俺は再び明かりを灯すことができた。今年の『G1 CLIMAX』、去年の分まで、去年出られなかった分まで魂を燃やそうと俺は燃やした」
その言葉には、負けを知る者ならではの重みがあった。
一方で敗れたチェーズ・オーエンズも、怒りを滲ませつつ闘志を燃やしていた。
「YOSHI-HASHI……オイ、こっちに寄れ、もっと寄れよ。YOSHI-HASHI、俺の身体の細胞全てがお前を嫌っている! なんでだか分からんが、シングルマッチになるとどうしてもお前に勝てない!」
「今年はまだ半年しか過ぎてねぇ。『G1』では背後に気をつけるんだな。俺がお前の人生を地獄に叩きこんでやるからな!」
この因縁は、ひとまずYOSHI-HASHIが制した。しかし、チェーズの執念が消えたわけではない。『G1 CLIMAX 35』本戦、何が起きても不思議ではない空気が、すでに東京武道館には充満していた。
<写真提供:新日本プロレス>
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