【WWE】1年1ヶ月の沈黙を破り、“女帝”ASUKAが胸中を語る。長期欠場の苦悩と、完全復活への誓い「カブキ・ウォリアーズとして再びタッグの頂点に立って、女帝ASUKAがさらに進化する姿をお見せします」

その女帝が帰還する時、世界の女子プロレスは再び色めき立つ。

華麗な舞と比類なき強さでWWEのリングをけん引してきた“女帝”ASUKA。昨年5月、ヒザの負傷により突如として戦線を離脱。1年1ヶ月という長い沈黙は、ファンに大きな喪失感を与えた。しかし、彼女は不死鳥の如く蘇った。復帰のリングでその健在ぶりを見せつけると、盟友カイリ・セインとの伝説のタッグチーム「カブキ・ウォリアーズ」を再結成。瞬く間に女子戦線の中心へと返り咲いた。

次なる戦いの舞台は、女子選手だけが輝くプレミアム・ライブ・イベント『エボリューション』。そして、夏の祭典『サマースラム』。

復帰までの知られざる苦悩と葛藤、盟友への絶対的な信頼、そして女子部門を世界のトップへと押し上げたパイオニアとしての揺るぎない自負。今、女帝がその胸の内を激白する。

■「ほんまに元に戻ってんのか」― 1年1ヶ月、見えない出口との闘い

――まず、1年1ヶ月ぶりの復帰、本当におめでとうございます。

ASUKA:ありがとうございます! やっとこさです。やっとこさ、帰ってまいりました。

――復帰戦となったFatal 4-Way形式のタッグ王座戦は、リングに上がる瞬間、どのような心境でしたか?

ASUKA:いやもうね、めちゃくちゃ緊張したというか……。怪我する前が、もう本当に忙しすぎたんです。その時はカイリちゃんと組んでタッグチャンピオンやったんですけど、毎週『ロウ』に出て、『スマックダウン』にも行って、『NXT』にも出て、さらにPLE(プレミアム・ライブ・イベント)があって、みたいな感じで。もう、たくさんありすぎて、涙が出るぐらいしんどかったんですけど、それがちょっとあってコンディションも、なんて言うんですかね、ちゃんと整えられていなかったっていうのもあって、怪我をしてしまって。

――心身ともに限界に近い状況だったのですね。そこから、長いリハビリ生活が始まったわけですが。

ASUKA:そうなんです。やっぱり休んでる時に、他の人の試合とか、自分の昔の試合とかを映像で見た時に、「こんな試合、今の自分にできんの?」っていう気持ちになっちゃうんですよ。身体を動かしてないんで。ほんで、怪我したのがヒザなんで、やっぱり練習もほとんどできないじゃないですか。来る日も来る日もリハビリばっかりで。

本当は、半年ぐらいで復帰できるだろうっていう話だったんですけど、なかなか状態が上がってこなくて。私もちょっと焦ってしまって……。「ホンマにちゃんと体力も戻るんか?」っていう不安もあって、ちょっと(リハビリを)やりすぎたっていうところもあった。もしかしたら、それが原因で復帰が少し伸びたのかもしれない、と自分では思ってるんですけど。

そういう焦りや不安があったんで、本当に、復帰戦はだいぶ緊張しましたね。「ほんまに自分は、元に戻ってんのか?」っていう、その一点がずっと頭の中にありました。

 

■シングルマッチが思い出させた、「ASUKA」という名の闘争本能

――復帰後の「クイーン・オブ・ザ・リング」トーナメントでは、決勝でジェイダ・パーカー選手に敗れはしたものの、準優勝という結果でした。あの試合で、確かな手応えを掴んだのではないでしょうか。

ASUKA:そうですね。あの試合が復帰3戦目やったんですけど、トーナメントの決勝という舞台で、しかもシングルマッチ。それが、ほんまのほんまに久しぶりで。1年1ヶ月休んでましたけど、その前からタッグでの試合が多かったんで、シングルが本当に久しぶりだったんです。

だから、ちょっと自分の中でも忘れてたことを、ジェイダとの試合をすることによって、何か思い出させてもらった、みたいな。そんなところはありますね。

――忘れていたこと、ですか。

ASUKA:なんて言うか……「ASUKAっていうのは、どんな存在やったかな」とか、「自分は、どんな試合をしてたかな」っていうのを、ちょっと忘れてたというか。シングルマッチを戦う感覚そのものが、本当に久しぶりだったんで。それを、あの試合が思い出させてくれたなっていう気持ちです。闘い方を、身体が、魂が、もう一度インプットしてくれたような感覚でした。

――先ほど、リハビリ期間中は焦りもあった、というお話でしたが、具体的にはどのようなトレーニングをされていたのですか?

ASUKA:もう、ほんまに最初は動けないんですよ、ヒザが。だから、初期の方はマッサージとか、そういうケアが中心で。筋力トレーニングもほとんどできない状況。だから、ヒップアタックみたいな跳躍する技の練習も、もちろんできないわけです。そら、めっちゃ不安になりますよね。「こんなんで、ちゃんと戻れるんか」って。

結局、復帰まで丸1年かかったんですけど、半年前ぐらいに、やっとこさ「ちょっと動けるようになったかな」っていう感じで。そこから徐々に筋トレの強度を上げていって、元の状態に戻していく、という形でしたね。地道な作業の繰り返しでした。

 

■『エボリューション』に重なる自負。「私が来て、女子の存在感は変わった」

――その苦しい時期を乗り越え、次なる大舞台は女子選手だけのPLE『エボリューション』です。ASUKA選手にとって、この大会には特別な思い入れがあるのではないでしょうか。

ASUKA:『エボリューション』は、やっぱり私自身にとっても、非常に、なんて言うんでしょう……意味がある大会やなと思ってて。

――と、言いますと?

ASUKA:これまで、WWEの女子部門を引っ張ってきた、という自負がありますし、私がWWEに加わって以降、女子の存在感は確実に変わってきたと思ってるんで。だから、『エボリューション』という言葉には、自分のこれまでの歩みみたいなものが重なるな、と。そういう気持ちがありますかね。

――2018年に行われた第1回大会は、バトルロイヤルへの出場でした。女子選手だけが主役になれるイベントというのは、やはり特別ですか?

ASUKA:いいなと思いますね。だって、今でも結局、WWE全体で見れば、やっぱり男子選手の方が多いですし、試合数も男子の方が断然多い。でも、その中で、女子が主役になれる日があるというのは、非常に大切な大会だなと思います。私たちが主役でいいんだ、と。私たちの闘いが、この日のメインなんだと。世界中に証明できるわけですから。

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