初めて見たプロレスが5★STAR GPのスターダム吏南 初出場初優勝最年少優勝へ!
スターダムで現在開催中のシングルナンバーワン決定リーグ戦「5★STAR GP」。14回目となる今回は史上最多の32選手がエントリー。初出場は12人で、なかでも注目されているのが、キャリア7年目で悲願の初参戦を果たした“ピンクデビル”吏南である。

「写真提供:スターダム」
とはいえ、キャリアこそあれ彼女はまだ18歳。デビューは11歳で、入門から初マットまでの練習期間もかなりの時間を要している。それはキッズレスラーだからこその措置だったのだが、デビュー後も吏南は幼心に悔しさを抱えながら、リングで闘っていた。正当なプロレスとして見てもらえていなかったという、そのときの思いをいまリングにぶつけたいのだと吏南は言う。彼女が初めて見たプロレスは、2013年の5★STAR GP決勝戦というのも、なにやら運命的である。
吏南と言えば、羽南、妃南との南三姉妹でそろってスターダムに入門。プロレスファンの父の提言から家族で観戦に出かけ、3人ともまったくプロレスを知らない状態で客席からリングを見つめていた。そのとき、吏南がプロレスに見た印象は…。
「怖かったです。流血の試合もあって、プロレスって怖いと思いましたね。でも、おもしろいとも思いました」

「写真提供:スターダム」
まずは双子の妹・妃南がハマった。家では自然とプロレスごっこがはじまった。おもに妃南と吏南がシングルで闘い、コーナーに見立てたタンスから妃南が飛んできた。張り手合戦に至ると母親からこっぴどく叱られた。いつしか妃南が「プロレスをやりたい」と言い出し、三姉妹でスターダムの練習に参加することに。しかしそのときはまだ、吏南はプロレスラーになろうと思っていたわけではなかったのだ。
「やりたいって感じではなかったんですけど、身体を動かすのは好きだったので、ワクワクでしたね。やめようとは思いませんでした」
吏南にとっては、体操を習いにいく感覚だったのだろう。しかし、2歳上の姉やまわりの練習生がデビューしていくのを見ていくうちに、焦りの感情が芽生えていく。
「自分も早くデビューしなくちゃって思うようになっていったんです。羽南がデビューしたんだから自分もするしかないし、遅れたくない。姉妹でライバル心が湧きますよね」
羽南のデビューから1年半後の18年10・13新木場で、吏南と妃南が姉妹でのシングルマッチで揃ってデビュー戦。しかしながら、当初はこの2人や羽南を加えた姉妹同士の試合が中心で、吏南はこんなエキシビション的なカードに不満を抱いていた。

「写真提供:スターダム」
「まわりからしたらキッズのプロレスなんですけど、自分たちはホントのプロレスラーだと思ってやっていました。なので、そういう見られ方をしているのがすごく悔しいと思うことが多々ありました。第1試合で当たり前のように妃南とばかり組まれるのもイヤでしたね」
中学生になると、彼女は反抗期を迎える。
「悪ぶってるとか言われましたけど、素で反抗してました。いろんなことが気にくわなくて、親も学校もすべてが大嫌いでした。当時は栃木からお母さんが3人を車で送り迎えしてくれてたんですけど、私だけ一緒にいたくないから一人で電車に乗って帰ったりして。連絡も返さなかったし」
私生活でナチュラルヒールを演じていた吏南だが、ユニットシャッフルを目的としたドラフトが分岐点となった。最後の最後で、木村花のTCSが吏南を指名。これにより、かえって吏南が注目を浴びることにもつながった。
「あれはいまでも思い出したくないくらい精神的に追い込まれていたんですけど、そこでようやく陽の目を見るようになったんですよね。そこから試合をしていてプロレス楽しいかもって。花さんがすごくよく見てくださって、チーム的なものも初めて感じたというか。そこから自分らしくやってやろうと思いました」

「写真提供:スターダム」
自分らしさとは、ヒール的なスタイルにあると気づいた。花を手本にしながらラフファイトに開眼。花の技も継承し、急成長を見せていく。そして21年4月には代打ながらシンデレラ・トーナメント初出場。1回戦でAZMを破る番狂わせを起こし、「初出場、初優勝、14歳でのシンデレラ」を宣言、2回戦での岩谷麻優戦を決めたのだが…。
「その前の試合で脳震とうを起こしてしまい、欠場してしまいました(岩谷の不戦勝)。キッズの自分からしたらありえないカードなんですよ。せっかくつかんだチャンスなのに…。花さんのメモリアル興行も出れなくて、かなり落ち込みましたね」














