健介オフィス出身者が大暴れ 全日本の宮原健斗、ノアのマサ北宮、GLEATの中嶋勝彦が団体をリード

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

全日本プロレスの王道トーナメントを制し、その勢いのまま三冠王者に2年7か月ぶりに返り咲いた宮原健斗。ノアのNー1をパワフルに制したマサ北宮。GLEATのG-REX、LIDET UWF両王座を独占する中嶋勝彦。この3人は、健介オフィスでプロレスラーとして育っている。

健介オフィスは、WJプロレスを退団した佐々木健介が2003年暮れに興した健介ファミリーから05年にスタートしている。健介、北斗晶、中嶋の3人のユニットだったが、猪木と巌流島で闘うなどした「レジェンド」マサ斎藤がアドバイザーに就任するなど、選手育成に力を注いでいた。

健介オフィス戦士として各団体で暴れていた3人。12年からはダイヤモンド・リングの名称が使われるも、15年の中嶋の退団によりプロレス団体としては活動停止となった。

全日本、ノアなどで活動していた中嶋は15年にノアの所属選手となり、23年にはフリーとして全日本を主戦場としていた。今年6月からはGLEATに登場。短期間でGLEATマットを制圧してしまった。

宮原は14年に全日本に移籍し、三冠王者になるなど「最高」を合言葉に活躍。選手会長に就くなど「全日本の顔」となっている。ノアに加わった北宮も、今では黒い選手会長「チェアマン」を名乗っている。

健介オフィス所属時代から、全日本、ノアなど日本マット界で暴れていた3人だが、今では揃って団体の柱に成長。健介オフィス育ちの底力が再認識されている。

時にはその育成方法を巡って軋轢が生じたこともある。正直、感情的なわだかまりもあるようだ。若くして引退した所属メンバーもいる。

健介オフィスOBは仲が悪い…などとささやかれているが、強さを求め個性をぶつけ合うのがプロレスラー。仲良しこよし、では成長もままならない。

OBの3人がそれぞれ活躍の場所を見つけ、しかもトップに立ったのだから、結果が物語っているとも言えるだろう。

奇しくも、中嶋と北宮は「俺がルール」と表明した。時には団体の意向などお構いなしに、反発も覚悟の上で己の道を突き進む。健介オフィスで培われた生き様そのものだろう。

全日本の選手会長・宮原も、若手選手が顔を揃える全日本戦士たちをリード。特に背中で語っているようだ。

今は別々のリングで暴れ回る3人だが、先の読めないマット界。点が線になる日が来るかも知れない。

「一本の矢は折れるが、三本の矢は折れない」という毛利元就の故事を思い出した。

リングは繋がっている。もしかしたらいつの日にか、同じリングで対戦、あるいは共闘が見られるかも知れない。

絶対あるとも言えないが、絶対にないとは言い切れない。

その日は来るのか。その時にはどんなレスラーになっているのだろうか。楽しみのひとつとして待ちたい。(敬称略)

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