キャリア3年目のターニングポイントを迎えた凍雅 東京女子にはいないタイプの東京女子

【WEEKEND女子プロレス#85】

 東京女子プロレスの10・18後楽園ホールでガンバレ☆プロレスのまなせゆうなと組み、上福ゆき&上原わかな組のプリンセスタッグ王座に挑戦する凍雅(とうが)。2023年デビューの彼女がタイトルに挑むのは、これが2度目だ。どちらもタッグ王座で、勝てば2年半のキャリアで初めてのベルトとなる。この挑戦を機に、今後、多くのチャンスが巡って来そうな雰囲気も。もしかしたら、今後の東京女子にとってキーパーソンとなるレスラーかもしれない。

身長168センチの恵まれた体格の持ち主。パワーファイターをめざす凍雅は、東京女子にはかえって珍しいタイプのレスラーと言えるだろう。女性人気を集めそうなルックスもあって、あえての独自路線で大きな飛躍が期待される。それだけに、まずはまなせとのタッグ王座取りで、このチャンスを生かしたいところだ。


写真提供:東京女子プロレス

 彼女がプロレスを知ったのは、小学生の頃にテレビで偶然目にしたDRAGON GATEだった。その後、新日本プロレスなどに拡大し、DDTに参戦する赤井沙希を知る。男子レスラーとも闘う赤井の姿に衝撃かつ感銘を受け、プロレスへの興味が拡大していったという。

「赤井さんを知ったのは、高校生のときだと思います。小学生の頃にプロレスを好きになって、一時自然消滅みたいになっていたんですけど、赤井さんを知ってまた見るようになった感じですかね。当時はお母さんに誘われて、大日本プロレスの商店街プロレスや道場でのイベントに行ったりもしました。お母さんとお兄ちゃんも好きで、お父さんはたまに見る程度。基本的に、プロレス好きの家族でしたね」

 プロレスを見るうちに、自然と自分もやってみたいとの気持ちを抱くようになった。「ロープに走ったらどうなるんだろう?」「自分もやってみたい」といった具合だ。

 が、高校卒業後は大学に進学するつもりだった。プロレスは、夢の範疇に留めていたのだ。それでも、新型コロナウイルスの感染拡大により社会が一変。彼女を取り巻く状況も大きく変わってしまった。リモート授業など学習環境の変化から、大学で学ぶことに疑問を感じたのだ。

「よし勉強しよう!と思ってた時期だったので、よけいに意欲をそがれたような気がして…。そこで進学はせずに、いくつかのバイトを掛け持ちするようになりました。そういう生活を送っていくなかで、社員登用させてもらえる機会も出てきたんですね。ただ、このまま社員になって同じ仕事を続けてもいいものかと思ってしまって。それが19歳のときで、何かに挑戦するなら20歳になってからではなく、10代のうちだと考えていて。10代だったらもし失敗しても違う道を選べるだろうし、だったらいましかないと思い、好きなプロレスに挑戦してみようと思ったんです」

 そして彼女は、赤井も参戦する東京女子に入門、プロレスラーへの道を歩み出した。同期には3カ月前に入ったHIMAWARI、鈴木志乃、風城ハル、大久保琉那がいた。彼女と上原わかなは後発で同日に練習をスタートさせたのだが、この段階で彼女には2つの選択肢があったという。

「前に始めた子たちと一緒にやるか、それともちょっと待って次の練習生が来たくらいで始めるか、どっちがいいか聞かれました。あとからの練習生って、先の子たちがデビューしてからじゃないといけないので、けっこう待つことになるそうなんですね。だったら待たないで始めようと思い、先に入った子たちと練習することにしたんです」

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