【ノア】棚橋弘至×清宮海斗、世代と団体を越えた共闘「プロレス界盛り上げていこうな」試合後には丸藤&拳王が新日本侵攻を予告

プロレスリング・ノアは10月11日(土)、東京・両国国技館大会にて『WRESTLE ODYSSEY』を開催した。

『WRESTLE ODYSSEY』
日程:2025年10月11日(土)開場13:30 開始15:00
会場:東京・両国国技館
観衆:3,617人

来年1月での引退を控える新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至と、ノアの未来を担う“ALL REBELLION”清宮海斗による、団体の垣根を越えたドリームタッグが実現。

丸藤正道&拳王組を相手に、見事勝利を収めた。試合後には、敗れた丸藤と拳王が新日本への“出向”を予告するなど、この一夜限りの夢の競演は、団体対抗戦という、次なる物語の序章となった。

このドリームタッグは、9月の新日本・神戸大会のリングに清宮が上がり、「引退される前に、NOAHのリングに上がってほしいです!」と、棚橋に直談判したことで実現した。団体の未来を憂い、行動を起こした清宮の熱意に、棚橋が応えた形だ。

試合前、「拳王とは初対決」と発言した棚橋に対し、拳王が「ALL TOGETHERで戦ってるわ!」と激怒するなど、不穏な空気で始まった一戦。

しかし、リング上で棚橋と清宮が見せたのは、初めて組んだとは思えない、息の合った連携であった。WドロップキックからのWエアギター、Wドラゴンスクリューと、観客を魅了。

終盤には、清宮が棚橋の十八番であるスリングブレイドを決めれば、棚橋もお返しとばかりに、武藤敬司を彷彿とさせるシャイニングウィザードを放つなど、世代と団体の垣根を超えた“プロレスLOVE”に、両国国技館は熱狂した。

最後は、棚橋のハイフライフローから、清宮がスカイウォークエルボーを叩き込むという、“エース継承”とも言えるリレーで拳王を沈め、完璧な勝利を飾った。

試合後、バックステージで事件は起こった。敗れた拳王と丸藤が「なんなら俺らが出向いたっていいな」と、新日本への侵攻を予告したその時、棚橋と清宮が現れたのである。

拳王「お前な、2年前、ALL TOGETHER AGAIN、本当に忘れたのか?」

棚橋「覚えてるよ。これは頭のいい拳王選手だったら絶対、試合が盛り上がるネタにしてくれる。俺は信じてたから」
と、棚橋は自らの“失言”が、試合を盛り上げるための計算であったことを明かした。

これに納得のいかない拳王であったが、棚橋は「拳王!一言言ってやる。その熱量があればNOAHは大丈夫だ」と、敵将へエールを送る器の大きさを見せた。

そして、棚橋は清宮へ、その想いを託した。

「こうやって清宮選手が声をかけてくれなかったら、今日のNOAHでの戦いっていうのは僕は出来なかったし。そういったプロレス界全体を広い目で見れるっていうのは、やっぱり団体のトップであるべきだと僕は思うし、清宮選手の行動力を心強く思いました。(中略)新日本プロレスにも若い選手、いっぱいエネルギーを持った選手がいるから、そういった選手とともに切磋琢磨して、この業界を盛り上げてください」

清宮も「本当に棚橋さんの棚橋イズム。それが少しでもこのリングに落ちていってくれたら、それだけで自分は満足ですし。今日は新たな自分にとってのスタートになったと思います」と応えると、棚橋は最後に清宮を抱きしめ、「プロレス界盛り上げていこうな」と語った。

棚橋弘至、ノアでの最後の戦い。

それは、団体の垣根を越え、プロレスの未来を担う若きエースへ、その魂を確かに“継承”する熱い一夜となった。

<写真提供:プロレスリング・ノア>

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