【新日本】両国に衝撃!辻&無所属とWAR DOGSが電撃和解!GLOBAL王座奪還の辻、因縁のゲイブに「お互い削り合うのはもうやめにしよう」
新日本プロレス10月13日の東京・両国国技館大会『KING OF PRO-WRESTLING 2025』のセミファイナルで行われたIWGP GLOBALヘビー級選手権試合は、挑戦者の辻陽太が王者ゲイブ・キッドを破り、王座奪還に成功。
しかし、この日の本当の衝撃は、試合後に訪れた。これまで激しい抗争を繰り広げてきた辻率いる“無所属”ユニットと、デビッド・フィンレー率いる“BULLET CLUB WAR DOGS”が、リング上で電撃的に握手を交わし、和解を果たしたのである。

今年に入り、ベルトを巡って3度にわたり死闘を繰り広げてきた辻とゲイブ。
新世代の“名勝負数え歌”とまで呼ばれた二人の戦いは、この日もまた、互いのすべてをぶつけ合う、あまりにも壮絶なものとなった。

ゴングと同時に始まった激しい肉弾戦は、序盤から一進一退。辻がトペ・スイシーダで先手を取れば、ゲイブも非情な場外殺法で応戦。
中盤以降は、互いの必殺技を巡る攻防となり、辻がゲイブのパイルドライバーをティヘラで切り返せば、ゲイブも辻のマーロウクラッシュを張り手で迎撃するなど、一瞬も目が離せない展開が続いた。

30分近くに及んだ死闘の末、最後は辻が渾身のジーンブラスターからの逆エビ固めで、粘るゲイブからギブアップを奪取。4ヶ月ぶりに、その腰にベルトを取り戻した。
しかし、この物語は、ここからが本番であった。

試合後、辻は倒れたゲイブに歩み寄り、座礼を交わすと、握手を求めた。ゲイブもこれに固く応じ、抱擁。
その時、リングサイドにWAR DOGSのメンバーが姿を現し、リング上には無所属のメンバーも集結。一触即発の空気が流れた。

しかし、その緊張を破ったのは、WAR DOGSのリーダー、フィンレーであった。辻に対し、握手を求めると、辻もこれに応じる。
これを合図に、両軍のメンバーが次々と握手を交わし、これまで血で血を洗う抗争を繰り広げてきた二つの軍団が、まさかの和解を果たしたのである。
この衝撃的な行動の裏にあったのは、互いへのリスペクト、そして、さらなる高みを目指すための、共通の野望であった。

バックステージでフィンレーは、「いいか、人生において、物事は勝手には変わらない。自ら変える必要がある。正直なところ、この夏の間、リーダーとしての自分を追い詰める壁が迫っていると心配し始めていた。全てが暗闇に沈むのではないかと思い始めていた。身近な者たちが、俺の判断に躊躇するのを感じていた。しかし俺は弱いリーダーではない。絶対に違う。俺を疑う者をWAR DOGSから外すようなことはしない。ただ、新しく信じる者たちを加えるだけだ。ツジ、これを休戦と呼んでもいい。協力関係と呼んでもいい。好きに表現すればいい。ただ、俺は気づいたんだ。お前と俺は闘い続ければ、永遠に終わらないまま、互いに確実に滅びるということを。あるいは、俺たちの仲間が手を組めば、他のヤツらが確実に滅びることになる。いいか、重要なのは、俺には全部見えているし、分かっているということだ。誰かが俺に対して行動を起こす前に、俺はもう行動を起こす。つまり、この話の教訓は何かというと、殺されるのを避けるために殺す必要はないということだ。また会おう」と、この和解が、生き残るための最善の選択であったことを語った。

鷹木信悟も、「全てを飲み込むわけじゃないけど、まぁまぁまぁ。俺自身もな、ちょうど7年前、この両国で一歩踏み出したからな。まぁどうなるか分かんねぇよ。どうなるか分かんねぇけど踏み出さなきゃな、始まんねぇから」と、新たな一歩への期待を口にした。

高橋ヒロムも「いやぁ、面白い!刺激があっていいじゃないの、プロレス界。これぐらい面白いことが起きないと、何かが起きないと面白くないのがプロレス界だから。いや、でもね、一つ勘違いしないでくれ。別にWAR DOGSに入ったわけではございません。まぁあれじゃない?ノーサイドでお互いに思うことが同じだったんじゃないの?面白いことしようって、面白いことしたいなって、この世界で。そう思ったから俺は握手しましたよ。でも、別に(※TOO SWEETのサインを出して)これは嫌いじゃないな。これは嫌いじゃないけどね。コン!となると、やっぱ1発目大事だよね。面白いこと言わなきゃいけないよね!ヨシ、決めた。次のジュニアタッグリーグ、パートナーを指名致します!俺と組んでくれ、外道さ~ん!」とラブコール。

そして、この物語の中心にいる辻は、自らをプロレスの世界へ導いた“師”である棚橋弘至の元へ向かうと、こう告げた。
「この世界に導いてくれたあなたへの、この勝利が最大の恩返しです」
そして、バックステージで、改めてその決意を語った。

「フィンレー、ゲイブ、そしてWAR DOGSのメンバー、この1カ月間、ありがとうな。お前らのおかげで俺はさらにレベルアップすることができた。感謝してるよ。あの握手はそういう意味だ。これでアンタらとの闘いも一区切りだ。お互い削り合うのはもうやめにしよう。棚橋社長、今さらだがアンタがいなければ俺はこの世界にいなかった。これが俺がアンタにできる俺なりの恩返しの形だ。やろうぜ、IWGP」
無所属とWAR DOGS。あまりにも危険な二つの才能が融合したことで生まれた、新日本プロレス史上、最も予測不能で、最も危険なユニット。
その誕生は、団体の勢力図を根底から覆し、新たな時代の幕開けを告げる、あまりにも大きな号砲となった。
<写真提供:新日本プロレス>
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