【ノア】彩羽匠、GHC女子V4!満身創痍の世羅との“武士女”対決を制す!「私はもう辞めるけど、彩羽匠はトップに立ち続けて」
プロレスリング・ノア10月27日の東京・新木場1stRING大会『MONDAY MAGIC XTREME SEASON epFinal』のセミファイナルで行われたGHC女子選手権試合は、王者・彩羽匠が、挑戦者・世羅りさを破り4度目の防衛に成功。
新人時代にタッグを組んだ“武士女”の二人による11年ぶりのシングル対決は、引退を控える世羅の執念と、王者の非情さが交錯する、壮絶な結末となった。
来年1月での引退を表明している世羅は、さらに右膝を負傷しているという満身創痍の状態。それでも、この一戦に、そのプロレスラー人生の全てを懸けて挑んだ。
試合は、その想いを体現するかのように、序盤から壮絶なものとなった。世羅は、満足に立ち上がることさえできない。
しかし、その闘志は衰えず、膝立ちの状態のまま、王者・彩羽と凄まじいエルボーの応酬を繰り広げる。
その執念は、王者の彩羽を垂直落下式のブレーンバスターでマットに突き刺すなど、観る者の心を激しく揺さぶった。
しかし、王者の壁はあまりにも厚かった。
その鬼気迫る猛攻を耐え抜いた彩羽は、最後、コーナーに登った世羅を捕獲すると、顔面へのキック、トラースキック、そして必殺のランニング・スリーを完璧に決め、3カウントを奪取。
元パートナーとの、あまりにも過酷で、あまりにも切ない“再会”を、勝利で締めくくった。
試合後、バックステージで彩羽は、その胸の内を、笑顔と共に語った。 「GHCこれ、何度目の防衛だろう。4度目の防衛戦は自分が新人時代に組ませてもらっていた世羅りさ選手。武士女っていうタッグチームでやっていたんですけど、過去には11年前、一度シングルしたきりで。こうやって引退前に防衛戦ができて、シングルマッチができて、本当に嬉しかったです。心よりこのMONDAY MAGIC、世羅りさ選手との防衛戦を組んでもらって、ありがとうございました」
そして、満身創痍で戦い抜いた、かつての相棒へ、最大限のリスペクトを送った。 「本当に今ヒザを怪我して、満身創痍だと思うんですけど、無事に、もうこれ以上体を痛めつけないようにして、自分の足でリングを降りていってほしいなって。そればかりを願うことしか今はできないですけど。まあ、素直にリングで話し合うのが一番楽しいなって思いました。ありがとうございます」
一方、敗れた世羅もまた、その表情は清々しかった。 「悔しすぎるだろ。こんな満身創痍で彩羽匠の対角になんて立ちたくなかったけど、最後だと思うと動かずにはいられなくて。ああ、悔しい。本当に言葉にならないぐらい悔しい。でも、あの時の2人とは違うんだなあって改めて思って。私はもう辞めるけど、彩羽匠はこれからも女子プロレス界のトップに立ち続けてほしいなって思いました。本当にこんな機会をくれたMONDAY MAGICありがとうございました」
しかし、彩羽の物語は、この日の勝利では終わらなかった。彩羽はリングに現れたマリーゴールド岩谷麻優の存在について語り始めた 「岩谷麻優。昨日、自分は観に行ってたんですよ、お客さんとして。まさか本当は今日絶対休みたいだろうに、こうやって来て、何も言葉は言わなかったけど、このベルトと自分に指差していったってことは、まあ、そういうことでしょう。自分はそう捉えてます。これがどう動くかわからないですけど、自分はいつでもGHC女子チャンピオンとして、何でも受けて立ちます」
GHC女子王座のベルトは、この日、一人のレスラーの引退ロードと、もう一人のレスラーの王者ロードが交錯する、かけがえのない“絆”の証となった。
そして、そのベルトは、休む間もなく、マリーゴールドの“アイコン”岩谷麻優という、次なる大きな標的を捉えた。
<写真提供:プロレスリング・ノア>
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