【新日本】DOUKI＆SHO組が執念のコナーズ組を退け『SJTL』無敗の4連勝を強奪「このままだと、全勝しちまうぞ」
新日本プロレス“ジュニアタッグの祭典”『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』第5戦が10月28日、新潟・佐渡市総合体育館で開催された。
『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』
日時：2025年10月28日 (火) 17:30開場18:30開始
会場：新潟・佐渡市総合体育館（ヒルトップアリーナ佐渡）
観衆：589人
セミファイナルで行われたAブロック公式戦では、IWGPジュニアタッグ王者にして無敗のDOUKI＆SHO組と、開幕3連敗で既にリーグ敗退が決定しているクラーク・コナーズ＆永井大貴組が対峙した。
消化試合となるはずの敗退チームが、王者組を相手に「狂気」の牙を剥き、王者組はそれを非情な「技術」でねじ伏せるという、壮絶な試合展開となった。
ゴング前から王者組のSHOがマイクを握り、佐渡の観衆を「やかましい、この田舎モンどもが！」と一喝。対戦相手には「オレたちにおとなしく勝ち点寄越せよ！」と勝ち点の献上を要求した。さらに、コナーズに対し永井を通訳にするよう命じる。
これに対し、コナーズの言葉を受けた永井が「うるせーよ、愛媛の田舎モンがよ！って、クラークが言ってます」と切り返し、場内は喝采に包まれた。
この一言が、王者組の冷酷な戦術に火をつけた。
序盤こそコナーズ＆永井組がパワーで押し込む場面もあったが、DOUKIが場外から永井の足を引くと戦局は暗転。
リング外での攻防こそ、王者組の「技術」の真骨頂であった。
永井は鉄柱に腰を、コナーズは急所を無慈悲に打ち付けられ、永井はさらにイスで腰を打ち抜かれる。
リングに戻っても永井への集中攻撃は止まらない。DOUKIのキャメルクラッチ、二人がかりの逆エビ固めと、的確に相手の弱点を破壊していく。
王者組の非情さは、コナーズの精神的支柱である“ホイールさん”にも向けられた。
DOUKIが鉄パイプで“ホイールさん”を滅多打ちにし、SHOがそれを場外へ蹴り出す。
この暴挙が、敗退濃厚であったコナーズの怒りを爆発させ、試合は「狂気」の領域へと突入した。
怒りのコナーズは王者組二人をショルダータックルでなぎ倒し、レフェリーを盾にしたSHOの策略をもスピアーで打ち破る。
代わった永井もミサイルキックなどでDOUKIに肉薄。王者組はイス攻撃などで流れを断ち切ろうとするが、永井は執念でこれを耐え抜く。
終盤、永井は王者DOUKIを逆エビ固めで捕獲。SHOのカットもコナーズがパワースラムで排除し、一時は王者組二人を同時に逆エビ固めに捉えるなど、大金星への執念を見せた。
だが、レフェリーが巻き込まれ無法地帯となると、王者の「技術」が上回った。
SHOのローブロー狙いを切り抜けた永井が強烈な張り手を見舞い、DOUKIの鉄パイプ攻撃をコナーズが“ホイールさん”で迎撃。
永井がスパインバスターから再び逆エビ固めに移行し、勝利は目前かと思われた。
しかし、最後はエプロンサイドに立ったSHOが、レフェリーの死角を突いて永井の頭部を殴打。
このアシストを受けたDOUKIが、崩れ落ちた永井を丸め込み、非情な3カウントを奪取した。
王者組が、その老獪な「技術」をもって無傷の4連勝を飾った。
無傷の4連勝を飾ったIWGPジュニアタッグ王者DOUKI＆SHO組は、インタビュースペースの床に座り込むなど、絶対的な余裕を見せつけた。
DOUKIが「今日も、今日とて、楽勝過ぎて困るな」と高笑いすれば、SHOも「ノーダメージのパーフェクト勝利。格が違うんじゃ」と呼応。
DOUKIは「俺たちの言う『最強』は、間違いのない実績のある、このベルトだ」と、ジュニアの全ベルトを保持する事実こそがその証だと断言。
「このままだと、全勝しちまうぞ」と、リーグ戦の完全制覇を平然と予告した。
対照的に、泥沼の4連敗となったコナーズ＆永井組。コナーズは、パートナーの永井に「金は圧をかけたら、ダイヤになる。痛みを耐え抜いた先に……快楽があるんだ」という独自の哲学を説き、「学べ、成長しろ、そしてぶっ倒せ！」と、試練を乗り越えるよう厳しく通告した。
一人残された永井は、王者組の非情な勝利を「あれも、技術のうちだ。悪いことしても、勝ちゃそれでいいんだ」と、悔しさを噛み殺すように受け入れた。
しかし、その視線は死んではいない。「だけど次、覚えとけよ」と語気を強め、「お前らがどんな手を使ってこようと、それを上回る狂気で、テメエらのことねじ伏せてやるからよ。それも……技術のうちだ」と、王者の「技術」を凌駕する「狂気」での逆襲を誓った。
「技術」を誇示する王者と、「狂気」の覚醒を誓う敗者。佐渡の夜は、ジュニアタッグ戦線の新たな局面を予感させた。
＜写真提供：新日本プロレス＞
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