【新日本】コナーズ&永井組、無念の『SJTL』全敗終戦!福井の夜、永井大貴「クラークが自慢できる選手になる」と誓い、コナーズは「誇りに思う」と“DOG”を承認

新日本プロレスは10月30日、福井・福井県産業会館・1号館展示場にて『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』Aブロック最終公式戦が開催された。

『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』
日時:2025年10月30日 (木) 17:30開場18:30開始
会場:福井・福井県産業会館・1号館展示場
観衆:708人

第5試合では、未だ白星のないクラーク・コナーズ&永井大貴組と、1勝3敗のテンプラリオ&ジェイコブ・オースティン・ヤング組が激突した。

共に予選脱落が決定している両チームだが、開幕から4連敗と泥沼に沈むコナーズ&永井組にとっては、一矢報いるための負けられない最終戦であった。

しかし、現実は非情であった。永井がジェイコブの必殺技「ジェイコブスラダー」の前に沈み、0勝5敗という全敗で過酷なリーグ戦の幕を閉じた。

「全敗阻止」の執念が、コナーズ&永井組を序盤から違法行為へと走らせた。

コナーズが浅見レフェリーの注意を引きつけている隙に、永井がコナーズの“相棒”である“ホイールさん”を手に取り、帝国コンビを殴りつける暴挙に出る。

この一撃で流れを掴むと、コナーズがジェイコブをコーナーポストや自らの膝に執拗に打ち付け、スライディングショルダータックルで畳み掛けるなど、WAR DOGSらしい荒々しいファイトで攻め立てた。

しかし、UNITED EMPIREの結束も固い。

テンプラリオがアクロバティックな動きでコナーズを翻弄し、フラップジャックやミサイルキックで反撃。戦況は再び一進一退の攻防となった。

終盤、永井が奮起する。ジェイコブに対しカウンターのドロップキック、モンキーフリップ、串刺し低空ドロップキックと畳み掛け、得意のスパインバスターを炸裂させる。

さらにコナーズとの合体攻撃から逆エビ固めでジェイコブを捉え、勝利への執念を見せた。

だが、ジェイコブがロープに逃れると、テンプラリオがコナーズをティヘラ(雪崩式頭部回転投げ)で場外に排除し、ノータッチのサスケスペシャル(場外宙返り)で追撃。

リング上で孤立した永井に対し、ジェイコブがカウンターのスリングブレイドから旋回式ブレーンバスター、最後はジェイコブスラダー(変型ネックブリーカー)を完璧に決め、3カウントを奪取した。

コナーズ&永井組は、最後まで勝利の女神に振り向かれることなく、リーグ戦全敗という厳しい現実を突きつけられた。

【試合後バックステージコメント】

▼テンプラリオ&ジェイコブ

リーグ戦を2勝3敗で終えた帝国コンビ。テンプラリオは充実した表情でツアーを振り返った。

テンプラリオ「この日本ツアーには満足している。わずかでも、UNITED EMPIREとしての足跡を残せたと思う。日を追うごとに強くなり、充実した毎日だ。ニュージャパンとCMLLには、このチャンスを与えてくれたことに感謝したい。“EL GUERREO LEON”テンプラリオが駆けつけたのは、ファンの皆にすべてを捧げるためだ。すべてを出し尽くし、これまで培ってきたものを見てもらいたい」

ジェイコブ「(※テンプラリオに対して)ごめん、ちょっと一息入れさせてくれ。痛い……。これが俺たちにとって最初の『BEST OF THE SUPER Jr.』だった。新参者にしては2勝3敗は悪くない結果だと思う。誰も俺が勝ち点を取れるなんて思わなかっただろう。世間から見れば、まだ俺は“ヤングライオン”だ。俺はジェイコブ・オースティン・ヤング……名前は若そうでも、もう14年間もプロレスをやってきてるんだ。たった一つの目標、新日本プロレスの一員になるというシンプルな目標を持ってやってきた。そして俺はそれを達成した。

前から言ってきた通り、俺は言ったことは必ず実現させる。俺に頼ってくれる人たちがいるからだ。長年、応援してくれてるその人たちを裏切ることはできないし、自分自身を裏切るわけにもいかない。そしてUNITED EMPIREを裏切ることもできない。

(※テンプラリオに向かって)アミーゴ、アキラの代わりに出場してくれてありがとう。来年もまたやろうぜ」

▼クラーク・コナーズ&永井大貴

一方、全敗でリーグを終えたコナーズと永井。先にコメントスペースに現れた永井は、“ホイールさん”を支えに片ヒザをつき、パートナーへの感謝と未来への誓いを語り始めた。

永井「(※片ヒザを着いて、ウィールさんで身体を支えるようにして)クラーク、サンキュー・ベリーマッチ、ディスツアー(このツアー、ありがとう)。こうやってリーグ戦全敗。だけどクラークが、まだまだぺーぺーの俺に、タッグを組んでくれて、すべて、全部、テイクケアしてくれた。この経験を絶対に忘れないぞ、俺は。俺は10年後、20年後、『あのクラーク・コナーズと初めてジュニアタッグリーグ出たんだ』って言えるような選手に、クラークが絶対なるから。だから、数年後の未来で、クラークが『まだ若手のペーぺーだった頃のナガイと組んでた』って、自慢できるような選手に、俺は、俺はこれからなる。

今回は高い、そして分厚い、新日本ジュニアの壁に、道を阻まれてしまったけど、来年、もっと成長して、俺の脚にも、(※ポンポンポンとウィールさんを3回叩いて)こんぐらいでっかいタイヤつけて、次のツアーもフルスロットルで走りきってやる。(※英語で)以上だ」

隣でその言葉を静かに聞いていたコナーズは、ビデオカメラを手招きすると、永井の健闘を最大級の賛辞で称えた。

コナーズ「(※隣に立って、じっと永井のコメントを聞いていた。ビデオカメラに寄るように手招きしてから小声で)プライドってのはな……時には、転んでから手に入るもんなんだ。WAR DOGSがリングに上がる時の掟、誰もが知ってるだろ? “ゴールドを持ち帰るか、屍を持ち帰るか”。

けどな、あれには俺たちだけが知ってるもうひとつの掟があって、それは“リングに立ったら、全力を出し切る”ってことだ。魂を全部ぶつけて、モノにできるものは持ち帰るんだ。俺には、コイツを正式なWAR DOGに任命する権限はない。でも俺も、このリーグでコイツの成長を見てきたすべての観客も、もう立派なWAR DOGだってことはわかってってる。

ナガイ、お前を誇りに思うぞ。ファンもお前を誇りに思ってる。ウィールさんも同じ気持ちだ。これからも学び続けろ。成長し続けろ。闘い続けろ。なぜならお前は、MY DOG FOR REAL!」

永井「(※英語で)はい」

二人はWAR DOGS流のハイファイブを交わす。

コナーズ「さあ、飲みに行くぞ」

永井「サンキュー」

0勝5敗。記録上は最悪の結果に終わった。

しかし、若き永井が新日本ジュニアの厚い壁に挑み続けた経験と、コナーズが永井を「MY DOG FOR REAL」と認めたこの瞬間の絆こそが、このリーグ戦で得た最大の「白星」であった。

<写真提供:新日本プロレス>

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