【新日本】ワト、非情の鉄板に沈む!Aブロック全勝決戦、DOUKI&SHOが“格の違い”見せつけ決勝進出「ワシらには敵がもうおらんのじゃ、オラ!」

新日本プロレスは10月30日、福井・福井県産業会館・1号館展示場にて『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』Aブロック最終公式戦が開催された。

『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』
日時:2025年10月30日 (木) 17:30開場18:30開始
会場:福井・福井県産業会館・1号館展示場
観衆:708人

メインイベントではAブロックの最終公式戦、共に4勝0敗(8点)で首位を走るYOH&マスター・ワト組と、IWGPジュニアタッグ王者DOUKI&SHO組による、優勝決定戦進出を懸けた直接対決が行われた。

今年6月、7月と二度にわたりYOH&ワト組の挑戦を退けている王者組が、この日も非情なラフファイトの末に勝利。「格の違い」を誇示し、Aブロック全勝突破を決めた。

試合前のリング上、福井のファンを「絶滅寸前」と罵倒したSHOからマイクを受け取ったDOUKIは、視線をマスター・ワトに向け、容赦ない言葉を浴びせた。

DOUKI 「オイ、ワト!どうした、オマエ?最近、全然パッとしねえんじゃねえか?去年までライバルみたいに言われたのに、 ずいぶんと差がついちまったようだな、ハッハッハッ!悔しいか、オイ?」

二冠王者の辛辣な挑発に対し、YOH&ワトはゴングを待たずに奇襲攻撃を敢行。雪辱に燃える二人が、プランチャの競演などで序盤の主導権を握った。

しかし、王者組は場外戦で流れを一変させる。ワトの急所を鉄柱に叩きつけると、YOHをイスで殴打し、ワトを観客のタオルで絞め上げるなど、無法殺法でYOH&ワト組を分断。

リングに戻っても、ワトはDOUKI&SHO組の術中に捕らえられた。SHOの串刺しショルダータックル連打、二人がかりの拷問攻撃(両手両足同時ストレッチ)など、長時間にわたる集中攻撃を受け、防戦一方の苦しい展開が続いた。

この劣勢を打開したのはYOHであった。交代するや否や、怒涛の連続攻撃をSHOに見舞う。SHOがレフェリーを盾にしたスピアーで反撃しても、YOHはDOUKI&SHO二人まとめて低空ドロップキックを放ち、即座にワトに繋ぐ。

ワトもDOUKIに対し強烈なキックを連射し、ベンダバール(変型腕ひしぎ十字固め)で捕獲。SHOがカットに入ると、今度はDOUKIがイタリアンストレッチNo.32でワトを締め上げる。ワトがジャックナイフ式エビ固めで丸め込むも、SHOがレフェリーのカウントを妨害し、幻の3カウントとなる。

王者組の非道な戦いぶりに、YOH&ワト組も一線を越えた。YOHがDOUKIをイスで殴打し、SHOにはロープを利用した急所攻撃を敢行。

ワトも呼応し、DOUKIにファルコンアローとダイビングフットスタンプの合体攻撃を炸裂させた。

必殺のFalcon blowを狙ったYOH&ワト組であったが、DOUKIがYOHをレフェリーに衝突させ、YOHにローブロー(急所攻撃)をお見舞い。

無法地帯となったリングで、SHOがトーチャーツール、DOUKIが鉄パイプでワトを滅多打ちにする。

だが、ワトは倒れない。鬼の形相で立ち上がると、SHOを強烈なエルボー一発でリング外に叩き落とし、DOUKIにTTD(変型コンプリートショット)を突き刺す。

勝利への執念で通天閣ジャーマン(高角度ジャーマンスープレックス)を狙った瞬間であった。リング下からSHOが鉄板でワトの後頭部を強打。

凄まじい打撃音と共に崩れ落ちたワトを、DOUKIがすかさず横入り式エビ固めで押さえ込み、非情な3カウントが叩かれた。

試合後、SHOはマイクを握り、福井の観衆を前に言い放った。

SHO 「だからよ、最初から言っとるやろうが!ワシらとオマエらじゃあな、格が違うんじゃ、オラ!オメーらみたいな福井県民は、そこにいる負けチームの謝罪会見でも聞いとけ、ハッハッハッ!」

IWGPジュニアタッグベルトを掲げ、王者組が悠々と退場した後、リング上にはYOHが残った。

YOH 「福井のみんな、ごめんね、勝てなくて。でも、オレは、日本で一番、ここ福井が好きだから。福井県のプロモーション来てさ、ラジオだったりテレビだったり出たんだけどさ、そのときに福井が好きですって言ったら、福井のどのへんが好きですかって言われて、オレ、全然答えられなかったんだけど。 でも、今日、答えがわかりました!新日本プロレスを観に来てくれる、たくさんのお客さんがいるから、僕はここが好きなんだよね。 ワト!キミはね、最高のパートナーだよ!オレはもう、先に帰るんだけど、ワト、福井大会、締めていってもらえるかな」

YOHはワトに全てを託し、一人リングを降りる。大の字のまま残されたワトは、マイクを握り、声を絞り出した。

ワト 「あんなやられかたで、負けてしまったから、何も言うことないけど、オレもここ、福井が好きだ」

ワトはセコンドの肩を借り、万雷の拍手に包まれながら、力なく花道を引き上げた。

 

【試合後バックステージコメント】

Aブロック優勝決定戦進出を決めたIWGPジュニアタッグ王者、DOUKI&SHO組は、バックステージでも絶対的な自信を崩さなかった。

SHOは「最初っから言っとるやろうが。ワシらには敵がもうおらんのじゃ、オラ!」とまくし立て、リーグ戦全勝を「余裕やったろう」「ノーダメージや、全部。パーフェクト勝利や」と断言。「格が違うんじゃ」と連呼し、Bブロックの勝者に対しても「今頃よ、決勝行くのが怖くて、負け合って負け合って、譲り合うぞ」「誰が来ても一緒よ」と、リーグ完全制覇を予告した。

DOUKIも「ハーッハッハッハッハ! ワト!」と、ライバルをあざ笑う高笑いを残し、余裕綽々で引き上げた。

対照的に、非情な鉄板攻撃に沈んだマスター・ワトは、セコンドの肩を借りてコメントスペースにたどり着くと、床に倒れ込みながらも無念の胸中を絞り出した。

「俺とYOHさんでジュニアタッグリーグ制覇して、這い上がって、再びジュニアの中心に返り咲く。それを描いてた」と、リーグ戦に懸けた想いを吐露。

続けて、「やっぱり俺に必要な全てをわかってるのは、DOUKI、お前だな」と、試合前の挑発とこの日の敗戦を噛みしめるように語った。

最後は、「お前が持つそのベルト、そして俺自身が行かなければいけないその場所に辿り着いて、そこのライオンマークのど真ん中で、最高にカッコいいプロレスラーとして立ち上がってみせます」と、二冠王者DOUKIへの再挑戦と、自らの再起を固く誓った。

なお、リング上で福井のファンへの感謝とワトへの信頼を口にしたYOHは、バックステージではコメントを残さず、無言で会場を後にした。

<写真提供:新日本プロレス>

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