【全日本】宮原、天国の長尾一大心さんに捧げた鎮魂のメインイベントV!10.29故郷・釧路で追悼セレモニー「この胸に一大心の思いとともにこれからも歩いていくぜ」

全日本プロレスは29日、北海道・ウインドヒルくしろスーパーアリーナで「北海道ダイナマイトシリーズ2025」を開催。

今大会は、9月7日に21歳の若さで急逝した釧路市出身の長尾一大心の追悼大会として行われ、メインイベントでは宮原健斗、斉藤ジュン、ザイオン、小藤将太という、長尾と縁の深い選手たちが一夜限りのカルテットを結成し、勝利を捧げた。

選手たちは、長尾のコスチュームカラーである緑色のアイテムを身に着けて出場。

メインイベントは、宮原、ジュン、ザイオン、そして長尾の最後の対戦相手となった小藤が組むドリームチームが、鈴木秀樹、安齊勇馬、綾部蓮、井上凌組と激突。

ユニットや団体の垣根を越えた8人が、天国の長尾へ熱い戦いを届けた。

試合は、長尾のライバルとして存在感を見せつけた小藤が奮闘。

ヘビー級選手に果敢に立ち向かう姿に、場内からは大きな「コフジ」コールが送られた。

最後は混戦の中、宮原が井上をシャットダウン・スープレックスで沈め、激戦に終止符を打った。

試合後、マイクを握った宮原は「俺たち全日本プロレス、レスラー、そしてスタッフのみんな、この胸に一大心の思いとともにこれからも歩いていくぜ」と宣言。

「一大心、そして釧路、最高ですかー!」と叫び、万感の「最高!」コールで大会を締めくくった。

大会終了後には追悼セレモニーが行われ、長尾が使用するはずだった入場テーマ曲が流れる中、「赤コーナー、北海道釧路市出身、170パウンド、長尾一大心!」のコールが響き渡った。

リング中央に置かれた遺影を囲み、会場は温かい拍手と「タイシン」コールに包まれた。

【試合後コメント】

宮原健斗 「釧路ありがとうございました。長尾一大心、会場の皆さまの顔を見たら分かる通り、みんなに愛されているな。リング上に立つプロレスラー、そして関係者、ファンの皆さま、そして釧路のファンの皆さま、すべての人に愛される、長尾一大心にしかできないことだと思うし。そんな長尾一大心が作った、この釧路でのプロレス熱っていうものを俺たちは引き継がないといけないし。俺がリング上でも言ったけど、年に1回、釧路に来て、長尾一大心のことを思う、そんな気持ちを持った人たちが集まって、みんなで一大心のことを思う気持ちを共有して、こういう場所をこれからも作っていきたいと思います。これからも、(胸を叩きながら)俺たちの胸の中にはいつもいるから。また明日から全日本プロレスは、歩み続けるぜ」

小藤将太 「長尾一大心、勝ち逃げした上に泣かせやがって。絶対に許さない。でも、アイツが愛したこの全日本プロレス、ゼンニチジュニア、俺はこのゼンニチジュニアを必ず日本一のゼンニチジュニアにしてやる。誰がなんと言おうと、俺がゼンニチジュニアを日本一にしてみせます。そしてまずは目の前のアジアタッグ、絶対に取ります。ありがとうございました」

ザイオン 「タイシンは真の勇者だった。初めて彼と闘ったときに、その強さを感じた。俺たちはすぐに友達になり、兄弟になった。リングに上がったとき、自分だけではなく、リング上にいた全員がタイシンの魂を感じた。彼の家族、友人、彼を愛するすべての人々がタイシンを愛していた。今日はタイシンが勝者だ。タイシンのことを思い出さない日は一日もない。いまでも一番心に残っているのは、彼の笑顔だ。タイシン、会いたいよ。みんなキミに会いたがっているよ。でも、サヨナラは言わない。また会おう、兄弟。兄弟よ、永遠に」

井上凌 「長尾が亡くなって約1カ月あまり、ちょっと落ち着いてきたかなと思ったけど、やっぱりふとアイツがいればなって、なんかそういう時々思うときがあります。やっぱり俺は同じ全日本ジュニアとして、もっともっと競い合いたかったし、もっともっとプライベートでもいろんなことやっていきたかったです。でも今日、こうやって特別な人たちとタッグマッチ組めたこと、これも長尾一大心のおかげだと思ってます。本当に長尾一大心には感謝しかないです。長尾、ありがとうございました」

綾部蓮 「本当に1年前、釧路の会場で長尾の凱旋試合、相手もさせてもらって、物凄い盛り上がりで。その1年後、また釧路大会というタイミングでこういうことになってしまったのは、本当にショックしかないし、複雑な思いがメチャクチャあるんですけど。本当に長尾一大心には前も言いましたけど、同じ日に全日本プロレス入って、同じ合宿所で生活していた時期も長かったし、本当に立場は違えどいっしょに頑張ってきた人間として感謝の気持ちもあるし。今後どんどん長尾の分までとかそんな大層なことは言えないけど、長尾一大心に恥じない闘いっていうのを、全日本プロレスらしい闘いっていうのを全力でこれからも見せて、綾部蓮自身もトップに駆け上がっていくサマを、長尾に届けられるような闘いをこれからもしていきたいと思います。長尾一大心、ありがとう」

安齊勇馬 「いまでも信じられないし、いまでも全然信じたくないし、ただこうやって長尾に追悼とかたくさん重ねる中で、やっぱり受け入れなくちゃいけないんだなって思いをもちろんあって。長尾が入ってからまだ全然時間も経ってないのに、急にいなくなって。俺たちが長尾のプロレスの続きをすることはできないけど、宮原さんがリングで言ってたけど、俺たちこの3人だけじゃなく所属、全日本に上がる選手全員が長尾の思いを背負って、これからも全日本プロレスを皆さんに、そして長尾一大心に届けたいと思います。長尾が見ていて悔しがるような、そして尊敬するような、この道場3人の格好いい先輩の姿をこれからも届け続けます。長尾、ありがとう」

<写真提供:全日本プロレス>

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