【新日本】H.O.T.の非道にYAMATOが「悪」の覚醒!毒霧・ローブローの無法勝利で、タイガー最後の『SJTL』に有終の美「終わり良ければ全て良しだ」
新日本プロレスは11月1日、大阪・大阪府立体育館・第2競技場(エディオンアリーナ大阪)にて『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』第8戦を開催した。
『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』
日時:2025年11月1日 (土) 17:00開場18:00開始
会場:大阪・大阪府立体育会館・第2競技場(エディオンアリーナ大阪)
観衆:977人(札止め)
第5試合ではBブロック最終公式戦、タイガーマスク&YAMATO組と金丸義信&ディック東郷組が激突した。
既に両チームとも予選敗退が決定している消化試合であったが、10.30福井大会でのH.O.T.によるマスク剥ぎ、パイプカット(急所攻撃)という暴挙により、遺恨試合の様相を呈していた。
この日の大阪決戦は、H.O.T.の非道な攻撃がドラゴンゲートのYAMATOに眠る「悪の化身」を呼び覚ます、衝撃の結末を迎えた。

ゴングを待たずして、H.O.T.が奇襲を仕掛けた。タイガー&YAMATO組がリングインしようとしたところを襲撃し、場外戦へ引きずり込む。ディック東郷は、福井に続きタイガーのマスクに手をかけ、完全に剥ぎ取ってしまう。
東郷は剥ぎ取ったマスクをコーナーに飾り付け、戦意喪失したタイガーはセコンドの肩を借りてバックステージへと退場した。
リング上は、YAMATOが2対1で戦うという絶望的なハンディキャップマッチの状況で試合開始のゴングが鳴らされた。

H.O.T.の狙いはYAMATOの右足であった。金丸が低空ドロップキックを叩き込むと、ダブルのニークラッシャー、レッグロック、レッグブリーカー、そして逆片エビ固めと、執拗かつ的確な足殺しでYAMATOの動きを完全に封じ込める。
YAMATOはドラゴンスクリューで一矢報いるも、タッチを求めるコーナーにパートナーの姿はない。その隙を突き、金丸が即座に4の字固めで捕獲。万事休すかと思われたその時、新しいマスクを着けたタイガーマスクが花道を疾走しリングイン。怒りの形相で金丸を蹴散らし、パートナーの窮地を救った。
タイガーの帰還で息を吹き返したYAMATOは、東郷に「大阪ー!投げるぞー!」と予告してからのブレーンバスターを敢行。さらにgo 2 Hospital I、サンドイッチ式トラースキックと流れるような連携でH.O.T.を追い詰めた。

しかし、H.O.T.も百戦錬磨の悪党コンビである。金丸がYAMATOの顔面にウィスキーミストを噴射。視界を奪われたYAMATOに対し、東郷がクリップラー・クロスフェイスで絞め上げる。
なんとかロープに逃れたYAMATOであったが、東郷はレフェリーの浅見氏をYAMATOに突き飛ばし、その死角を利用してYAMATOにローブロー(急所攻撃)を見舞う。
無法地帯となったリングで、東郷がスポイラーズチョーカー(絞首ワイヤー)を手にした瞬間、リングから姿を消していたYAMATOがエプロンにゆっくりと姿を現した。
その目の下には、不気味な真っ黒のペイントが施されていた。

YAMATOは不敵な笑みを浮かべ、東郷のパンチを浴びながらも仁王立ち。東郷がロープに走った瞬間、YAMATOは口から赤い液体、レッドミスト(毒霧)を東郷の顔面に噴射した。
H.O.T.のお株を奪う反則攻撃に場内が騒然とする中、タイガーが金丸をトペ・スイシーダで場外に分断。リング上では、視界を失った東郷がレフェリーを誤って捕まえる中、背後からYAMATOがH.O.T.へのお返しとばかりに強烈なローブローを叩き込む。

最後は、YAMATOが胴絞めスリーパーで東郷を完全に絞め落とすと、浅見レフェリーが試合をストップ。タイガーマスク&YAMATO組が、H.O.T.をも上回るダーティーファイトの末に、リーグ戦初白星(1勝4敗)をもぎ取った。

来年7月に引退を控えるタイガーにとって、これが最後の『SUPER Jr. TAG LEAGUE』の試合であった。
試合後、YAMATOから差し出された握手の手に一瞬警戒しつつも、タイガーはこれに応じ、大阪のファンに向けて両手を突き上げた。

【試合後バックステージ】
H.O.T.の度重なる非道な攻撃により、毒霧、ローブローという非情な手段で報復し勝利をもぎ取ったタイガー&YAMATO組。
コメントスペースに現れたYAMATOは、試合中に施した黒いペイントをそのままに、パートナーのタイガーマスクも戸惑うほどの変貌ぶりを見せつけた。
タイガー「まさか“ダークYAMATO”になるとは思わなかったな」
タイガーの言葉を受けると、YAMATOはカメラを睨みつけ、自らの正体を明かした。

YAMATO「オイ!NJPW WORLD、この俺はYAMATOにあらず。俺の名は“悪いYAMATO”だ!“悪いYAMATO”がこのニュージャパンのリングに上がるのは、まさに2008年(※正確には2009年)の『BEST OF THE SUPER Jr.』以来だ、アァ!まぁ俺から言わせれば“いいほうのYAMATO”、あんなヤツはな、ただの二流レスラーなんだよ。一流は一流を知るんだ。一流のプロレスラー、タイガーマスク、アナタの唯一の過ちはこの俺、“悪いYAMATO”をタッグパートナーに選ばずに、“いいYAMATO”を選んだことだ。俺を選んでればこのタッグリーグ、優勝は間違いなかった」
この「“悪いYAMATO”」の主張に対し、タイガーは複雑な胸中を吐露した。

タイガー「そうか……。正直、わかんないんだよね、“悪いYAMATO”なのか、“いいYAMATO”なのか。俺の中ではYAMATOはドラゴンゲートでは、もうしっかりとベテランの域に達している素晴らしいレスラーだったからね。ただ、今、“悪いYAMATO”が言ったかもしれないけども、昨日までやってきたYAMATOは、俺は素晴らしいと思ってる。このままタイガーマスク&YAMATOを終えるのは、俺は惜しいと思ってるから。ただこの“悪いYAMATO”はちょっと今日初めて出てきちゃったからあれだけれども、この“悪いYAMATO”にも俺は伝えたいな。まだまだやろうじゃないかっていう」
YAMATO「もちろんですよ」
タイガー「ただ、今、YAMATOが言ったように、今回俺のミスは“悪いYAMATO”を出してしまったことだったかな。でも、勝ったからね、今日」
YAMATO「そう!」
タイガー「俺たちのジュニアタッグ、終わり良ければ全て良しだ。こんなね、マスクを剥ごうだなんて、いい加減にしろって話だよ」
YAMATO「目には目をですよ」
タイガー「そういうこと」
YAMATO「毒には“悪いYAMATO”。そういうことだ。(中略)今日は、今日のこのタッグリーグ、あまりの“いいYAMATO”の不甲斐なさに、この“悪いYAMATO”が手を貸してやったんだ。この俺は今日一夜限りだ。明日は“いいYAMATO”に譲ってやる!」
“悪いYAMATO”は、H.O.T.の暴挙に対する制裁であったことを示唆し、明日の岐阜大会は「“いいYAMATO”に譲る」と言い残し、嵐のように去っていった。

一方、自らの土俵である反則合戦の末に敗れ、1勝4敗でリーグ戦を終えた金丸義信は、コメントスペースに現れるなり、独自の理論でリーグ戦を「総括」した。
金丸「オイ、リーグ戦終わってみたらよ、オイ、東郷と俺の圧勝だったな、オイ。よく見たか、お前ら、オイ。俺ら2人はよ、このままじゃ終わらねぇから、オイ。よく見とけ、これからも」
※ディック東郷はノーコメント
<写真提供:新日本プロレス>
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