【新日本】デスペラード＆KUUKAI「底力、見せてやったぞ」 執念のピンチェ・ロコで吉岡を粉砕！KUSHIDA組の決勝進出を阻む

新日本プロレスは11月1日、大阪・大阪府立体育館・第2競技場（エディオンアリーナ大阪）にて『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』第8戦を開催した。

『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2025』
日時：2025年11月1日 (土) 17:00開場18:00開始
会場：大阪・大阪府立体育会館・第2競技場（エディオンアリーナ大阪）
観衆：977人（札止め）

セミファイナル（第6試合）ではBブロック公式戦、エル・デスペラード＆KUUKAI組とKUSHIDA＆吉岡勇紀組が激突した。

この一戦は、3勝1敗（6点）で優勝決定戦進出に望みを繋ぐKUSHIDA＆吉岡組にとって、絶対に負けられない正念場であった。

対するデスペラード＆KUUKAI組は1勝3敗（2点）と既に予選敗退が決定していたが、タッグとしての意地を見せつけ、決勝進出を目指すチームの夢を無慈悲に打ち砕いた。

試合は、決勝進出への執念を見せるKUSHIDA＆吉岡組が序盤から主導権を握った。

先発のKUSHIDAがKUUKAIを巧みなグラウンドレスリングで翻弄すれば、代わった吉岡もデスペラードに対し強烈な逆水平チョップ、リバースリープフロッグからのドロップキックと躍動する。

デスペラードが場外戦で吉岡を鉄柱に叩きつけ流れを変えようとするも、KUSHIDA組の勢いは止まらない。KUSHIDAがハンドスプリングエルボーで二人まとめてなぎ倒し、KUUKAIには雪崩式のフランケンシュタイナーを敢行。

さらにスパイクDDTから腕ひしぎ逆十字固め、ホバーボードロックと、KUUKAIの左腕を徹底的に破壊しにかかった。

しかし、デスペラード＆KUUKAI組も「踏ん張りどころ」で驚異的な粘りを見せる。KUUKAIがKUSHIDAの猛攻を丸め込みの連発で切り抜けると、トラースキックで一矢報いる。

代わった吉岡に対しても、KUUKAIがバッククラッカー、さらには変形の弓矢固めで捕獲し、パートナーのデスペラードをアシストした。

デスペラードも吉岡に対しスピアーを突き刺し、ブレーンバスターで投げつけるなど、一歩も引かない攻防を展開。両チームの意地がリング上で激しく交錯した。

終盤、KUSHIDA＆吉岡組が勝負を懸けた。KUSHIDAがデスペラードにランニング掌底、吉岡がハイフライアタックと連携。さらにKUSHIDAがKUUKAIをテキサスクローバーでリング中央に捕獲し、吉岡が必殺のハイフライフローをデスペラードに投下する。

だが、デスペラードはこれを両膝で迎撃。勝機を逸したKUSHIDA組に対し、デスペラードはKUSHIDAにカウンターのロコ・モノ（パンチ）を叩き込む。吉岡もバトルフックで応戦するが、デスペラードはこれを切り抜け、強烈なピンチェ・ロコ（変型ドライバー）を炸裂させる。

吉岡はこれをカウント2で返す執念を見せたが、その間隙を突きKUUKAIがKUSHIDAをトペ・スイシーダで場外に分断。リング上で孤立した吉岡に対し、デスペラードは垂直落下式のリバースタイガードライバーから、ダメ押しのピンチェ・ロコを叩き込み、3カウントを奪取した。

この結果、KUSHIDA＆吉岡組は3勝2敗（6点）でリーグ戦を終了。Bブロックの決勝進出の可能性が、土壇場で潰える形となった。

【試合後バックステージコメント】

▼デスペラード組、敗退も「スタート地点」。タッグ継続と「未来」を語る

最終戦を白星で飾ったデスペラード＆KUUKAI組。KUUKAIは「KUUKAIとデスペラードのスタート地点に今日、立ったと思ってる」「デスペラードさんの横で、闘わせてください」と、リーグ敗退の悔しさ以上に、タッグ継続を熱望した。

デスペラードも「上下はなしでいきましょう。タッグパートナーなんだ」とこれに応じ、固い握手を交わす。さらに「（ジュニアヘビー級の）ベルトってのは2つあるよな。シングルだってある」「俺が持ってて、彼がチャレンジャーって未来があっても面白くない？」と、タッグとしてだけでなく、個々のレスラーとしてのさらなる可能性にも言及した。

▼決勝進出ならず…吉岡「自分が取られたせい」、KUSHIDAは「エースになれ」とエール

一方、決勝進出の夢が潰えた吉岡は、インタビュースペースのフロアに座り込み、「クッソーッ……クソーッ！」「自分が（フォールを）取られたせいで……。すいません、KUSHIDAさん」と、自らを責め悔しさを露わにした。

パートナーのKUSHIDAは「いや、謝んなくて大丈夫ですよ」と優しく声をかけ、「俺はピンチになったらすぐ駆けつける。それがプロレスのタッグパートナーってもの」と自身のタッグ哲学を語った。

最後にKUSHIDAは、「絶対、ドラゴンゲートのエースになってくれ。“エース”っていう言葉に、逃げずに頑張ってください」と、ドラゴンゲートから参戦した後輩に熱いエールを送った。

吉岡も「必ずこれに恩返しできるように」「またタッグリーグ、戻ってきたいと思います」と、再起を誓った。

＜写真提供：新日本プロレス＞