【ガンプロ】まなせゆうな、望月成晃戦へ!12年越しのドラマ、声の苦悩、そして“新木場のジャンヌ・ダルク”への決意「欲しい物は欲しいし、やりたい物はやりたい」

その言葉には、人の心を揺さぶる力が宿っている。 ガンバレ☆プロレスの“魂”を体現するレスラー、まなせゆうな。彼女がリングで放つメッセージは、常に真っ直ぐで、熱く、嘘がない。だからこそ、多くのファンが彼女の言葉に「言霊」を感じ、心を動かされてきた。

喉の不調という困難を抱えながらも、彼女の熱は決して冷めない。若い世代の才能を認め、吸収し、自らの力に変える“妖怪”のような柔軟性。そして、ガンバレ☆プロレスという団体への、誰よりも深い愛。

11月9日、彼女のデビューの地でもある聖地・新木場1stRINGで、ついに団体の至宝、スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王座への挑戦が決定した。しかし、その目の前に立ちはだかるのは、“鉄人”望月成晃。あまりにも高く、厚い壁。

なぜ今、彼女は、この無謀とも思える挑戦に踏み切ったのか。その魂の叫びの裏に隠された、葛藤と決意。まずは【前編】として、彼女の“ガンバレスピリット”の源泉に迫る。

『スクール・オブ・ロック2025』東京・新木場1stRING大会
【日時】2025年11月9日(日) 12:00開始(11:30開場)
【会場】東京・新木場1stRING

<対戦カード>

▼スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権試合
<王者>望月成晃vsまなせゆうな<挑戦者>

▼スピリット・オブ・ガンバレ世界タッグ選手権試合
<王者>中津良太&塚本拓海vs大家健&趙雲子龍<挑戦者>

▼石井慧介vs中村宗達

▼川上翔大vs元島仙多郎

■「声を失う」ということ。伝えたい力が、伝わらない苦悩

――本日はよろしくお願いします。プロレスTODAYへの“帰還”、お待ちしておりました!

まなせ: やった!やっと 帰ってくることができました! ほかのみんなが来てたので、私も一緒に……と思ってたのにずっと来れなくて。やっと来ることができました。

――早速ですが、実は今日、喉の調子があまり良くないと伺いました。

まなせ: そうなんですよ。もう二ヶ月くらい、こんな感じで……。だいぶ声は戻ってきたんですけど、やっぱり、声が出せないと、が伝える力が弱まりますよね。

呼吸が苦しいってこともありますけど。“音”って大事だなと思いました。目の見えない方がプロレス会場に来てくれた時なんかも、自分の声が届かないと想いが伝わりにくいかなと。声を失うとプロレスの持ってる力を伝えることがなかなか難しいなと感じましたし。

――まなせ選手にとって、「声」は最大の武器の一つです。それを失うというのは、相当な戦力ダウンなのでは?

まなせ: 相当ですね……。だから、この間の、凍雅とのタッグベルト戦(東京女子プロレス)も、ダメだったのかもしれない。私の声が出なかったからだ。悔しいです。

――その凍雅選手は、以前のインタビューで「まなせ選手と組むことで、自分の殻を破れた」と、非常に感謝していました。

まなせ:嬉しいです!でもそれは彼女が元々持っていたもので。の方こそ凍雅から学んでばかりですよ、もう彼女から色々教わってますね。

――まなせ選手はいろんな選手と組んでますが、そういういろんな方からいいところを吸収して、さらに自分の力にしていっている気がしますね。

まなせ:選手の持ってるいいものを、素直に認められている気はしますね。

――新しい選手と触れ合って、いいものを吸収してますよね。

まなせ:若い選手を吸収…妖怪みたいですね(笑)

――いい意味でですよ!

まなせ:いい意味で妖怪(笑)。ありがとうございます(笑)

■魂の叫び「欲しい物は欲しいし、やりたい物はやりたい」

▼スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権試合
<王者>望月成晃vsまなせゆうな<挑戦者>

――そんなまなせ選手ですが、11月9日に開催する「スクール・オブ・ロック2025」東京・新木場1stRING大会で、望月成晃選手のもつスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王座に挑戦します。

まなせ: 挑戦がついに決まりましたね。

――まなせ選手の魂の叫びがファンと団体を動かしましたね。

まなせ:ファンの皆さんの声って本当にすごいですよね。自分だけではできないことを、後押ししてくれるというか、改めてファンの方の力を感じましたね。

――望月選手に挑戦すると、新木場でファンの方達に語ったときもすごい熱い想いを感じました。人を動かす力というか、気持ちを揺さぶるメッセージでしたよね。

まなせ:ありがとうございます。そんな何か用意して伝えようとしたわけではなく、感情のまま話しちゃったんですよね。だから言葉とかめちゃくちゃだったと思うんだけど、そう言ってもらえて嬉しいです。

――言霊を感じましたね。作られた言葉ではなく、まなせ選手の気持ちを素直に伝えているからこそ、ファンの方たちも素直に応援したいと思うのではないかと思います。本当にまなせ選手の言葉には力がありますし、大事ですね。

まなせ:嬉しいです。本当、言葉も声も大事!!想いって大切ですよね、本当にあの日そう思いました。ガンプロのベルトなので、いつでも挑戦したいという気持ちはあったんですけど、やっぱり今のガンプロでそれを言葉にするのってすごく勇気がいるというか…。

――今のガンプロ、ですか。昔とは、何が違うのでしょうか。

まなせ:新体制になってから、男の子たちが元気になったっていうのは前から言ってたと思うのですが、多分旧体制の時って、女子が結構推されるじゃないけど…。

分かりやすいところでいうと、二回目の大田区大会とか。女の子はシングルとかのカード組んでもらってたんですけど、男子はギュッてまとめられててみたいなカードが多くて。それをやっぱり男の子が何も思わないわけないよなって。自分も欠場中だったけど思うところはあって。体制が変わってから開放された男の子たちの暴れ具合、輝き具合が半端なくて。今若手と言われる中村宗達、川上翔大、元島仙多郎もいるので、ガンバレ☆プロレスは頑張る人に嘘がないというか、頑張る人が報われる場所じゃないといけないなと思ってます。それを見せるために、自分がもっと頑張らないといけないなと思っていて。

――その中で、女子が割って入るのは難しい、と。

まなせ:YuuRIがいるからもちろんガンジョの地位向上の為にそれはそれで頑張るんですけど。女子部の為にもガンプロを広めるために頑張っていかないといけないなというのを最近強く思いますね。でも望月さんって、ものすごいじゃないですか。

――すごいですよね。

まなせ:今ガンプロのチャンピオンだから。ベルト持っているから。その望月選手に挑戦するっていうことを言葉にするのは、すごく勇気がいりましたね、あの日のあの瞬間まで。


写真提供:ガンバレ☆プロレス

――勝村周一朗選手と引き分けるなど、まさに鉄壁の牙城です。

まなせ: でも、強い人が持っているから挑戦しないというのもおかしな話じゃないですか。すごい人が挑戦しているから自分はダメなのかといったら、そんなことないって思いたいじゃないですか。だって欲しい物は欲しいし、やりたいものはやりたいんだから。今行くしかないって思いましたね。

――さすがですね。現王者の望月選手は、もう五十を超えてますが今なお進化し、打撃力も衰えないですよね。

まなせ: 本当に。周ちゃん(勝村周一朗選手)が先日望月選手と対戦した後に「ゆうなちゃん見て」って。足、真っ青でしたね。足、ヤバって思いましたね。周ちゃんも相当鍛えているのに、あんな痣だらけになっているんだから、相当な覚悟を持っていかないといけないなって思いましたね。

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