【天龍プロジェクト】ザック・セイバーJr.、“曲者”矢野啓太と異次元のグラウンド戦「1月4日はスケジュール空けときます」 矢野がドーム参戦をアピール

天龍プロジェクトが「ラスト後楽園」と銘打った『天龍源一郎 引退10周年記念興行 ~革命飛翔~』が11月4日、東京・後楽園ホールで開催された。

第5試合のスペシャルシングルマッチでは、新日本プロレスの前IWGP世界ヘビー級王者ザック・セイバーJr.が、『天プロ』きってのテクニシャン矢野啓太(プロフェッショナルレスリング・ワラビー)と対戦。

両者による、常人には理解の及ばない高度なレスリングの応酬が繰り広げられた。

ザックは前日のDDT両国大会に続き、二日連続での他団体ビッグマッチ参戦。対する矢野は、天プロのシングルトーナメント『龍魂杯』を制した実力者である。

ゴング前、矢野が求めた握手にザックが応じると、静かな立ち上がりで試合は始まった。

互いにアップガードの構えから、ヘッドロック、クロスアーム、ブリッジワークと、一瞬も目の離せない緻密なグラウンド攻防が展開される。

矢野がザックの左足を的確に攻めれば、ザックは矢野の手首を捕らえる。

矢野がカニ挟みからザックの両足を絞り上げれば、ザックはブリッジワークで脱出。

矢野がスタンディングのアームロックでザックの肘をマットに固定し、そこへストンピングを叩き込むという、ザックの得意ムーブを披露し、コーナー上で寝そべる余裕さえ見せた。

これに対し、ザックも即座にやり返す。矢野の肘をマットに固定し、同じくストンピングを投下。

矢野が今成ロールのような動きで意表を突こうとすれば、ザックは冷静に距離を取る。

互いが互いの「TEKKER」を読み合い、一瞬の隙も与えないまま、試合は中盤へと進んだ。

ザックがヨーロピアンアッパーカットから変形のSTF、クラーキー・キャットで捕獲にかかると、矢野はロープエスケープ。

すかさず矢野もパンチとエルボーアッパーの連打からアイコノクラズム、ヨーロピアンクラッチと畳み掛ける。

コブラツイスト、ローリングクレイドル、そして丸め込み合戦と、目まぐるしく攻守が入れ替わる展開となったが、最後は一瞬の攻防であった。

矢野がザックの左足を取りにいったところを、ザックが瞬時に切り返し、ジャパニーズレッグロールクラッチホールドで押さえ込み、3カウントを奪取した。

試合後、両者はリング上で座ったまま言葉を交わし、ザックは一礼してリングを後にした。

【試合後バックステージコメント】

ザック「あれは、ヤノセンシュが始めたんだと思う。まずは、天龍プロジェクトについて話そう。俺のキャリアで一番大切な人の一人がヨシナリ・オガワだ。そしてオガワサンにとって、キャリアで一番大切な人の一人がテンリューだ。だから、天龍プロジェクト、しかもテンリューサンの引退10周年記念興行に出られたというのを、本当に名誉に思っている。

そして、ヤノに話を戻そう。俺はわかってたんだ。あいつはTEKKERの持ち主だってことを。あいつの2007年のバトラーツのデビューを俺は見てた。雑誌に付いてた、公式っぽいDVDコピーでね。だからケータ・ヤノのことはかなり昔から知ってる。キャッチレスリング、ブリティッシュレスリングのさわりって感じだったな。

ヤノ、次はもっとバトラーツスタイルの試合をやろう。テクニカルレスリングに立ち戻る。今日はお前に勝ったが、ピンフォール勝ちのワザだったからな。周知の事実だが、俺はあのタイプのワザで勝つのが嫌なんだ。次はバチバチボーイズの闘いだ!

キノウハDDT、キョウハ天龍プロジェクト、ライシュウハDRADITION。俺は二度のIWGP世界ヘビー級王者かもしれないが、俺のスピリットはいろいろなところを巡る、インディーレスリング団体に根ざしている。日本の残りの地域を制覇してから、またIWGP世界ヘビー級を狙うよ。ありがとう」

矢野「昨日までね、肉体と精神がボロボロだった。今日、今朝、目覚めた時には頭も冴えてるし、能力衰えたかなって。何より今日、自分が今誰なのか、まだ分かってない。キング・オブ・天龍プロジェクトだって。……1月4日はスケジュール空けときます」

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