【新日本】棚橋弘至、最後の写真集発売でまさかの告白「ACEという称号は、俺が引退と同時に持っていっちゃってもいいのかな」引退試合の相手オカダ・カズチカについても言及

■“ACE”という称号「引退と同時に、持っていっちゃってもいいのかな」

――そして棚橋選手が築き上げた時代を象徴するのが、この写真集のタイトルにもある “エース”という言葉です。長年、新日本プロレスのエースとして戦い抜いてきた棚橋選手にとって、この言葉はどんな意味を持ち続けてきましたか?

棚橋: 今、振り返ると、「よく、自分で言ったな」と思いますよね(笑)。2009年、東京ドームで武藤(敬司)さんと戦って、その試合後に、中邑(真輔)に向かって言ったんです。「中邑、新日本プロレスの“エース”は、一人でいいんだよ」って。

――あのマイクは、伝説になっています。

棚橋: あの時の中邑の「何のこと?」っていうキョトンとした顔は、今でも覚えてます(笑)。僕自身、ずっと野球をやってきて「エースピッチャー」という言葉にすごく憧れがあったんです。プロレス界では、それまで使われてこなかった言葉ですけど、エースという存在が一人いると、その選手を中心に「相関図」ができる。

――相関図、ですか。

棚橋: はい。ファンの人が、その世界観に入り込みやすくなるんです。「この人が、¥中心人物なんだ」と分かれば、そこから、エースとライバル、エースと先輩、エースと後輩、エースと外敵という風に人間関係が広がっていく。僕はあの瞬間、新日本プロレスという物語の“登場人物相関図”のど真ん中に、棚橋弘至を置いたんです。あれは、ある意味、奇跡の一言でしたね。


©新日本プロレス

――棚橋選手が、プロレス界に「エース」という概念を持ち込んだ、と言っても過言ではありません。

棚橋: そうかもしれないですね。あまりにも重い称号に、なってしまいましたけど。

――今や、「エース=棚橋弘至」というイメージが、完全に定着しています。

棚橋: ありがたいことです。「エース」という概念自体は、今後も違う形で新日本プロレスに残っていくとは思うんですけどね。ただ、僕が使ってきた意味での「エース」は、もしかしたら一代限りなのかなという気もしています。

――一代限りですか。

棚橋: この称号も、僕が引退すると同時に、持っていっちゃってもいいのかな、って思いますけどね。

――それは、また、すごいお話ですね。

棚橋: 「エース」は、棚橋弘至と共に引退する、と。そうなったら、今の選手たちはみんな困るでしょうね(笑)。「じゃあ、俺たちは何を目指せばいいんだ」って。

――まさに、群雄割拠の、戦国時代が始まりますね。

棚橋: ええ。でもそれがまた、新しい時代の新しいファンを開拓することに繋がるかもしれないですからね。

(【後編】へ続く)

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

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