引退試合(1・4東京ドーム)を控える「エース」棚橋弘至の熱い想いがあふれる写真集

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

来年の1・4東京ドーム大会の引退マッチに向け、ファイナルカウントダウンが進む棚橋弘至。ラスト写真集「ACE/100」(小学館集英社プロダクション)が好評発売中だ。

これまでの写真集とは違って自然体の姿をとらえたショットが数多く収められている。「素面の棚橋弘至。生身の棚橋弘至…プロレスラーでもあり、人間でもある棚橋弘至を存分に楽しんでください」と胸を張る。


©新日本プロレス

プロレスラーとして鍛え上げたボディを強調したこれまでの写真集とは、確かに一線を画している。引退を目前に控えて、いつも通りに、試合やイベントに臨んでいるものの、心のさざ波を完全に押さえ込むのは難しい。時には「これで本当に良かったのか?」と自問自答することもあるが、最後は腹の底から笑顔が沸いてくる。

「僕の今の心境を見事に捉えている」と、道場でのトレーニングの合間の笑顔をクローズアップした1枚が中でもお気に入りだ。大好きなプロレスから卒業する。悔いがないと言ったらウソになるかも知れないが「やり遂げるまで、これまでと同じく全力で走り抜けます」と、らしいスマイルを爆発させる。


©新日本プロレス

社長レスラーとして忙しい日々を送っている。毎日の朝礼の話題探しも大変だが、社長になってこれまでとは違った人脈も築きつつある。「組織のトップの人たちとの交流は、学ぶことが多い。勉強になる」と、社長業の特訓をしている。

組織の頂点に立ち、俯瞰で物事を見ている。これまでも選手としてチャンピオンとなり、選手たち全体を見守ってきたが、社長となれば「会社としてベスト」を考える。一歩引いて思いを巡らすのだが、最後は「一番は俺だ、が結論」と高笑いを決め込んだ。


©新日本プロレス

今の新日本は群雄割拠。かつては猪木の時代、藤波・長州時代、闘魂三銃士、第三世代、棚橋・オカダ・内藤の時代…多くても3人、4人がトップ戦線を支えてきたが、今の新日本プロレスは辻陽太、上村優也、海野翔太、成田蓮、大岩陵平、ボルチン・オレッグ、デビュー前だがウルフ・アロンの名前をあげたが「誰が先頭に躍り出るのか、わからないから面白い。期待が膨らむでしょ」と、戦国時代を社長自ら楽しんでいる。

時代によってファンの応援も変化する。現在は「推し文化」だろうか。闘いを求めるのか、選手の魅力に魅かれるのか。「我々もアンテナをしっかり立てておかないと」と、この時ばかりは視線が厳しくなった。


©新日本プロレス

1・4東京ドーム大会のファイナルマッチの相手はオカダ・カズチカ。「ベスト・コンディションで臨みたい。IWGPヘビー級王座を一年間守り抜き11回連続防衛したあの頃に戻す」とキッパリ。

「ハードスケジュールですが、疲れていませんか?」と一応、聞いてみた。「もちろん、疲れていません!」と一段と声が大きくなった。

引退するまでプロレスラーを誠心誠意まっとうする。「エースの棚橋弘至」がそこにいた。(敬称略)


©新日本プロレス

Pages 1 2

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加