【全日本】青柳優馬が涙の復帰戦「二度と裏切らないように」基礎に立ち返る15分ドローも、鈴木秀樹からは“バカの時代追放”の非情宣告

全日本プロレスの『ドリームパワーシリーズ2026』3月15日後楽園ホール大会にて、一つの節目となる試合が行われた。

昨年11月、運転免許失効状態での信号無視および衝突事故という重大な不祥事を起こし、減給ならびに3か月の謹慎処分を受けていた青柳優馬が、第0試合でリングへの帰還を果たしたのである。

112日ぶりとなる公の場。全日本プロレスのジャージを身に纏って現れた青柳優馬を待っていたのは、怒号ではなく、温かい拍手と声援であった。

四方へ深く礼をしてから臨んだ復帰戦の相手は、鈴木秀樹。

この日の試合展開は、華やかなプロレス技の応酬とは無縁のものであった。両者は打撃を一切封印し、ひたすらにグラウンドでの関節の取り合い、ポジションの奪い合いに終始した。

残り3分で青柳優馬がネックロックを極める場面もあったが、鈴木秀樹が老獪な技術でそれを凌ぎ、15分間を戦い抜いての時間切れ引き分けとなった。

それはまるで、自らの過ちを見つめ直し、プロレスラーとしての基礎からやり直すという青柳優馬の贖罪の意思を、リング上で表現しているかのような濃密なグラウンドレスリングであった。

しかし、試合後の現実は甘くはなかった。対戦相手を務めた鈴木秀樹は、バックステージで青柳優馬に対する厳しい通告と、プロレス界全体への苦言を呈した。

鈴木「3つかな。言いたいことは3つ。1つ目、今日はキャッチ・アズ・キャッチ・キャンでやりました。キャッチ・アズ・キャッチ・キャンで。2つ目、青柳優馬はバカの時代を追放します。追放。3つ目、今回、今日のことだけじゃなくて、このことが起きた時も含めて、関係ないヤツがnoteを使って金を稼ぐのは、業界内ではやめてくれ。恥ずかしいから。プロレスで稼いでくれ。noteで稼ぐな。以上です」

自身が所属していたユニット「バカの時代」からの追放宣告。自業自得とはいえ、孤独な戦いを強いられることとなった。

その後、涙ぐみながら報道陣の前に姿を現した青柳優馬は、深く頭を下げ、現在の心境とファンへの誓いを切々と語り始めた。

青柳「関係者の皆様、団体の所属選手、応援してくださるファンの皆様、スポンサーの皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今日、無事にこうやって試合できたのも、スポンサーの皆様と団体と、僕がいない間も戦い続けてくれた所属選手の皆さん、そして全日本プロレスに参戦してくださったフリーの選手の皆さんのおかげだと凄く痛感しました。ありがとうございました。これからは、本当に私生活はもちろん、プロとしてもしっかりとリング上を充実させたうえで、プライベートをしっかり身を引き締めて生活して、ひとつひとつのことをしっかりと丁寧にこなして、また皆さんからの信頼を得られるようなプロとしての生活を送っていきたいと思います。ありがとうございました。第0試合で僕の相手を務めてくださった鈴木秀樹さんには感謝しかありません。試合とは関係ないんですけど、僕の名前をずっと出し続けてくれた安齊勇馬に感謝したいですし、最強タッグに一緒に出場したのに、僕のせいでこうなってしまったこと、本当に申し訳ないなと思っています」

また、不祥事を起こした自身に対して温かい声をかけた観客の存在について問われると、決意を新たにした。

青柳「そうですね。僕がこんなことをした人間でありながら、あのように『青柳』と呼んでくれたファンの皆様も二度と裏切らないように、信頼の回復に努めたいと思っています」

全日本プロレスの春の祭典であるチャンピオン・カーニバルへのエントリー落選という事実についても、自らの犯した罪の重さを自覚し、真摯に受け止めている。

青柳「当然のことだと思いますし、僕がおこなったことは本当であれば、懲戒免職だったり、会社から解雇されてもおかしくないようなことをしてしまったんですけど、そんな僕でも受け入れてくれた団体とスポンサーの皆様に報いるように、頑張っていきたいと思っています」

謹慎期間中、「二度とこういったことを、人に迷惑かけないようにということを考えながら、反省して日々を過ごしていました」と語る青柳優馬。復帰戦で全日本プロレスのジャージを着用した理由には、団体への深い感謝が込められていた。

青柳「こうやって僕のことをずっとプロレスラーとして続けてくれる団体に感謝の意味を込めて、年始に着れなかったジャージなので、今日からしばらくはこのジャージを着てやっていこうかなと思っています。『全日本プロレスの一員です』っていうのを、二度と恥させないように頑張っていきたいと思っています」

事件を経て、「プロ以前にやっぱり1人の人間として、やってはいけないことをやってしまったなというのを深く反省しています」と猛省する青柳優馬。今後の車の運転については「今のところする予定はないです。交通事故を起こしてしまった直後でもあるので、しばらくというか、今のところは今まで通りという風には考えてないですね」とし、未定となっている行政処分についても「その処分はまだこれからですね。まだその処分が未定の状態なので、僕からは今何とも説明ができない状態です。(頭を下げて)この度はご迷惑をおかけしました。今後ともよろしくお願いいたします」と答えるにとどめた。

失われた信頼を取り戻すための道のりは、果てしなく遠く、そして険しい。「やっぱり来てくださるお客様に青柳優馬のファイトを見せたいなと思っています」と語った通り、リング上での真摯な戦いを通じてのみ、その信頼は少しずつ回復していくはずだ。基礎に立ち返るような15分間のグラウンド戦は、その長く険しい贖罪の道のりの、最初の一歩に過ぎない。

<写真提供:全日本プロレス>

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