【全日本】三冠前哨戦は消滅団体の愛憎劇へ! 羆嵐が王者・宮原健斗をKO、本田は立花のセコンド要請を完全拒絶「いい思い出なんかな、あるわけねぇだろ!勝手にやってろ!」
全日本プロレスは3月15日、後楽園ホールにて『ドリームパワーシリーズ2026』を開催した。
第3試合に組まれたのは、3月20日八王子大会で行われる三冠ヘビー級選手権試合(王者・宮原健斗対挑戦者・羆嵐)の最初で最後の前哨戦となる8人タッグマッチ。
しかし、リング上を支配したのは、タイトルへの前哨戦という枠を超えた、すでに活動を休止した団体「WRESTLE-1」を巡る泥臭い愛憎劇であった。
宮原健斗が記者会見で突きつけた「元WRESTLE-1のレスラー3人をセコンドにつけろ」という挑発。
これに対し、羆嵐はかつての同門である河野真幸、立花誠吾、さらに関本大介という超強力な布陣で出陣した。
一方の宮原健斗組には、同じく元WRESTLE-1出身である本田竜輝が名を連ねている。

試合は重量級の意地がぶつかり合う肉弾戦となった。宮原健斗と羆嵐が場内外で激しい火花を散らす中、終盤は羆嵐組が本田竜輝に猛攻を仕掛ける。
本田竜輝も投げっぱなしジャーマンなどで抵抗を見せたが、最後は羆嵐がラリアット合戦を制し、重爆クロスボディで圧殺。挑戦者が完璧な3カウントを奪い取った。
しかし、遺恨はゴングが鳴っても収まらない。
試合後、宮原健斗を立花誠吾の強烈なエルボー、河野真幸のシャイニング・ウィザード、そして羆嵐のダイビング・セントーンによる波状攻撃で完全KO。
大の字に倒れた絶対王者を踏みつけ、羆嵐はマイクを握った。

羆嵐「オイ、三冠チャンピオン・宮原健斗、これが元WRESTLE-1の力だ。当日はよ、みんなの想いを背負って、1対1で、リング上で対峙しようぜ。大丈夫か、オイ?」
過去の誇りを胸に結束を固める挑戦者。これに呼応したのが、世界ジュニアヘビー級王者の立花誠吾だ。

立花「オイ、羆嵐!いや嵐さん。WRESTLE-1の時に呼ばさせてもらっていた名前で呼ばせてもらうぞ。WRESTLE-1は、俺にとって青春だった。だけど、8割くらい嫌な思い出だ。ただ、ただ、ただ、めちゃめちゃ楽しかった。そして、そん時にお世話になった人が全日本プロレスっていうでけぇ団体のビッグマッチのメインイベントでタイトルマッチだろ。セコンド付かせてくれよ、コノヤロー。いや、俺はセコンドに付く!本田、オマエもWRESTLE-1で生まれて、WRESTLE-1で育っただろ。どうなんだよ?」
共に青春を過ごした仲間としてセコンド入りを直訴し、対戦相手側にいる本田竜輝にも連帯を呼びかけた。
しかし、本田竜輝の反応は対照的であり、過去を明確に否定するものだった。

本田「WRESTLE-1!WRESTLE-1!(WRESTLE-1コールを発生させる)WRESTLE-1は、俺がデビューして1年で活動を休止した。いい思い出なんかな、あるわけねぇだろ!勝手にやってろ!」
バックステージに戻っても、この「消滅した団体」に対する温度差は浮き彫りとなった。勝利した羆嵐陣営は、結束をさらにアピールする。
羆嵐「最初で最後の前哨戦。とりあえず直接ピンは取ってないけど、勝って終われたんで。まぁ俺は、WRESTLE-1のみんなの想いを背負って、メジャー団体の全日本プロレスの三冠ヘビー級のベルトに1人でね、チャンピオンと1対1でリング上で対峙しようと思ったんだけど、助っ人がね、超強力な助っ人が来てくれた」
立花「でも、介入とかはしねぇからな。応援はするよ」
羆嵐「介入はダメだ、しちゃ。あなたは世界ジュニアのチャンピオンなんだよ、由緒正しい」
立花「するつもりはねぇよ。だけど少しでもな、力になれば」
羆嵐「河野さんは20日忙しいですか?」
河野「あとで、スケジュール確認します」
羆嵐「わかりました」
河野「お疲れ。頑張れ(2人と握手をして去っていく)」
羆嵐「とりあえず今日は、三冠のベルトに一歩近づけたと俺は思ってるから。あとは当日、真っ向勝負だ、オイ。宮原健斗、真っ向勝負の意味わかってるか?逃げるんじゃねぇぞ。スカすんじゃねぇぞ。オマエは三冠ヘビー級のチャンピオンなんだろ。全日本プロレスで一番強いんだろ。だったら真っ向勝負だ。この意味をよく考えろ。待ってるぜ。ハー!」
一方、激怒した本田竜輝は、自身の苦々しい記憶を吐露し、団体への思い入れを完全に切り捨てた。
本田「オイ、WRESTLE-1がどうのこうの言ってたけど、次、羆嵐が挑戦するのか?WRESTLE-1、WRESTLE-1言うなら、俺も1つ言うぞ。WRESTLE-1のいい思い出なんて、何1つない!俺は同期が1人もいない。1人で雑用も全部こなした。なのに、デビューして、いい思いもせずに1年で団体は活動休止した。いい思い出なんてあるわけねぇだろ!やるなら勝手にやってろ」
この泥沼の愛憎劇を、外部から冷徹に、そして楽しげに煽り続けるのが王者・宮原健斗である。
凄まじいダメージを負いながらも、自身の仕掛けたゲームの行方を楽しんでいるかのようだった。

宮原「いやぁ、きついな…あぁ、あれはダメだ。あれを食らっちゃダメだ。羆嵐のダイビング・セントーンを食らったらもうダメだ。ダメだ、あの技を食らったら。ところで、かすかに聞こえたんだけども、3月20日八王子の元WRESTLE-1のセコンドは決まったのかね?」
――立花選手が名乗りを上げた。
宮原「立花って、あの立花?あれは元WRESTLE-1なの?じゃあ1人だけ?あとは?」
――河野選手は「スケジュールを確認する」と話していた。
宮原「誰、河野って?知らないよ、そんなの。あと、元WRESTLE-1って誰がいるの?今、出ている人で」
――本田選手は拒否していました。
宮原「本田も元WRESTLE-1なんだ。拒否?でも、3人って言ってるからね。あと誰がいるの?元WRESTLE-1って」
――全日本プロレスの中だと芦野選手も。
宮原「芦野?」
――あとは吉岡選手も。
宮原「吉岡?それは大丈夫なの?関係性的には。羆嵐と。俺、分からないら。WRESTLE-1時代のユニットとかそういうのは。芦野なんか無理でしょ?HAVOCでしょ。じゃあ何?本田竜輝は迷っているの?じゃあ、元WRESTLE-1は思い入れがないんだ。たぶんそういうことじゃないの。本人はなんて言ってるの?」
――「いい思い出が無い」と言っていた。
宮原「いい思い出が無い?元WRESTLE-1なのに?彼はデビューしたのWRESTLE-1でしょ。それなのにいい思い出がないの?それ、結構悲しいね。どうなんだろう?元WRESTLE-1ファンの人たちは。今、プロレス見てるの?どうなんだろうね。たださ、こんだけWRESTLE-1なんて名前が出たのは何十年ぶりぐらいでしょ。20年ぶりぐらい?だから、それだけさ、言葉自体が出るのが20年ぶりぐらいなんだからさ、WRESTLE-1を熱心に応援していたファンはさ、みんなでさ、同窓会を開けばいいんだよね、3月20日に。そういうの好きじゃんプロレスファンって。『久しぶり』とか言って、『あの頃はああだったね』とか。まぁ、どの団体で誰がいたか知らないけど。羆嵐よ、3月20日までもうカウントダウンは始まってるんだよ。ということは、立花が名乗り出たということは、あと2人か。用意しろ。いいな。正々堂々真っ向勝負でやるのは当たり前だ。セコンドを用意しろ。あと2人だ」
また、この抗争の渦中に巻き込まれる形となった安齊勇馬は、来るべき春の祭典を見据え、独自の道を歩む覚悟を示した。

安齊「今日も三冠前哨戦に組まれちゃったみたいなカード。いつもいつもいつも、ここ最近ずっとそうですけど、今日やっと抜けていたピースが揃ったかなと思うんで、全部許しましょう。チャンピオン・カーニバルのブロック分け発表されますけど、どんなブロック、誰と戦うことになっても、今年の春1番輝くのは俺に決まってます。今年の春は俺だけ見てろ」
過去を背負い結束する者、苦い記憶として切り捨てる者、そしてそれを外から冷徹に煽る絶対王者。
消滅した団体の幻影が全日本プロレスのリングで交錯する中、決戦の舞台となる3月20日八王子大会へ向け、それぞれの思いが限界まで高まっている。
<写真提供:全日本プロレス>
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