【新日本】Yuto-Ice&OSKARが熱戦制し毘沙門を逆指名! UEも乱入しタッグ戦線は三つ巴へ「カネになるプロのケンカ、これがオレのプロレスだ!」
新日本プロレスが春の祭典として開催する『SAKURA GENESIS 2026』が4月4日、東京・両国国技館で行われた。
そのセミファイナルに組まれたIWGPタッグ選手権試合は、単なるベルトの奪い合いを超えた、プロレスの在り方を問う激しいイデオロギー闘争の様相を呈した。
5度目の防衛を目指す王者組「Knock out brothers」のYuto-IceとOSKARに対し、挑戦者として名乗りを上げたのは、昨年のタッグリーグ覇者である「TMDK」のザック・セイバーJr.および大岩陵平のコンビである。

尼崎大会でのシングル戦で大岩陵平が勝利を収めた因縁から発展したこの一戦は、感情をむき出しにして本能でぶつかり合う王者組と、緻密なテクニックで相手を制圧しようとする挑戦者組という、対極のスタイルが真っ向から衝突する舞台となった。

試合は序盤から激しい打撃戦で幕を開けた。挑戦者組は大岩陵平を中心に、Yuto-Iceの左腕を徹底的に破壊する非情な関節技と打撃のコンビネーションを展開する。

対する王者組は、OSKARの規格外のパワーと、テーピングを自ら引き剥がして痛む左腕でエルボーを打ち返すYuto-Iceの意地でこれに応戦した。

終盤、大岩陵平が勝負を懸けた必殺のTHE GRIPを仕掛けるが、Yuto-Iceはカウンターの膝蹴りでこれを迎撃。
息もつかせぬ攻防の末、最後はYuto-IceがAMBITIONから必殺のCruellaを突き刺し、大岩陵平から完璧な3カウントを奪取。Knock out brothersが防衛回数を5に伸ばした。

激闘を制したYuto-Iceは、倒れ伏す大岩陵平を場外へ放り投げると、マイクを握りしめ、満員の観衆に向けて自身のプロレス観を熱く叫んだ。

Ice「やっぱよ、大嫌いなヤツを潰すのは気分がいいな!オレはよ、初めてプロレスを観た中坊の頃から変わらない!プロレスラーが一番ケンカが強い!プロレスラーはよ、プロのケンカ師なんだよ!レスラー、客、スタッフが、喜怒哀楽、生の感情をさらけ出して共有できる。そこによ、ファンのテメーらがカネを払う。カネになるプロのケンカ、これがオレのプロレスだ!オレはオレのままここまで来た、OSKARと一緒にな!この先も変わらない!オレが求めるのは強いヤツとカネ! そしてプロレスハイだけや!オマエらプロレスハイ中毒者どもも、オレのことが嫌いなヘイターどもも、無意識にプロレスハイを求めてるんじゃねえのか、オイ!そんじゃあよ、そんなオマエらに質問だ!次、オレらK.O.Bと誰が戦うのが観たい?オレらに勝てる要素があるタッグチームがおるか、オイ?アア、なんて? 聞こえねえよ、なんて言ってんだよ?じゃあ、次期挑戦者、逆指名しようか。毘沙門!」
この逆指名に対し、UNITED EMPIREのグレート-O-カーンとHENAREが乱入し、次期挑戦をアピール。

HENARE「いやいやいや、ビシャモンじゃない!俺たちはIWGPタッグ王者だったんだ。次の挑戦者としてふさわしい!グレート-O-カーンとHENARE、俺たちがオマエたちのプロレスハイを奪ってやる!“マナ”とUNITED EMPIREのために!」
Ice「そうやな、オマエもおったな、HENARE!オレもよ、オマエの“マナ”、受け取りてえな。オイ、観ろよ」
そこへ名指しされた毘沙門の後藤洋央紀も姿を現し、リング上は三つ巴の様相を呈した。

後藤「オレたちも、プロレスハイを味わってみたいと思ってたところだぜ!だが、プロレスハイは、簡単には味わえない。そうだろ?オマエらとは、オレたちが先にやってやるぜ!よく聞け、オイ!一番スゲーのは、毘沙門なんだよ!」

Ice「最高のプロレスハイやな!オレとOSKARはよ、逃げも隠れもしない!オマエらが納得するかたちで、挑戦しに来い!プロレスハイ中毒者どもはよ、オレが何いうか、もうわかっとんな、オイ!オメーらはよ、何も考えなくていい!ただ、感じろ!Let’s Get High!Big Up!」
闘争本能と欲望を隠そうとしない王者組は、バックステージでもその絶対的な自信と野望を言葉にした。

OSKAR「このプロレスハイを永遠に持ち上げ続ける。俺の脚がもぎ取られようと、やってみろ、俺は車椅子で来て、それでもお前たちをぶちのめす。今日、俺たちは、何があろうとK.O.Bが世界最高のタッグチームだということを示した。そして約束どおり次の挑戦者が現れた。誰を選ぶか?そうだ、やり合え。いいか、俺は長い間、ビシャモンとまたやりたいと思っていた。ずっと挑戦してこないから心配だったんだ。わかったよ。アイツらは負けるから怖がってるんだ。もうそんなに強くない。年を取りすぎている。俺たちは、もうとっくにアイツらを追い越してる。だからアイツらをぶっ倒す。グレート-O-カーン、HENAREよ、お前らは予選落ちだな。そうじゃなかったとしても、俺が頭をもぎってやる」

Ice「ちょっとよぉ、マジメな話しようか? カネになる話だ。勝ち負け以外にこだわる、勝ち負けプラス何かを求めてしまう、それが俺の考えだ。何でタイトルを獲りたいのか、獲った先に何があるのか。そこによぉ、ファンが夢を見んじゃねえのか、オイ?カネを払うんじゃねえのか、それで。6月9日、『DOMINION』、TV放送あるよな。どんだけのヤツが今、危機感を持ってる?1.4で視聴率がよかったのか、よくわからんけどよ、1.4東京ドームより視聴率が下がった場合はよぉ、打ち切りになるんじゃないか? 今後、放送がなくなるかもしれないんじゃないか?逆にチャンスとも思わないか?オイ。そのためにはよぉ、明確なビジョンがいるんじゃないのか、みんな?マスコミのテメーらもよぉ、少しだけでもよぉ、いいシノギ取りてえだろ? だったらよぉ、テメーら、プロレスハイに、俺らK.O.Bにベットしてみろよ。まあ、俺らが組まれるかわからんけどな。一人で金持ちになるよりよぉ、みんなで、大人数で動いた方がよ、カネが稼げるんじゃねえのか? 俺はよぉ、その一つとして、プロレスハイを与えてやるよ。大岩、お前とは合わねえな。全然合わないな。でもよぉ、なぜか気分がいいんだよ。何でかわかるか? 大っ嫌いなヤツをよ、ぶん殴ると気持ちいい、ただそれだけだ。ザック、俺ら2人に勝てないともう学んだろ? 次、いつシングルやるかわからんけどよ、そん時は胸貸してくれ。(※立ち上がって)毘沙門、EMPIRE。誰が来ても、どんな形であろうとも、俺らは逃げも隠れもしない。お前ら、ここに辿り着いたならば、プロレスハイを褒美として与えてやるよ。お前らはよぉ、何も考えなくていい。ただ、感じろ。Let’s get HIGH. BIG UP!!!!」
一方、敗れた挑戦者陣営のバックステージでは、スタイルへの矜持と葛藤が入り交じっていた。ザック・セイバーJr.は相棒を勝たせられなかった責任を口にしながらも、感情に流されずテクニックを貫くことの重要性を説いた。

ザック「すまない。俺は、俺は、お前自身に獲ってほしいと思っていたんだが、俺が出るべきだったんだろうな。コンビネーションの最後にその場にいられればと、足せればと思っていたんだが、OSKARはでかかった。すまない。押さえ込めるように努めたが、ブレーンバスターを決められてしまった。ただただゴメン、ゴメンダケ」
大岩「いやいや、ザックさん……」
ザック「俺がお前を王者にするはずだったのに。フロントマン失格だな。ベルトを獲れなかった」

大岩「(※ザックのコメント中に体を起こして座った状態になり)試合前はイデオロギー闘争とか、勝った方がプロレスだとか言ってたけど、負けた俺たちのこのレスリングはプロレスじゃねえのかよ。違えだろ。違えだろ。だからベルト獲って、俺のスタイルが、俺のスタイルこそがキング・オブ・スポーツ、新日本プロレスだって照明しなきゃいけない。また、ベルトを獲る理由ができました。ベルトを狙ってるのはそれだけじゃないけど。獲ってちゃんと言おうと思ってたけど」
ザック「(※大岩の足を軽く叩きながら)お前のバチバチスピリットを見られてよかった。でも、お前が、俺たちが負けたのはたぶん、お前がアイツと闘いたいと思ったからだ。ぶっ飛ばしたいと思ったんだろ。でも俺たちは技巧のサブミッションのことを考えるべきだった。お前はアイツの腕を折りそうだったじゃないか。あれがサブミッションだったら、王座を獲れていた。でも、俺は好きだよ。闘いたいというお前のことが。キングオブスポーツ。俺たちは技巧派だが、聖人なわけじゃない。だから闘うんだ。次に闘うときは、テクニックだ。いいな?」
大岩「イェアイェア」
ザック「集中しろ。(※大岩を抱き寄せながら)それでも誇りに思うよ。誇りに思う」
プロレスを「生の感情をぶつけ合うカネになるケンカ」と定義し、頂点に君臨し続ける王者組。
敗北を喫しながらも、自らのレスリングとテクニックこそが「キング・オブ・スポーツ」であると信じて疑わない挑戦者組。
両国国技館のリングで交錯した二つのイデオロギーは、決して交わることなく、新日本マットの闘いをさらに深く、熱いものへと昇華させていく。
<写真提供:新日本プロレス>
Pages 1 2














