“鉄人”小橋建太が『Fortune Dream 11』で証明したプロレス界『夢の連鎖』客席の少年がメインの舞台へ「これこそ本当のフォーチュンドリーム」

■「100年に一人の逸材」との交差点、響き渡るエアギター

『Fortune Dream』のもう一つの名物となっているのが、小橋建太によるスペシャルトークバトルである。

第11回目となる今大会、リング上で小橋と対峙したのは、今年1月に現役を引退したばかりの新日本プロレス社長、「100年に一人の逸材」棚橋弘至であった。

長年にわたり、選手として新日本プロレスという巨大な船を牽引してきた棚橋。

2000年代には、小橋とGHCタッグ王座を巡って激しい闘いを繰り広げた歴史もある。

団体のトップを走り続けた者同士にしか分からない重圧、プロレス界の未来への展望、そしてかつての激闘の裏話。リング上で交わされる言葉の数々は、プロレス大河ドラマの貴重な1ページであった。

トークの熱気が最高潮に達すると、観客からの熱烈なリクエストが飛び交う。

なんと、小橋と棚橋による奇跡の「ダブル・エアギター」の競演が披露されたのだ。

後楽園ホールを包み込んだ大歓声。時代を創り上げた二人の英雄が並び立つ姿に、涙腺を緩ませたオールドファンも決して少なくなかったはずだ。

 

■夢を見ていた少年がメインを飾る日。これぞ「Fortune Dream」

そして、今大会の神髄は、まさにメインイベントの結末に凝縮されていた。

秋山準、清宮海斗、小田嶋大樹組に対するは、拳王、タイタス・アレクサンダー、そして小橋のかつての付き人でもある谷口周平組。

この豪華な6人タッグマッチの中で、最も大きな輝きを放ち、大金星を挙げたのは、プロレスリング・ノアの若き獅子、小田嶋大樹であった。

激しい攻防の末、小田嶋が谷口周平から「回転地獄五輪パート1」で完璧なスリーカウントを奪い取ったのである。

歓喜に沸く超満員の後楽園ホール。

リング上でマイクを握った小橋建太は、自らの付き人であった谷口を破った若き勝者・小田嶋に向かって、熱く、そして優しい眼差しで語りかけた。

「頑張ってシングルチャンピオンになれよ」

そして、会場のファンに向けて、この興行が持つ「本当の意味」を高らかに宣言したのである。

「フォーチュンドリーム1を見ていた少年がフォーチュンドリーム11で、メインイベントを飾りました。これこそ本当のフォーチュンドリームだと思います」

会場を包み込む割れんばかりの拍手と、大タモンコール。

第1回大会を客席から目を輝かせて見ていた少年が、過酷な修行に耐えてプロレスラーとなり、憧れの小橋建太のリングで、メインイベントの勝利を飾る。

これ以上の美しい物語があるだろうか。プロレスというジャンルが持つ、世代を超えた夢の連鎖。

小橋建太という巨大な太陽が発した熱を浴びて育った種が、今まさに大輪の花を咲かせようとしているのだ。

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