【全日本】『CC』優勝候補・安齊勇馬を襲った春の悲劇! 右足負傷でわずか羆嵐に1分54秒TKO負け「悔しいと言う権利すらないと思ってる」

全日本プロレスは5月3日、春の祭典「チャンピオン・カーニバル2026」の第8戦となる栃木・ライトキューブ宇都宮大会を開催した。

同大会の第3試合に組まれたAブロック公式戦は、観衆が言葉を失うほどの衝撃的な結末を迎えた。

優勝予想の筆頭に挙げられていた若きホープ・安齊勇馬が、レフェリーストップによる無念のTKO負けを喫し、最終公式戦を待たずしてブロック突破が絶望的な状況に追い込まれたのである。

対戦相手の羆嵐は、現GAORA TV王者としての意地を見せ、前日の5月2日郡山大会では真霜拳號をダイビング・セントーンで粉砕。

開幕からの3連敗というどん底から見事に2連勝と息を吹き返し、大逆転での覇権奪取を狙って宇都宮のリングへと乗り込んできた。

一方の安齊勇馬も、同郡山大会で巨大なタロースから白星をもぎ取っていたが、その代償はあまりにも大きかった。テーピングが施された右足を引きずりながら入場する姿は痛々しく、誰の目にも満身創痍であることは明らかだった。

運命のゴングが鳴り響く。しかし、勝負の時間は残酷なほど短かった。

組み合った直後、安齊勇馬は激痛に耐えきれずキャンバスに崩れ落ちる。右足を抑えて苦悶の表情を浮かべながらも、気力を振り絞って立ち上がりエルボーを放ったが、勝負の世界は非情である。

羆嵐が弱点である右足に容赦のない集中砲火を浴びせると、のたうち回る安齊勇馬の姿を見たレフェリーが危険と判断し、即座に試合をストップした。

試合時間わずか1分54秒。呆気なくも凄惨な幕切れに、会場内は騒然とした空気に包まれた。

この瞬間、羆嵐は3勝3敗の星取り五分となり勝ち点を6に伸ばす一方で、勝ち点5に留まった安齊勇馬は、過酷なリーグ戦からの脱落が決定的なものとなった。

試合後、バックステージに戻った勝者と敗者は、あまりにも対照的な姿を見せた。

3連敗からの3勝目で望みをつないだ羆嵐は、相手のアクシデントに戸惑いを見せつつも、リング上の闘いにおいて情けは無用と言わんばかりの勝負師の顔を覗かせた。

「よし。3勝目か。どうした安齊?なにがあった?ちょっとよくわかんねぇけど、貴重な勝ち点2、勝ち取ったから」と振り返った羆嵐は、不完全燃焼に終わった結末に対し「もっとね、本当は安齊とじっくりやって叩きのめして、がっちり3つ取ってやりたかったけどな」と本音を吐露する。

それでも「また体調よくなったら、安齊やろうぜ。早く治せよ。待ってるぞ」と手負いの相手へ再戦の約束を投げかけた。

そして、大逆転でのブロック突破へ向けて「人のことをな、心配してる場合じゃないんだよ。行くぞ、おい。優勝するぞ、羆嵐。羆嵐から目を離すなよ。よく見とけよ。ハー!」と雄叫びを上げ、自身の快進撃を強烈にアピールした。

一方、足を引きずりながら引き揚げてきた安齊勇馬の背中には、言葉にできないほどの絶望感が漂っていた。下馬評で高い期待を集めながら、自身の肉体の限界により戦線離脱を余儀なくされた事実が、心を激しく苛んでいた。

「あぁ…これで俺のチャンピオン・カーニバル終わり…。悔しい、悔しいけど、悔しいと言う権利すらないと思ってる」と自嘲気味に絞り出した安齊勇馬。その瞳には無念の色が色濃く浮かぶ。

「優勝予想1位で期待してもらったのに、本当に…とにかく応援してくれた人、期待した人に本当に申し訳ないです。すみませんでした」と、最後までファンへの謝罪と自責の念を口にし続けた。

華やかな春の祭典の裏側で突きつけられた、プロレスラーという職業の過酷な現実。

勝敗の明暗が色濃く刻まれた宇都宮の夜は、両者のこの先のキャリアにおいて決して忘れることのできないターニングポイントとなるだろう。

<写真提供:全日本プロレス>

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