「チャンカー」か「チャンカン」か 春の祭典がフィナーレ 勝つのは誰だ?

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

安齊勇馬、斉藤ジュンの負傷リタイア、優勝者決定トーナメント出場者決定戦にまでもつれ込んだAブロック…波乱続きの「春の祭典」チャンピオン・カーニバル(C・C)を締めくくるのは?

全日本プロレスC・C2026」も残すは5月17日、東京・大田区総合体育館大会の優勝決定戦。決勝トーナメント準決勝は、潮﨑豪(Aブロック1位)vs菊田円(Bブロック2位)、斉藤レイ(Aブロック2位)vs鈴木秀樹(Bブロック1位)で争われる。

注目は2連覇を狙うレイだろう。C・Cで連覇を果たしたのはジャイアント馬場(1973、74、75年、77、78年、81、82年)スタン・ハンセン(92、93年)鈴木みのる(2009、10年)の3人のみ。レイがV2を果たせば4人目の快挙となる。

兄ジュンとの斉藤兄弟で全国区の人気を誇っていたが、このところ、どちらかが欠場していることもしばしば。なかなか二人揃って、とはいかなかった。今年のC・Cでも兄弟による決勝戦が期待されていたが、ジュンは眼窩低骨折のため途中リタイアしてしまった。

長期欠場やむなし、と思われていたが、何と5・17大田大会で復帰が決定した。レイも「正直思った以上の超人。嬉しい」と驚きながらも喜びを隠せない。

三冠王座取りではジュンに先を越されたが、兄よりも早くC・C制覇を成し遂げた。史上4人目のC・C連覇となれば、斉藤兄弟の出世競争でも兄に追いつける。

二人が競い合ってこその斉藤兄弟であり、王道マットがより輝くというもの。6月6日には二人の出身地、宮城県角田市での凱旋興行も控えている。C・C連覇という勲章を何としても持ち帰りたいところだ。

準決勝の相手は奇しくも昨年と同じ鈴木秀樹だが「張り倒すのみ」とデジャブを予告する。優勝大トロフィーを掲げ、ジュンをリングに呼び込みたいところだ。

当初は双子らしくジュンとレイを見分けるのもなかなか大変だったが、今では二人の個性が際立っており、シュッとしたジュンに対してレイはどっしり。持ち前のパワーで鈴木秀樹そして決勝戦を連勝して連覇あるのみ。

「出たり入ったり、出たり入ったり」の潮崎もC・C初制覇への意欲満々。11年ぶりの出場で悲願達成を目指している。

ノアからの出戻りには一部から厳しい視線もあびせられたが、5・5後楽園ホール大会のオデッセイとの公式戦、タロースとのプレーオフと、巨漢外国人との1日2試合を始め、C・Cで披露した粘りのファイトでファンの心をつかみ取っている。

「全日本プロレス最強」とマイクで締めくくり喝采を集めた。「最強」を目指す猛者たちが集結した王道リングで、最強の座にあと一歩にまで迫った充実感と満足感に浸ったようだ。

脇腹だけでなく満身創痍だが、5・5決戦から5・17決戦までオフに恵まれた。一日2試合も5・5決戦で体験済み。コンディション調整もお手のものだろう。

「アイアム・ノア」に続いて「アイアム・全日本」と叫べるか。潮﨑の咆哮を聞いてみたい。

もちろん「優勝しかない」と繰り返してきた鈴木秀樹に、DORAGON GATEのナンバー1の証しであるオープン・ザ・ドリームゲート王座を保持する菊田も、絶対に負けられない闘いに臨む覚悟を決めている。

チャンピオン・カーニバルは、多くの名勝負を生んだ全日本の歴史ある目玉シリーズ。昭和の時代、全日本ファンは「チャンカー」と言い、新日本支持者は「チャンカン」と呼ぶことが多かった。他団体の動向を気にすることは少なかった新日本マニアも、チャンカンには関心を示していた。それほど重要なものだ。

新日本プロレスノアの最強の座には、外国人王者が君臨している。王道・全日本の現時点での最強の男は誰か、三冠王者・宮原健斗のノド元に刃を突きつけつる選手は? ベスト4に勝ち残った4人はすべて日本人。超大型外国人勢が参戦したサバイバルレースを生き残った4人の誰が勝っても、その座はとてつもなく重い。(敬称略)

<写真提供:全日本プロレス>

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