【新日本】『BOSJ』最多出場22回の田口隆祐がバリエンテ・ジュニア負傷で無敗キープ「全勝優勝に一つ近づいたんで」

新日本プロレスが主催するジュニアの祭典『BEST OF THE SUPER Jr.33』の第3戦が5月17日、東京・国立代々木競技場・第二体育館にて行われた。

過酷な連戦が続くリーグ戦において、負傷などのアクシデントは常に隣り合わせである。

第3試合に組まれたAブロック公式戦では、その残酷なプロレスの現実が浮き彫りとなる結末が待っていた。

前人未到の22回という最多出場記録を更新し続けるベテラン・田口隆祐と、メキシコCMLLから初来日を果たした新鋭・バリエンテ・ジュニアの一戦。

年齢差が大きく離れた両者の対戦は、開始直後こそ互いに前転受け身を披露し合うなど、静かな立ち上がりを見せた。

しかし、ロープワークの攻防からルチャドール特有の軽快な跳躍を見せたバリエンテ・ジュニアが、マットへ着地した瞬間に膝を押さえて倒れ込んでしまう。

事態の深刻さを瞬時に察知したレフェリーが即座に試合をストップし、田口隆祐のアクシデントによるTKO勝利が告げられた。

自力で歩行できないバリエンテ・ジュニアは、田口隆祐のセコンドに就いていた松本達哉の肩を借りて無念の退場となった。

不測の事態に静まり返る場内の空気を和ませるべく、勝者はリング上で得意のダンスを披露してから控室へと歩を進めた。

バックステージに姿を現した田口隆祐の表情には、複雑な感情が入り混じっていた。

開幕から無傷の連勝を飾っており、この日も好調を維持してリングに上がっていただけに、不完全燃焼であることは想像に難くない。

しかし、酸いも甘いも噛み分けてきた新日本ジュニアの生き字引は、対戦相手の負傷というデリケートな事象に対し、プロレスラーとしての冷静な視点から言葉を紡ぎ始めた。

「ちょっとアクシデントですけど、せっかく今日もね、しっかり勝って。まあ……ハイ、優勝……まあちょっと(相手の)ケガなんで、あんまり素直に喜べないところがあるんですけど」

若き才能が突如として戦線離脱の危機に瀕したことへの配慮を見せつつも、過酷な星取り合戦において「結果」が全てであることも熟知している。

勝負の世界の厳しさを噛み締めるように、田口隆祐は自らに言い聞かせるように言葉を継いだ。

「まあ、勝ちは勝ちなんで。3勝、ハイ……また一つ。全勝優勝に一つ近づいたんで」

意図せぬ形であれ、これで無傷の3連勝となった。

普段はユーモア溢れる言動でファンを大いに沸かせる田口隆祐だが、この日は静かな闘志を隠そうとはしなかった。

最後に残した言葉には、大ベテランの奥底に眠る強烈な野心が込められていた。

「まあ、あんまり似合わないことを言わないようにしてますけど、全勝優勝なんじゃないですか?」

自らのキャラクターを客観視した上で飛び出した「全勝優勝」という力強い宣言。

不測の事態すらも飲み込み、頂点だけを見据える田口隆祐の凄みが垣間見えた瞬間であった。

なお、負傷したバリエンテ・ジュニアは無念のノーコメントとなっている。

<写真提供:新日本プロレス>

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