【新日本】「男に二言はねえ」田口隆祐が敗北を受け入れ『ミスター中分け』襲名!藤田晃生は「この汗がマジ緊張感を物語ってる」

新日本プロレスは5月24日(日)、京都・KBSホールにて『BEST OF THE SUPER Jr.33』第7戦を開催した。

プロレスのリングには、時にチャンピオンベルト以上の意地とプライドを懸けた闘いが存在する。

Aブロック公式戦の第7試合に組まれたのは、前日のバックステージでの舌戦から発展した「右分け・コントラ・左分け、負けたら即『中分け』デスマッチ」という前代未聞の完全決着戦であった。

右分けにこだわり、クシとジェルを持参したベテラン・田口隆祐。

対するは、左分けのアイデンティティを守るべく、同じく整髪料を手に入場した前年度覇者・藤田晃生。

試合は、そのコミカルな背景とは裏腹に、互いの意地がぶつかり合う極度の神経戦となった。

場外での追いかけっこや心理戦を交えつつ、田口隆祐はオーマイアンドガーアンクルなどの高度な関節技で若き王者を追い詰めていく。

しかし、勝負を決したのは一瞬の機転であった。

ヒップアタックを放った田口隆祐を空中で受け止めた藤田晃生は、そのまま相手のタイツを強く掴んで強引に押さえ込む。

タイツがずり下がり、臀部があらわになるという予測不能なアクシデントを伴いながらも、レフェリーの手は3度マットを叩いた。

試合後、抗議する田口隆祐をよそに、勝者である藤田晃生は持参したジェルとクシを使い、約束通り敗者の髪を無情にもセンター分けへとセットアップして勝ち名乗りを受けた。

バックステージに現れた田口隆祐は、予想外の敗戦と自身の無惨な姿に悔しさを滲ませながらも、プロレスラーとしての潔さを見せた。

「オイ、藤田……晃生、こうちゃんよ、こ~ちゃんよ、そういうやり方か。クソー! しかし、男は、男に二言はねえだろう!」

自ら提案した条件を反故にすることは許されない。法的な起算日の考え方まで持ち出し、ペナルティの期間を厳格に宣言した。

「起算日不算入? 明日だ。翌日から起算日、8月1日までキッチリ69日間、中分けで過ごさせていただきます」

これで星取の上でも3勝3敗の五分となった事実を受け入れつつ、この敗戦を単なる汚点ではなく、新たなキャラクターの誕生へと昇華させてみせる。

「中分けレスラー! そう、中分けレスラーのパイオニアとして頑張っていきます。“ファンキーウェポン”改め“ミスター中分け”……田口隆祐、どうぞよろしくお願いします」

長年親しまれた愛称すら捨て去る覚悟を示し、最後は「これはしょうがない。許してやろう」と半ばやけくそ気味に叫んで控室へと消えた。

一方、激闘を制して自身の髪型を守り抜いた藤田晃生は、全身から吹き出す汗を拭いながら、この一戦がいかに過酷であったかを熱弁した。

「ねえ、見た? ねえ、この汗がマジ緊張感を物語ってるからね。持ってる物は超一級品。極められる可能性もありました。ただ、“右分けコントラ左分け、負ければ即中分け”、勝ちました」

コミカルな土俵に引きずり込まれながらも、ベテランの確かな技術に冷や汗をかかされた事実を率直に認める。

そして、対戦相手の改名宣言を聞き及ぶと、満面の笑みを浮かべた。

「ハハハハ! 決まりね。記録しといてよ。8月1日までだからね。ファンキーウェポンを変えて、ミスター中分けにするぐらいの大事な一戦だったってことですよ」

ふざけたルールの裏側にある、プロとしての本気度。

前年度覇者としての威厳と振り幅の広さを見せつけ、次なる戦いへ向けて充実感を漂わせた。

「ふざけてると思ってるっしょ。マジでやってるからね。この汗の量。もう本気。めちゃめちゃ緊張感ありました。観てる人も俺たちがどれだけ本気だったか分かるでしょう。田口隆祐とは、タグっちゃんとはまだまだ続くからね」

笑いと緊張感が同居した異色のコントラマッチは、ミスター中分けの誕生という歴史的な結末を迎えた。

リーグ戦の行方と共に、8月1日までの田口隆祐の頭髪からも目が離せない。

<写真提供:新日本プロレス>

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