【新日本】試合後のグータッチが物語る2人の歴史。ロビー・イーグルスが石森太二との技術戦を制し星を五分に「お前は俺のセンパイだ。だから尊敬してる」
新日本プロレスは5月27日(水)、静岡・キラメッセぬまづにて『BEST OF THE SUPER Jr.33』第8戦を開催した。
Bブロック公式戦のセミファイナルは、かつてタッグチームを結成していた盟友同士が激突する、エモーショナルな一戦となった。
勝ち点6で上位を走る石森太二と、2勝3敗で後がないロビー・イーグルス。
互いの手の内を知り尽くした両雄による高度な技術戦は、静かなる殺気を孕んでいた。

試合はサイファーウタキやBone Lockなど、首と腕を冷酷に攻め立てる石森太二に対し、ロビー・イーグルスが619やトペ・コンヒーロで応戦する展開となった。

勝負の分かれ目は、執拗な脚攻めにあった。

石森太二のブラディークロスを回避したロビー・イーグルスは、両膝を相手の左膝に落とす非情な一撃からワープ4.5を炸裂させ、すかさず伝家の宝刀ロン・ミラー・スペシャルで捕獲。

激痛に耐えかねた石森太二から、執念のギブアップを奪い取った。
試合後、かつての盟友は互いの健闘を称え合い、リング上で静かに拳を突き合わせた。

激闘を終えたロビー・イーグルスは、この一戦に懸けていた特別な思いを、母国オーストラリアの国民的スポーツであるラグビーのビッグマッチになぞらえて語った。
「今日はオーストラリアですごく大事なラグビーの試合、“ステート・オブ・オリジン”がある。(中略)“仲間vs仲間”“ステート・オブ・オリジン”もあったから、俺はそれをリストテープに書いてきた」
バンテージに刻まれた文字は、かつて同じコーナーに立ち、長い歴史を共有してきた石森太二への敬意の表れであった。
そして、現在「Unbound Co.」の一員として新たな道を歩む先輩に対し、手放しの賛辞を送った。
「お前は色を変えて、Unbound Co.に入って更生したんだろう。エル・ファンタズモの後ろを仔犬みたいに着いて回っていた頃のお前とは違う。(中略)お前はもう、ちゃんと“自分”を持っている。お前は俺のセンパイだ。だから尊敬してる」
過去の姿と比較し、現在の石森太二がいかにプロレスラーとして自立し、強大な脅威であるかを認めた上での勝利。
その事実は、崖っぷちから星を五分に戻したスナイパーに、絶大な自信を与えている。
「この2点はお前のものではなく、俺のものだ。ということで、次は……ササキサン。お前がどれだけイケてるのか、見せてもらおうじゃないか」
次戦の佐々木大輔戦へ向け、「どんな代償を払ってでも、全部勝つぞ」と逆転でのブロック突破を力強く宣言した。

一方、左膝をアイシングしながらフロアに崩れ落ちた石森太二は、激闘の充実感と敗北の悔しさが入り交じった複雑な心境を吐露した。
「負けたか……。ロビー・イーグルス……楽しかったけどよ、でも、楽しんだら、いいことじゃねえ。勝たなけりゃ意味がねえんだよ」
勝負の世界の厳しさを誰よりも知るベテランは、この敗戦で3勝3敗となり、後がない状況に追い込まれた事実を重く受け止めている。
しかし、その瞳から闘志が消えることはない。
「俺は……3敗目? ちょっと追い込まれた状況になったけどよ、でも、俺はあきらめねえよ。あきらめてたまるかよ」
かつての相棒と交わした拳の記憶と痛みを胸に、石森太二は残りの公式戦へ向けて執念を燃やす。
「仲間同士の闘い」を体現した両者の交錯は、過酷なリーグ戦の中にあって、プロレスが紡ぐ人間ドラマの深さを改めて証明した。
<写真提供:新日本プロレス>














