【新日本】裸足の奇策も通じず。KUSHIDAがエル・デスペラードのピンチェ・ロコに沈みリーグ戦敗退「新日本プロレス・ジュニアが生み出した最高傑作のひとりだよ!」
新日本プロレスは5月30日(土)、富山・高岡テクノドームにて『BEST OF THE SUPER Jr.33』第10戦を開催した。
セミファイナルに組まれたAブロック公式戦は、2018年以来の顔合わせとなるエル・デスペラードとKUSHIDAの遭遇であった。
過去の公式戦ではKUSHIDAが勝利を収めており、エル・デスペラードにとっては雪辱戦となる。
一方、星取が2勝4敗のKUSHIDAはこの試合に敗れれば負け越しとリーグ戦脱落が決定するという、背水の陣で臨む一戦であった。

試合は、開始前から裸足となったKUSHIDAに対し、エル・デスペラードが徹底した左膝への集中攻撃を仕掛ける展開で幕を開けた。

場外での非情なイス攻撃なども飛び出す中、両者はグラウンドでの緻密なリストの取り合いやヘッドロックの応酬で観客を唸らせる。
中盤には、KUSHIDAが自身のつま先を相手の口に突っ込むという奇策に出れば、エル・デスペラードも指折りで報復するなど、なりふり構わぬ意地のぶつかり合いへと発展した。

終盤、KUSHIDAがホバーボードロックやバックトゥザフューチャーで一気に勝負を懸けるが、エル・デスペラードはこれをことごとく凌ぎ切る。

最後は垂直落下式リバース・タイガードライバーで脳天から突き刺し、そのまま死死のピンチェ・ロコを完璧に決めてスリーカウントを奪取。
自身の星を5勝2敗に伸ばすとともに、かつて敗れた相手から完全な形での勝利を収めた。

激闘を終えてバックステージに姿を現した勝者は、試合中に見舞われた足の指を口に入れられる攻防についてボヤきながらも、どこか充実感を漂わせていた。
「人に足ナメさす趣味も、ナメる趣味もねえんだわ。そういう特殊性癖は、別のところでお金払ってやってください。俺じゃないよ!」
そう苦笑いを浮かべた後、話題は2018年の敗戦へと移る。
過去の悔恨を忘れることなく、執念深く自己を磨き上げてきた道のりを率直な言葉で明かした。
「俺はさ、結構ネチっこい性格してるのは知ってるでしょ? だから、過去の俺がやった失敗っていうのはなかなか忘れないんだよ。“上書き”できないと、いろんなことって」
過去の敗北という「失敗」を胸に刻み、それを乗り越えようと藻掻いてきたからこそ、今の確固たる地位がある。
「少なくとも俺は、その経験があったから、俺はいまこの試合のレベルを保ててると、胸張って言える。アレは必要だったんだ、俺にとって。KUSHIDA、俺にとって必要な相手だ!」
過去の因縁を自らの実力で見事に上書きし、対戦相手への最大限の賛辞で締めくくった。

一方、痛恨の敗戦により負け越しが決まり、決勝トーナメント進出の望みが完全に絶たれたKUSHIDA。
コメントスペースでは、脱落という厳しい現実を真っ直ぐに受け止めていた。
「終わっちまったーッ……!俺の『BEST OF THE SUPER Jr.』2026! 終わりました! 脱落ッ!」
しかし、その表情に悲愴感はない。百戦錬磨のベテランは、残された公式戦に目を向け、ベテランならではの新たな闘いのテーマを見出していた。
「“開幕戦”金丸義信! “最終戦”石森太二!『BEST OF THE SUPER OVER 40歳』開幕だ。こんなところで、旅を終わらせてたまるか! ああ!?」
次戦以降に待ち受ける同世代の猛者たちとの対決を「40歳以上の闘い」と位置づけ、プロレスラーとしての矜持を奮い立たせる。
そして最後に、自身を打ち破ったエル・デスペラードへ向けて惜しみない敬意を表した。
「デスペラード!……尊敬してるよ、尊敬! 新日本プロレス・ジュニアが、生み出した、最高傑作のひとりだよ!」
かつてしのぎを削った男の進化を「最高傑作」と称え、自らも新たな旅の続きへと足を踏み出す。
富山の夜に交錯した両者の軌跡は、新日本ジュニアの歴史の深さと、レスラーの生き様を色濃く反映するものであった。
<写真提供:新日本プロレス>
Pages 1 2














