【新日本】掟破りの強引G MY WAY!田口隆祐がデスマッチのカリスマを丸め込み「チョー気持ちいい!」敗れた葛西純は「立ち直れねえだろ、こんな負け方」

新日本プロレスのジュニアの祭典『BEST OF THE SUPER Jr.33』第12戦が6月3日(水)、東京・後楽園ホールで開催された。

Aブロック公式戦の第8試合は、プロレスという競技の懐の深さを存分に証明する異次元の遭遇であった。

今大会で獣神サンダー・ライガーと並ぶ最多22回目の出場を果たした田口隆祐と、デスマッチのカリスマとして国内外で恐れられるプロレスリングFREEDOMSの葛西純。

すでに敗退が決まっている生え抜きのベテランと、決勝進出の可能性を残して他団体から乗り込んできたハードコアファイター。

全く異なるプロレス道を歩んできた両者の初対峙は、笑いと狂気が交錯する予測不能な空間を生み出した。

田口隆祐は葛西純の凶器スタイルに対抗するためか、あえて小さな2段ラダーを持参して入場する。

さらには試合中、突如として水中キャップと水中ゴーグルを装着し、ヤングライオンたちにラダーを支えさせながらヒップドロップを放つという奇策に出た。

対する葛西純もこの独特のペースに巻き込まれつつ、竹串を田口隆祐の頭部に突き立て、臀部には注射器を突き刺すという容赦のないデスマッチの洗礼を浴びせる。

エルボーの打ち合いでは互いに「気持ちいいぜ!」と絶叫し、奇妙な共鳴を見せた。

フィナーレはあまりにも意外な形で訪れる。

葛西純が今シリーズで新日本の若手たちを次々と葬ってきた必殺の丸め込み技「強引G MY WAY」を狙った瞬間、田口隆祐がキチンシンクで切り返し、なんと掟破りの「強引G MY WAY」を敢行。

一瞬の虚を突かれたカリスマは肩を上げることができず、スリーカウントを聞くこととなった。

試合後、放送席で自身の星取り状況を確認した葛西純は、セコンドの中原大誠を鉄柱に打ちつけて怒りを爆発させ、リングを後にした。

バックステージに現れた勝者は、持参した2段ラダーの横で水中キャップとゴーグルを身に着けたまま膝をつき、某金メダリストを彷彿とさせる言葉で歓喜を表現した。

「あー……。チョー気持ちいい! チョー気持ちいい! 知らない世界に足を踏み入れて、その上で、素晴らしい技、強引G MY WAY、素晴らしい技で、1・2・3」

そして、コミカルな小道具と思われていた「小さいラダー」に込められた、全世界のプロレスラーへ向けた安全管理への真摯なメッセージを熱弁し始めた。

「ラダー問題も、ひとまず、これで決着でしょう。だって、こんな小っちゃいラダーでも、危ないからね。グラグラするんだから。何でも、押さえなきゃ、ダメなんだよね。それがわかったでしょ?」

近年プロレス界で議論を呼ぶラダーマッチの危険性に対し、最も安全かつ論理的な答えを提示する。

「2段のラダーでもね、危ないから。押さえるのがイヤなら、一番安全な2段を使えばいいでしょう。それが私からの、全レスラーへの、全世界のレスラーへの、一つの答えです」

さらに、異ジャンルのカリスマと直接肌を合わせたことで、デスマッチという競技への深いリスペクトと、自身のルーツへの変わらぬ愛着を言葉にした。

「デスマッチ、僕にはできないです。怖いです。でもそれを平然とやってる、平気でやってる、命懸けてやってる。デスマッチもプロレスです。すごいと思います。でも僕は新日本プロレスのプロレスが好きなので、これからも引退するまで新日本プロレス一筋です。ジュニア一筋です」

一方、自らの開発した技で屈辱的な敗戦を喫した葛西純は、意気消沈した様子でコメントスペースに現れた。

「あー! あ? 最後の技、何、アレ? 強引G MY WAYだろ、アレ?」

新日本の生え抜きである藤田晃生、マスター・ワト、永井大貴から立て続けに勝利を奪ってきた秘密兵器。

それがアダとなってベテランに足元をすくわれるとは夢にも思わなかったのだろう。

「新日本の生え抜きの、藤田、永井、ワト、この3人から3つ獲ってきた強引G MY WAYだろ、アレ? それで俺っち獲られたの? 立ち直れねえだろ、こんな負け方。えぇ~? 何もねえっす……」

ショックのあまり言葉を失い、静かに手を振ってその場を後にした。

デスマッチの狂気すらも自身の土俵に引きずり込み、熟練のインサイドワークでカリスマを手玉に取った田口隆祐。

新日本ジュニアの伝統と誇りを守り抜いた、痛快な後楽園の夜であった。

<写真提供:新日本プロレス>

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