【AEW】Sareeeは米国マットの厳格基準の前に無念のドクターストップ「必ずここに戻って来て大活躍したい」彩羽匠の代打出場も幻に

米国のプロレス団体AEWが敷くメディカルチェックの壁は、あまりにも厚く、そして厳格であった。

新天地での劇的な復活劇となるはずだったSareeeのAEW参戦が、直前で白紙となる波乱が起きた。

長年のダメージの蓄積から首の治療に専念するため、5月13日よりリングから遠ざかっていたSareee。

復帰の舞台として用意されていたのは、10日(日本時間11日)にオハイオ州シンシナティで開催される「AEW DYNAMITE」でのオーエン・ハート杯女子トーナメント準々決勝、スカイ・ブルー戦であった。

しかし、米国マット特有の徹底した医療監査が、ゴーサインを出すことはなかった。

団体側が実施した直前のメディカルチェックにより、無念のドクターストップという結末が下されたのである。

欠場の事実は、AEWを率いるトニー・カーン社長の公式X(旧Twitter)への動画投稿という形で全世界へアナウンスされた。

動画内には、AEW所属の中澤マイケルを通訳として伴い、重い口を開くSareeeの姿があった。

大舞台を目前にしてリングに上がれない絶望感の中、カメラの前に立ったSareeeは「私は本当にAEWの女子トーナメントに出場するために今日米国に来たんですけど」と、現地入りまで果たしながらの欠場劇であった経緯を説明。

「医師からの許可が下りずに欠場することとなりました。AEWファンの皆さん、楽しみにしてくださってた方に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、日米のファンに向けて痛切な謝罪の言葉を紡いだ。

それでも、世界を見据えるプロレスラーとしての闘志の火は消えていない。

失意のどん底にありながらも「次、このチャンスをいただけるとしたら必ずここに戻って来て大活躍したいと思います」と、近い将来のAEWマット再上陸を力強く宣言。

その強い決意を証明するかのように、カーン社長と固い握手を交わして映像は締めくくられた。

今回の米国遠征において、Sareeeは最悪の事態を想定した「保険」を用意していた。

渡米前の段階で「首はまだ万全とは言えません」と自身の状態を冷静に見極めており、海を渡る機内には一人の頼もしい顔があった。「私の最強のライバルであり、最高のタッグパートナーでもある」と全幅の信頼を寄せる、彩羽匠である。

不測の事態に備え、サポート役および緊急時の「代打」として彩羽匠を帯同させるという、女子プロレス界の絆を感じさせる異例のバックアップ体制を敷いていた。

しかし、AEWの運営陣が下した決断は、同伴者のスライド出場というドラマチックな展開ではなく、急遽マヤ・ワールドをトーナメントの代替選手として抜擢するというドライなものであった。

これにより、彩羽匠のAEW電撃参戦というプランも完全に消滅することとなった。

厳格なルールとプロトコルによって守られる選手の安全第一主義。

それは世界最高峰のリングたるゆえんであるが、入念な準備をして海を渡った和製ファイターたちにとっては、あまりにも残酷な結末であった。

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