【新日本】金メダリストの底力!ウルフアロンが介入・反則をパワーで粉砕し成田蓮からNEVER王座を奪還!デビュー半年の集大成を示し“G1参戦”へ強烈アピール「ほかの人と同じペースではダメ」

新日本プロレスの上半期を締めくくる一大決戦『DOMINION 6.14 in OSAKA-JO HALL』が、6月14日に大阪城ホールで開催された。

6つのタイトルマッチがひしめく激闘のカードの中で、第51代NEVER無差別級王者・成田蓮と、前王者であるウルフアロンの遺恨清算マッチが行われた。

ウルフは今年1月4日の東京ドーム大会という大舞台でデビュー戦を飾り、EVILを撃破して即座にNEVER王座を戴冠するという離れ業をやってのけた。

しかし、喜びも束の間、2月11日の大阪大会ではHOUSE OF TORTURE(以下、H.O.T)の悪辣な介入に屈し、成田にベルトを奪われてしまう。

その後もH.O.Tとの抗争に身を投じ、5.3福岡大会ではドン・ファレとの一騎打ちを制して勢いを取り戻す。

そして、成田の無法戦法によって王座奪取の夢を絶たれたボルチン・オレッグの無念を晴らすべく、ついに成田へのリターンマッチへと漕ぎ着けたのである。

試合は、ゴングを待たずに成田が急襲を仕掛ける荒れ模様のスタートとなった。

場外でウルフを鉄柵やイスで痛めつけると、すぐさまH.O.Tの裕二郎、金丸、東郷が介入し、イス攻撃の雨を降らせる。

リングに戻ってからも、成田はウルフの膝を徹底的に破壊すべく、飛びつき膝十字固めで容赦なく攻め立てた。

ウルフは持ち前のパワーと柔道仕込みの背負い投げで反撃を試みるが、成田はレフェリーを盾にしてこれを阻止。

その隙を突き、金丸の低空ドロップキックや裕二郎のケイン攻撃など、H.O.Tの無法地帯が展開される。

しかし、ウルフは強靭なフィジカルで状況を打破。

金丸と裕二郎を同士討ちにさせ、東郷や成田には次々と一本背負いを炸裂させて反撃の狼煙を上げた。

中盤、ウルフがブレーンバスターやランニングエルボードロップでペースを握るも、成田は狡猾にグラウンドへと引きずり込み、フロントネックロックで捕獲。

これを力技で切り抜けたウルフが変型トーチャーラックボムや逆三角絞めで逆襲に出るが、H.O.Tの悪夢は終わらない。

レフェリーのブラインドを突いて東郷がスポイラーズチョーカーでウルフの首を絞め上げ、リング上は再びH.O.Tの独壇場と化す。

絶対絶命のピンチに陥ったウルフを救ったのは、TAKESHITAと矢野通であった。

身を挺して乱入者を排除し、H.O.Tの面々をバックステージへと強制退去させたのだ。

孤立した成田は再びレフェリーを盾にしようとするが、怒れるウルフは蹴り脚をキャッチして豪快に投げ捨てる。

エルボーの連打からリバースアングルスラムと畳み掛け、必殺のアングルスラムを狙うが、成田は急所蹴りからのダブルクロスで執念の反撃を見せ、カウント2まで追い込んだ。

さらに成田は、クロス式膝十字固めでウルフの足を破壊しにかかる。

ギブアップ寸前まで追い込まれたウルフであったが、気力を振り絞ってロープエスケープ。

ダメージを引きずりながらも、底知れぬ怪力でパワースラムを放ち成田の動きを止めると、最後は渾身の裏投げから必殺のアングルスラムへと繋ぎ、完璧な3カウントを奪取。

血塗られた因縁の連鎖を断ち切り、無差別級の至宝を取り戻した。

試合後、ウルフは奪還したNEVERのベルトを両手で高々と掲げ、大阪城ホールを揺るがす大歓声に応えた。

バックステージに戻った新王者は、安堵の表情を見せつつも、自身の現在地を冷静に見つめていた。

「なんとか2月に奪われたベルトを取り返すことができました。ただ、これは僕1人の力だけではない。助けに来てくれた矢野さん、TAKESHITAさんに助けられて獲ることができた。勝った実感はありますけど、1人で闘い抜くっていう僕が目指すプロレスラー像には、いまだ近すぎずっていう形で終わってしまった。次に対しての課題が見つかった」

仲間への感謝と同時に、自立したレスラーとしての課題を口にするウルフ。しかし、デビューから半年間で失ったものを取り戻したという事実には、確かな手応えを感じていた。

「上半期の総決算というところで、取られたものを取り返すっていう目標がすべて達成できたのは、しっかりやってきてよかった。その1点に尽きるかなと」

そして、話題は目前に迫る真夏の祭典へと移る。試合前に発表された『G1 CLIMAX』のエントリー選手の中に、自身の名前はなかった。

「もちろん、“今年始めたヤツがすぐに出れるか”っていう意見もあるのは承知の上です。でも、トップを目指すのはいいことだと思いますし、今回の試合を上の方たちに見てもらって、“ウルフなら出しても大丈夫だ”と思っていただけたらうれしい。出れるからには全力を尽くしたい」

遅咲きのデビューであることを自覚しているからこそ、成長への渇望は誰よりも強い。

「今の若手は高校や大学を卒業して入るわけですが、僕はもう今年31になる歳なので、ほかの人と同じペースでやってれば早く終わりがきてしまう。ステップアップしていくスピードは速くないとダメ。だからこそ今年は『G1 CLIMAX』に出て、たくさんの人と試合をして学びたいという気持ちの方が強いです」

一方、壮絶な煽り合いの末に下した成田に対しては、「結果がすべて。反則されても2月に負けたのは僕だし、今回勝ったのは僕。勝敗を見ればわかるんじゃないかな」と一蹴。

執拗な介入を繰り返したH.O.Tとの抗争についても、「成田を倒すことができたので一区切りしたい気持ちは強い」と決別を宣言しつつ、「向こうは何が起こるかわからない」と警戒も緩めなかった。

最後に、手元に戻ってきた傷だらけのベルトを見つめ、ウルフは再建への決意を語った。

「明日ぐらいから修理出します。夏にはしっかりきれいな形、田中将斗選手から始まってるこのNEVERのベルトをもともとの形に戻すことで、もともとの真っ向勝負の闘いに戻っていければいいんじゃないかなと」

ベルトの修復は、H.O.Tによって汚されたNEVER戦線の浄化と、純粋な闘いへの回帰を意味する。

不屈の精神で王座を奪還した金メダリストの次なる戦いは、真夏のリングでどのような軌跡を描くのか。

一方、王座から転落した成田は、報道陣の前に姿を現すことなく無言で会場を後にした。

<写真提供:新日本プロレス>

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