【新日本】悲願のシングル初戴冠の海野に悪夢の乱入劇!AEWの刺客となったゲイブが新王者を襲撃「俺はこの団体のために二度死にかけた!」

新日本プロレスの上半期の天王山となる大阪城ホール大会。そのリング上で、歓喜の絶頂は一瞬にして最悪の悪夢へとすり替わった。

6月14日に行われた『DOMINION 6.14 in OSAKA-JO HALL』にて、IWGP GLOBALヘビー級王座を懸けた3WAYマッチが開催された。

王者アンドラデ・エル・イドロにドリラ・モロニーと海野翔太が挑戦した3WAYマッチは、海野が王者アンドラデを沈め、悲願のシングル王座初戴冠を果たした。

しかし、その栄光の余韻を断ち切るように、AEWに主戦場を移したゲイブ・キッドが突如乱入。

新王者を血祭りに上げ、新日本プロレスマットへの侵略を宣言する異常事態が発生したのである。

同王座戦は、5月の福岡大会で辻を退け新王者となったアンドラデに対し、海野とモロニーが同時に挑戦を表明したことで実現した三つ巴の死闘であった。

試合は序盤からアンドラデの場外への逃避や、モロニーと海野の主導権争いなど、3WAY特有の目まぐるしい展開を見せた。

中盤、アンドラデが持ち前の身体能力を活かした空中技で2人を圧倒する場面も見られたが、終盤にかけて挑戦者2人が猛追する。

モロニーの必殺技であるザ・ゴアやドリラキラーを、海野が寸前のところで身を挺して阻止。

最後は海野がアンドラデに強烈なDDTを見舞い、そのまま必殺のSecond Chapterを完璧に決めて3カウントを奪取。過酷なサバイバル戦を見事に制した。

王座から陥落したアンドラデは、試合後のバックステージで不満を隠さなかった。

3WAYマッチの性質上、日本人選手2人を相手にした孤立無援の戦いであったと強調し、怒りをにじませた。

防衛戦において常に2対1の構図を強いられるストレスは計り知れない。

アンドラデは「2人のバカヤローと1人の闘いだ。新日本プロレスの2人のバカヤローと、俺1人の闘いだ」と吐き捨てるように語り、極めて不利な状況であったことを敗因に挙げた。

それでも最後は「ベルトをまた獲るために、新日本に戻って来るぞ」と語り、ラテンの誇りを胸にリベンジを誓って会場を後にした。

劇的な幕切れの後、リング上には美しい光景が広がるはずであった。

海野はマーティー浅見レフェリーから黄金のベルトを受け取り、万感の思いでひざまずいた。

激闘を繰り広げたモロニーとも互いの健闘を称え合い、固い握手を交わす。

しかし、海野がマイクを握り、ファンへ喜びを伝えようとした瞬間、背後から忍び寄ったゲイブ・キッドが襲いかかったのである。

ゲイブは必殺のドリル・ア・ホール・パイルドライバーで新王者を完全にノックアウト。

倒れ伏す海野を踏みつけながらマイクを握ると、放送席の棚橋弘至社長へ暴言を吐き、さらには新日本プロレスのロゴマークに唾を吐きかけるという許しがたい暴挙に出た。

ゲイブは自らをAEWを席巻するユニット「Death Riders」の一員であると名乗り、海野を「親の七光り」と揶揄。

「新日本なんかクソ食らえ! AEWこそ最高のプロレス団体だ!」と絶叫し、リングを後にした。

バックステージに現れたゲイブの口から飛び出したのは、自身の境遇に対する深いルサンチマンと、会社への強烈な不信感であった。

3カ月間の負傷欠場中、SNSでトレーニングを誇示するだけのレスラーたちを冷淡に眺めていたというゲイブは、自身の這い上がり方を強烈にアピールする。

「俺はこの団体のために人生を懸けてきたんだ!二度も死にかけた!その結果、俺は何を得た?目の前にニンジンをぶら下げられただけだ」

過去に東京ドームでケニー・オメガと対戦した実績を引き合いに出し、誰の口利きでもなく自身の力で掴み取ったチャンスであると豪語する。

その言葉の裏には、期待されながらも報われなかったという強い被害者意識が透けて見えた。

「お前は何一つ俺に与えなかったじゃないか。この会社だって、俺には何も与えなかった」と、新日本プロレス体制への強い恨み節を並べ立てたゲイブ。

その牙は再び新王者へと向けられる。

「あんなやつらがチャンピオンをやってるようじゃ、この先そう長くはもたない」と海野を酷評し、合同興行『FORBIDDEN DOOR』での迎撃を予告した。

「お前のことを待って、ぶっ潰してやる。そしてその首を、お前の親父の家に送りつけてやる」と、異常なまでの執着と殺意を剥き出しにしたのである。

一方、晴れの舞台を最悪の形で汚された海野は、顔に塗られた泥を拭いながらも、王者としての確固たる意志を示した。

バックステージに現れた新王者は、まず自身のキャリア初となるタイトル獲得の重みを噛み締めるように語った。

「自分自身、前が見えなくて迷いに迷い込んで、それでもその瞬間の楽しさを、プロレスを応援してくれている皆さんを楽しませようと、その楽しさを追求してまた前に進むことができた」

これまでの苦難の道のりを回顧し、「辛い時期もいろんな困難もあったけど、そういう一つ一つが糧になって、今日この結果に繋がっている」と、ファンの声援に深い感謝を示した。

しかし、話題が乱入者に及ぶと、その表情は激しい怒りに染まった。

かつて新日本のリングで自身の権利を主張し続けていたゲイブが、今やAEWの威光を借りて牙を剥いてきたことに対し、海野は鋭い言葉で一刀両断にする。

「ライオンマークを捨てて、お前は何か成し遂げたのかよ。まるで今の現場で自信がなくて、新日本を捨てられなくて困ってるみたいだ」

団体の看板を背負う覚悟を持たない者への辛辣な批判である。

「初めて獲ったIWGPさえも、こんな形で泥を塗られて、最悪な気分だよ!」と無念さを露わにしつつも、海野の眼差しは決して逃げてはいない。

自ら掴み取ったIWGP GLOBALヘビー級のベルトを守り抜く覚悟は、すでに定まっていた。

「『FORBIDDEN DOOR』なのか、『G1』なのか、いつでもどこでもいいよ。全力でIWGP獲ったからには、全力で守り抜いてやる」

真っ向からの迎撃宣言。最後は「お前みたいなクソ野郎が新日本に簡単に上がれると思うなよ」と吐き捨て、新日本プロレスの至宝を背負う者としての強烈なプライドを示した。

上半期の総決算は、新たなる遺恨の凄絶な火種を生み出す結果となった。

海野が背負う新日本の誇りと、ゲイブが突きつける海外マットからの冷酷な刃。

両者の交わることのないイデオロギー闘争は、海を越えてさらなる激化の一途を辿ることになるだろう。

<写真提供:新日本プロレス>

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