【全日本】敵か味方か!?イレギュラーマッチで証明した青柳亮生&ライジングHAYATOの王者としての余裕「今日殴り合って深まった部分もある」

全日本プロレスが6月24日、東京・新木場1st RINGにて開催した『スーパーパワーシリーズ2026』。

この日の第3試合では、現在の全日ジュニアを牽引する4選手による、極めて数奇なタッグマッチが実現した。

青柳亮生とMUSASHIのタッグが、ライジングHAYATO、吉岡世起組と対峙する一戦。

青柳亮生とライジングHAYATOといえば、数日前の6月18日後楽園ホール大会でアジアタッグ王座を奪還したばかりの現王者組である。

一方のMUSASHIと吉岡世起も、“むーちゃんせーちゃん”の愛称で親しまれる名タッグ。

つまり、強固な絆で結ばれたはずのパートナー同士が、あえて対角線に分かれて拳を交えるという異例のマッチメイクであった。

試合前から、その奇妙な構図はリング上に珍事をもたらした。

4選手が入場すると、無意識のうちに本来のタッグパートナー同士で同じコーナーに陣取ってしまう。

レフェリーから間違いを指摘され、苦笑いとともに敵陣へと分かれる様子は、長年培ってきたタッグの習性を物語っていた。

しかし、ひとたびゴングが鳴れば、そこには純然たる闘争空間が広がる。

青柳亮生とライジングHAYATOがハイスピードな攻防で魅せれば、吉岡世起はMUSASHIのアピールを容赦なく阻止し、握手を求めながらのガットショットで心理戦を仕掛ける。

タッグマッチの常識が狂わされた影響か、ライジングHAYATOが反射的に味方である吉岡世起に合体技を決めてしまうというハプニングも発生し、場内は大きくどよめいた。

終盤、リング上はそれぞれのパートナー同士による激しいエルボーの打ち合いへと収束していく。

互いの手の内を知り尽くした激しい読み合いの末、MUSASHIの二天一流を鮮やかに回転エビ固めで切り返した吉岡世起が、そのまま必殺のクラッシュドライバーへ繋ぎ、熱戦に終止符を打った。

試合後は遺恨を残すことなく、青柳亮生とライジングHAYATOが連れ立って引き揚げ、吉岡世起は敗れたMUSASHIを介抱しながら退場。

元の鞘に収まる美しいノーサイドの光景が広がった。

バックステージに戻ったアジアタッグ王者組は、敵同士として闘ったこの日の試合を心から楽しんでいる様子であった。

青柳亮生が「今日は組んでないよ」と笑い飛ばせば、ライジングHAYATOも「たまにはこういうのがあっても面白いよ」と涼しい顔を見せる。

夏に控える『ゼンニチJr.フェスティバル』の足音を感じつつ、青柳亮生の意識はすでに7月19日の後楽園ホール大会で予定されているアジアタッグ王座の初防衛戦へと向いていた。

「今日殴り合って深まった部分もあるんじゃないですかね。やってやりましょう、初防衛戦」

王者としての余裕を漂わせる青柳亮生の言葉に対し、ライジングHAYATOも「どっちのチームが来ても大丈夫でしょ」と同調。

闘うことで逆説的にコンビネーションを強固にした王者組に、死角は見当たらない。

一方、敗れはしたものの、MUSASHIと吉岡世起の“むーちゃんせーちゃん”コンビのバックステージは、異様なほどの熱気に包まれていた。

タッグパートナーの隠された牙に触れたMUSASHIは、興奮を隠しきれない。

「あらためて分かったよ。せーちゃんの強さってやつ。楽しいよ。負けて楽しいって言っていいのか分かんないけど、楽しいよ。せーちゃん、どうしてくれんだよ、この楽しさ」

その言葉を受けた吉岡世起も、隣に立つ男の闘争本能を大いに歓迎する。

「こっちもビンビン感じたよ。普段のちょっとなに考えている分からないむーちゃんにはだいぶヒヤヒヤさせられたりするけど、こうやってギラついたMUSASHIと闘うのはやっぱりたまんなくワクワクするよ」

馴れ合いのタッグではない。互いを高め合うためのユニット。

それこそが、MUSASHIの求めていた理想の形であった。

「俺が前に言ったさ、むーちゃんせーちゃんの改革、こういうことだよ。これがやりたかったんだよ。タッグは解消なんてしないよ。結成当初から、むーちゃんせーちゃんは仲良しこよしじゃないって言ってたじゃん。タッグ組んだらもちろん2人でやるし、でも闘うってなったら、こうやって熱い闘いしていこうよ」

タッグチームでありながら、最大のライバルでもある。

吉岡世起が「むーちゃんせーちゃんが一番明るく楽しく激しくもやるってことでいいね?」と問いかけると、MUSASHIは力強く頷いた。

味方という殻を破り、正面から殴り合うことでしか得られない新たな信頼関係。

アジアタッグ戦線、そして夏のジュニアの祭典へ向け、4人の才能が新木場の夜に放ったスパークは、今後の全日本ジュニアの勢力図をさらに面白く、そして激しいものへと塗り替えていくに違いない。

<写真提供:全日本プロレス>

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