【NXT】日本人2人目の快挙ならず「ホーリー・シット!」が飛び交う熱戦を展開したNARAKUが王者ディアンジェロのチョークスラムに惜敗
米国・フロリダ州オーランドで開催されたWWEの第3ブランド・NXTのビッグイベント「グレート・アメリカン・バッシュ」(現地時間28日、日本時間29日)。
元新日本プロレスのEVILとして知られ、現在はNXTのリングを漆黒に染め上げているNARAKUが、NXT王者トニー・ディアンジェロに挑戦した。
NARAKUは今年1月末に新日本プロレスを退団し、4月にNXTへと電撃登場した。
参戦直後から王座奪取を堂々と公言し、その言葉通りに挑戦者決定戦でメイソン・ルークを粉砕。
有言実行の実力で挑戦権をもぎ取ってみせた。
しかし、NARAKUの真骨頂はリング上での高いプロレスIQだけには留まらない。
前回の放送で行われた調印式において、契約書の中に「火の玉」を仕込むという常軌を逸した罠を張り、王者の顔面を焼き払う暴挙に出たのである。
この王座奪取に向けた冷酷な宣言と行動は、挑戦者としての底知れぬ覚悟をアメリカのファンに強烈に印象付けた。
卑劣なだまし討ちにより右目を負傷したトニー・ディアンジェロは、右目と額に痛々しい包帯を巻いたまま、この日の決戦のリングへと足を踏み入れた。
試合開始直後から、NARAKUは不敵な表情を崩さず、場外でイスを持ち出して心理戦を仕掛ける。
しかし、怒り心頭の王者はイスを意に介さず強烈なスピアーを敢行。
NARAKUごと会場の壁を突き破るという衝撃的な展開に、オーランドの観衆からは熱狂的なチャントが巻き起こった。
「ホーリー・シット!」
会場を揺るがすこの大合唱は、単なる驚きではなく、NARAKUが引き出した王者の狂気に対するファンの素直な反応であった。
しかし、海を渡ってなお狡猾さを増す挑戦者は動じない。
王者の死角を突き、火の玉で負傷した右目を容赦なくかきむしるという非情な攻撃に出る。
激痛のあまり場外でのたうち回るトニー・ディアンジェロ。
レフェリーが試合ストップを検討するほどの異常事態となったが、王者の執念がそれを許さなかった。
決死の覚悟でリングに戻った王者に対し、NARAKUはエプロンでの足払いから変型大外刈り、変型フェースバスター、ブレーンバスター、そしてセントーンへと繋ぐ波状攻撃で完全に主導権を握る。
さらにSTFで絞め上げ、王者がSTFで切り返してくると、顔面をロックする左手に噛みついて強引に脱出するという、手段を選ばない極悪ファイトを見せつけた。
勝負の分かれ目は、コーナーでの攻防であった。
NARAKUがコーナーに上りトドメを狙った瞬間、トニー・ディアンジェロが下から担ぎ上げ、渾身のパワーボムで叩きつける。
ここから王者の変型フェースバスター、ジャーマンスープレックス、ポップアップ式パワースラムという怒涛の反撃が火を吹いた。
NARAKUも意地の投げっぱなしジャーマンで応戦したが、すぐさま立ち上がったトニー・ディアンジェロの豪快なチョークスラムの前に、ついに力尽き3カウントを聞いた。
日本人としては2016年の中邑真輔以来となる、2人目のNXT王座奪取の快挙は目前で幻となった。
防衛を果たし立ち上がる王者の足元で、無残に横たわるNARAKU。
しかし、死闘を繰り広げた両者に対し、試合中のアリーナには最大の賛辞が送られていた。
王座奪取には失敗したものの、あの不気味な漆黒の男が、この敗北だけで終わるとは到底思えない。
次なる標的へ向け、暗闇からどのような復讐劇を描くのか。
NXTのリングには、まだNARAKUの危険な残り香が漂っている。
オーランドを熱狂の渦に巻き込んだ「WWE NXTグレート・アメリカン・バッシュ2026」の激闘は、「ABEMAプレミアム」の画面越しに中継された。














